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創作にとって基本は大切だよね〜という話

『河鍋暁斎の底力』という展覧会に行って、基本の大切さと凄味をかんじました。

竹が、堅そうなんです。

風が、吹いているんです。

猿と狐、盛り上がっているんです。

河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、日本画家の河鍋
『河鍋暁斎の底力』では、一流の人の鍛錬の痕跡がみれちゃいます。

今回の展覧会は、下絵が中心だそうです。
『下絵や素描、画稿、席画、絵手本などは、弟子の協力が入らない、100%暁斎自身によって描かれた作品』なのだとか。
(『河鍋暁斎の底力』図録参照)

この展覧会のなかで、ぼくがいちばん驚いたのは『竹』です。

この絵を見ると、きっとが虎に目がいくと思います。実際にこの虎の体重ののり方とか、こっちに来そうな感じとか、超絶かっこいいし。

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でもそれ以上に、『竹』、すげぇ。

水墨画で『竹』は、最初にならう竹、梅、菊、蘭の四君子のひとつなんです。ここに筆運びとかの基本がギュっと詰まっているそうです。ぼくも最初に習いました。

最初に習うから簡単なのかというと、そうではない。

というか、シンプルなものほど、一流とそれ以外の差がはっきり出るのかもしれない……

『竹』は、ローリングストーンズの『(I Can't Get No) Satisfaction 』に、The Whoの『The kids are alright』に、The Beatlsの『Love me do』に似ている気がします。

誰もが同じようにやってみるのに、とうてい同じレベルでやれない。全然グルーブがでない。そんな感じ。

ドラマを創作するにあたって『竹』は何か

ずばり、「イライラしている人」と「迷っている人」ではないでしょうか。

この二つは、シナリオ・センターの基礎講座の最初の課題です。最初の課題だから簡単かというと、そうではありません。

シナリオ・センターの浅田講師はむかし

「新井一(シナリオ・センター創設者)が、基礎講座の最初の課題に『イライラしている人』と『迷っている人』を置いているのが、すごい。
いきなりドラマの本質を描かせている」

というようなことを言っていた気がします。

映画『超高速!参勤交代』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を獲られた土橋章宏さんも同じようなことをおっしゃっています。

「シナリオは葛藤が第一なので、すぐにOKとなって物事が進んだらダメ。何か頼む時は1回は断られるのが定石」(2019.09.13 開催 THEミソ帳倶楽部~土橋章宏 編 ~ より)

この定石が、なかなかできない。できそうで、できない。

一流の表現者は、定石を磨きに磨いて、自分のものにしていくのだと思います。その磨き方が徹底しているか否か、なのだと思います。

「課題は毎週出していましたけど、1週間でだいたい3種類書いて、その中で一番いい作品を持っていきました。出したがりでしたね。(中略)
同じゼミでプロライターになった人もいて、彼も僕と同じくらい出していて、ヤングシナリオ大賞に彼が8本出したら、僕は9本出す、みたいなことになっていました(笑)」
(2019.09.13 開催 THEミソ帳倶楽部~土橋章宏 編 ~ より)

基本はやっぱり奥義への道なんだな

基本というのは、簡単なことなのではなく、拠り所なのではないかと思います。

サッカーでも、超一流ほど『止めて、蹴る』の精度が高いそうです。どんな状況、態勢、スピードのなかでもそこがブレないのだとか。

河鍋暁斎のような絵師も、土橋章宏さんのような脚本家も、メッシのようなサッカー選手も、拠り所となる基本がものすごいレベルなのだと思います。

僕はシナリオ・センターで覚えた技しか使っていないので、皆さんも基礎がしっかり身についていれば戦っていけます。(2019.09.13 開催 THEミソ帳倶楽部~土橋章宏 編 ~ より)

一流にたどり着く道は、ある。
あとは、道を一歩一歩、進んでいくだけですね!要は、猪木イズムか!?

この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる 
迷わず行けよ 行けばわかるさ」

いち、にぃ、さん、ダァーーー!

取り止めもなくなっちゃったけど、基本ってすごいなって話でした。


土橋さんの公開講座の模様は、シナリオ・センター公式サイトにダイジェスト版があります。

『河鍋暁斎の底力』は2月7日まで!


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