有事における“メッセージ”の伝え方について考える
【マッキンゼーとHavard Business Review】
まだ終焉が見えない新型コロナウィルスがもたらす社会不安、経済不安は全人類にとってクライシス(危機的状況)ですが、今できる対応策として、参考になる記事がありました。新型コロナウィルスを背景に書かれたマッキンゼーとHavard Business Reviewの論考です。
まずマッキンゼーの記事で印象的であったことを幾つか。
・リーダーからのメッセージの必要性(重要性)について
・発信するメッセージの頻度、明確性、簡潔性について
・この危機の経験から再構築する新たな共通価値について
この他を含め、クライシス コミュニケーションと呼ぶメッセージングのフレームワークについて取り上げています。
“Communicate clearly, simply, frequently”
〜明確、簡潔、頻繁〜
メッセージを“repeat”する(繰り返し行う)という表現は論文中に8回出てくる
参考として興味深かったのは、メッセージ“頻度”について。ある研究では健康リスクは、メッセージを9〜21回受け取ることでリスクの認識が高まり、63%の人はデイリーでのリーダーからの情報を求めているなどの参考情報も掲載されています。
次にHarvard Business Review-
ここで印象的だったのは「従業員」と「顧客」に対するコミュニケーションの考え方。
従業員へのコミュニケーションは、定期的に情報を目立つ場所に掲載するという点。物理的なところや、e-mailやFB,Slackなどネット上としている。つまり従業員が“探さないと見つからない”場所はNGということ。
顧客へのコミュニケーションは、今顧客が必要としているのは何か?という点を見極めること。そして、ビジネス機会を見いだすのではなく“共感”にフォーカスすべきである。ということだ。
そして不確実性に対処するときには、間違いを恐れずに共感を示すべきことや、恐れずに必要な修正を行うことも述べられている。この点は山中教授が述べた言葉を思い出す。
今、大切なのは早く対策する。
(新型コロナは)人類が初めて経験しているのですから、エビデンスなんてどこにも無い。その間何もしなかったら手遅れになる。
僕らが取り組んでいる「アロマスプレー1000本無償提供」の製品も「メッセージ」機能を設けることを軸に開発を進めていました。
【今できることに集中した60日】
プロジェクト構想は、1月後半に一部の企業でリモートワークがはじまり、30日にWHOが緊急事態宣言を出したころに始まりました。
「なにか社会に貢献できることがないだろうか?」ー
そう考えた一番の理由は、今回のウィルスが人の不安感や焦燥感へも大きな影響を与えていたからです。
人間の感情(気持ち)の 75%は「嗅覚」が引き出している*という調査結果があるとおり、ストレスに対しては香りが有効的なアプローチと考えられており、僕自身も原体験からこの点への迷いはなかったのです。
*“毎日経験するすべての感情の75%は匂いがもたらしているという事実-”
「五感刺激のブランド戦略」
(マーチン・リンストローム/ ダイヤモンド社/ 2005 年)
その後、社内や関係者の声を聞きながら、製品と共にアセスメント体制も整えていきました。
そして日本の緊急事態宣言が発令された4月7日にプロジェクトを発表しました。ここまでで構想から約60日が経過。
スプレーには3つの特徴があります。
1つ目は「メッセージ」。スプレーラベルには3箇所ほどメッセージ挿入が可能となっていて、シンプルで簡潔なメッセージをユーザーに届けられるようになっています。
2つ目はスプレーを「高い頻度」で使えること。これには当社の香りデータベースを通して、心地よく何度も使いたくなる香りを作り上げています。
3つ目は「共感」。これは人の居る場所がバラバラでモニター越しにしか会えない環境でも、このスプレーによって“同じ時間、同じメッセージ、同じ香り”を共有する一体感を感じてほしい。少しでも孤独感を忘れてほしい。そんな願いを込めてます。
今、この有事を乗り越えていくために、有効な策を探し、講じていきたい。最後は少し熱い文章になりますが、A10プランニングの企業理念は、
「香りで世界を幸せにする」です。
失敗を恐れず、今できることへ集中。して参ります。
株式会社A10プランニング
代表 小山信和
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