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【紙の本で読むべき名作選#2】「IT」で電子書籍を越えてゆけ!

紙の本で読むからこそ感動できる名作」を、私自身が「本のソムリエ」となったつもりで紹介する連作の第二弾です(前回の記事はこちら)。

今回は是非ともスティーブン・キングの「IT」を語らせてください!「アイティー」じゃないですよ、「イット」と読みます!

もしかすると今の若い人にはピンとこない話なのかもしれませんが、私が子供だった頃は、スティーブン・キングにせよマイケル・クライトンにせよ、海外のSFエンターテイメント作家の新作が本屋に出る日というのはめちゃくちゃ楽しみでした。文庫化なんか待ってられん。お小遣いを持って、まずはハードカバーで買っちゃうんです

スティーブン・キングの「IT」については、ちょうど自分がティーンエイジャーのときに出会えたのが、よかった。ホラー小説としては破格の大長編ですが、これはどちらかといえば冒険小説であると解釈して、夏休みをかけて夢中に読みました。なんともよき思い出。

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結局、イットとはなんだったのか?

個人的な解釈となりますが、クトゥルフ神話的な存在だったのではないでしょうか。太古の暗黒神の類ですね。子供を襲うときにはピエロの格好だけでなく、ラドンみたいな怪鳥の姿で空を飛んでいたり、大蜘蛛の姿になって下水の奥に鎮座していたり、どうやら大きさも含めて変幻自在らしい。寿命も数億年単位らしい。

そんな恐ろしいものを、大人ではなく、10代のいじめられっ子少年少女グループが退治に成功してしまう展開が号泣モノです!いまだにソラで名前を思い出せますよ。ビル、ベン、ベバリー、エディ、リッチー、スタン、マイク。全員、抱きしめたくなるほど好きなキャラでした。

その一見するとジュブナイルな物語と平行で「30年後、中年となった彼らが、復活したイットにもう一度勝てるのか」というもうひとつのストーリーが展開するのですが、こちらのパートはティーンの時にはピンとこなかったものの、今読み直すと新たな感想があるかもしれないな、と思いました。

子供の時は恐ろしい目にあいながらも全員生還した仲良し七人組が、大人になってから同じように巨悪と戦おうとすると、うまく行かないことだらけでついに仲間から死者も出始めるという展開、今読んだほうが重みに気づく話かもしれませんね。

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