【『Schoo for Business』活用のヒント】能美防災株式会社様:「自発的に学ぶ風土」をつくるために、いかに“誘導”していくのか
Schoo株式会社がお届けするこのnoteでは、法人向けオンライン研修プラン『Schoo for Business』(以下「Schoo」)を効果的に活用いただくための方法や具体的な事例をご紹介しています。
今回は1916年に創立し、およそ100年にわたって火災の防災機器メーカーとして事業を拡大させてきた能美防災株式会社様(以下、能美防災様)のSchoo導入事例をご紹介していきたいと思います。
能美防災様は、火事を「見つける」報知器、火事を「消す」スプリンクラーなど防災事業を主軸とされており、製造からメンテナンスまで、ワンストップでサービスを提供しています。国内シェアNo.1を誇り、防災事業のパイオニアとして業界を牽引されてこられました。
【導入までの背景】
中期経営計画の重点方針「人財力の向上」を実現するために
(写真:能美防災の皆さま)
右肩上がりに売上を伸ばし続けている能美防災様がSchooの導入を検討されたのは、2021年4月のこと。防災事業は確かに今まではドラスティックに変化が起きるような市場ではなかったが、今後のグローバル化に向けた競争力が問われる今、企業競争力を向上させ、成長速度を速めていくためには「人材育成」が重要なミッションであるとの経営メッセージが出たことによって、同社の「人材開発室」の皆様が動き出しました。
https://www.nohmi.co.jp/ir/financial_data/highlight.html
特に経営からのメッセージとして呼びかけられたのが、「デジタルスキルの向上」です。とはいえ、全社を対象にした場合、外回り中心な施工管理の人たちもいれば、夜勤もある現場で納品に追われる製造の人たちもいる。本社でバックオフィスやセールスを担当する人もいて、それぞれが普段の業務のなかで習得しているスキルも、デジタルリテラシーもまったく異なります。
「できる人たちの能力を伸ばすだけでは意味がなく、また苦手な人たちの能力向上に照準を合わせるだけでも人財力の向上にはつながりません。まずは『学ぶ風土』をつくり、自発的な学び、自発的な改善・業務提案へとつなげていく下地を固めていきたいと考えました」(導入ご担当者様)
いつ、どこで、どんな内容を学ぶのか。まずは社員それぞれの状況やレベル、必要と感じるスキルなどに合わせて「自ら」選び、学びにいける環境を提供したかったと担当者様は言います。となると、導入すべきは「オンライン学習」システムだろう、というところに行き着いたそうです。
【導入の決め手📝】
使いやすくていろいろ選べる、そのハードルの低さが重要
全社教育のシステムとして導入するからこそ、その多様な要望に応えるために、
が重要であると考えた人材開発室の皆様は、数あるオンライン講座サービスのなかから、Schooを選択してくださいました。
【利用方法✍】
強制ではなく「推奨」で。誘導しながら「自発的」に学んでもらう
まずは全社のリテラシーの「底上げ」を目的として全社員に導入し、学ぶ意欲を触発し、誘発し、応援していくという姿勢をとられた能美防災様。途中で希望制に切り替えたことで、利用人数は減ったものの、そこからさまざまなチャレンジもできたそうです。
【工夫①】
会社として受講を「推奨」する講座を全社メールで通知
能美防災様のSchoo導入目的は、第一に「自発的に学ぶ風土をつくる」ことでした。そのため、ノルマとして「この講座を受講してください」というプッシュは一切行いませんでした。とはいえ、初めての試みであり、オンラインでの学びに抵抗のある世代の社員も少なくありません。そこで、「今の私たちに必要なスキル/学びは〇〇だ」「〇〇にお悩みがある場合はこれがオススメです」といったメールを全社に送り、「こんな動画があるんだ」「オススメされているなら観てみようか」という自発的に学ぶきっかけをつくられました。
【工夫②】
受講者の活用率ランキングを発表し、社内報なども活用
創業者様が「火事を防ぐことが日常生活を守ることにつながる」という想いをもって創業された能美防災様には、「人の命を守りたい」という使命感の強い社員の方が多い反面、皆様優しく穏やかで、「闘争心」「競争心」が強いほうではない、という点がひとつの課題となっていたそうです。
「社員同士が競い合うような風土ではないため、ランキングを出すことには抵抗もありました。ただ、『上司が率先して受講しているんだ』『同期のあの人がこんなに頑張ってるんだ』『部下がこんなに努力してるなんて』と、学ぶ人たちに触発されてほしいという思いもありました。それで、思い切って受講率ランキングを出してみたところ、デジタルスキルの講座にはあまり興味を示さないのではないかと思っていた部署の社員がぶっちぎりで1位になったり、学びに対する意識がいちばん高いのではないかと感じていた部署の社員はそれほど観ていなかったりと、こちらの『先入観』にハッとさせられることが多々ありました」(ご導入担当者様)
実際に利用していた社員のひとりは、「いつもは自分がいろいろと教えていた後輩が、実は自分よりもたくさんSchooで勉強していることを知って、もっと頑張らないとアドバイスなんてできなくなるぞ」と、火がついたと話してくれました。
また、上手にSchooを活用している社員のインタビュー記事を作成し、社内報を通じて募集時に案内するなど、さまざまなきっかけづくりを行ってきました。
【工夫③】
役員にその効果・分析結果を共有し、理解を得ることで応援してもらう
老舗企業にとって、新たなシステムの導入にはさまざまなハードルがあります。そのひとつとして、「上層部の方の理解をいかに得られるか」という点についても、担当者様は注力されていました。決して誇張することなく、事実ベースで現状を伝え、味方に巻き込むことが重要だと言います。
「担当役員にとっても初の試みでしたから、『導入した意味はあるのか?』『本当に社員が利用するのか?』というところが気になるんです。なので、『職種ごとにこういう傾向がありました』とか、『全社導入では何%の利用率で、その後はこんな変動がありました』など、事細かに報告して、『一緒に取り組んでいる』という意識をもってもらうことが大事だと考えていました。
実はランキングを行っていくなかで、役員の一人が上位にランクインしていたこともあるんです(笑)。そうやって、決裁者にも魅力を感じてもらい、意義を理解してもらうことで、続けていくことが変化スピードを上げる一番の近道なのではないかと」(ご導入担当者様)
【今後の課題🔥】
会社として受講を「推奨」する講座を全社メールで通知
導入から1年が経ち、能美防災様には次なる課題が見えてきたと言います。
「全国に社員がいますので、より広くコンテンツの魅力を伝えていくにはどうしたらよいのか、その方法を考えていきたいと思っています。また、Schooの動画では、基礎や思考の仕方を学ぶ社員が多く、そこで得た知識を仕事の現場で活用するための、実務研修を連動して仕掛けていく必要性があると感じました。
まだ一部ではありますが、Schooで学んだ知識を活かして、業務改革につなげている社員も出てきています」(ご導入担当者様)
自発的な学びの姿勢は、仕事の場でも自発的な行動を生み出し、改革へと進んでいるようです。これも社員の自律性を誘発した、人材開発室の皆様の努力があってこそ。オンライン講座の運用にお困りの担当者様にとって、参考になれば幸いです。
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