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【紙の本で読むべき名作選#3】「アクシオン・エスティ」で電子書籍を越えてゆけ!

「詩」などというものは今どき流行らない、などと思われがちですが、そんなこともないです

少なくとも外国語を勉強しているとき、学習中の言語で書かれた現代詩を学んで「うわあ、いいなあ!」と思うことは、よくあります。

たとえば今日、秋のそよ風が顔に吹きつけてきたのがとても心地よく感じられたとき、「ト・アクシオン・エスティ」と無意識につぶやいていました。ギリシアの詩人、オデュッセアス・エリティスさんの詩からの引用です。それが自然と口から出てきて自分でも驚いた。

上掲の詩集、左側のページがギリシア文字による原文、右側のページが日本語による対訳という構成になっていたので、対訳を見ながらノートに原文を手書きで写してギリシア語勉強に使っていたものです。

そうしていたら、ギリシア語の音韻の素晴らしさ、抑揚の美しさが、突然、わかるようになってきた。秋風を受けて「心地よい」と感じたときに、ふとギリシア語でこの詩を口ずさんでしまうほど、無意識にまで音が染み込んでいたわけです。いつのまにか、ですが。

というわけで、外国語を学習するとき、当代一流の詩人の詩を教材に使うととてもよい勉強になるのではないか、と気づいた次第。

そんな「秋風をめぐる体験」をしたばかりの私、「紙の本で手に入れてこそ価値のある本」として、外国語原文が載っている詩集としての『アクシオン・エスティ』をオススメさせていただきます。これほど紙の本であることに明確な価値のある本が幾許ありましょうか!

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