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【紙の本で読むべき名作選#4】「ジャッカルの日」で電子書籍を越えてゆけ!

電子書籍がどんどん隆盛になっている時勢は百も承知で、「この作品は紙書籍で購入して、ぜひ本棚にコレクションしてほしい!」という本を紹介していくこのマガジン

四回目は『ジャッカルの日』を扱いたいと思ったのですが、なんだか、突然、叫びたくなってきた。叫んでいいですか

こんなにめちゃくちゃ面白い小説をなんでこんなにもたくさんの人が知らないんだろう!?信じられない!?みんな人生を損してるよ!!

ああ、スッキリした!

言いたいことはもう言ってしまいましたが、以下、この本がどういうものなのかの説明まで。

『ジャッカルの日』は、スパイ小説の大家フレデリック・フォーサイスの代表作にして、おそらくこれが彼の最高傑作となるでしょう。

フランス大統領を暗殺するという密命を帯びた天才的な殺し屋が、ひそかにパリに潜入。その情報をキャッチしたフランス警察が、「暗号名はジャッカル」ということしかわかっていないそのナゾの殺し屋をなんとか逮捕しようと、ホテルの宿泊記録をかき集めたり、「ジャッカル」という暗号名が何かのアナグラムでないかと勘ぐったり、血の滲むような「努力」で対抗し、しだいに逆転していくオハナシ。

「一人の天才vs凡人の組織」という、サラリーマン小説としても面白く読めます。最初は凡人だらけに見えたフランス警察側が、凄まじいプロ根性を発揮して、手がかり皆無の状態から殺し屋を追い詰めていく過程に、めちゃくちゃ興奮します。

補足として。司馬遼太郎の『翔ぶが如く』という小説にも細かく出てきますが、実は「フランス警察」というのは明治時代の日本が「警視庁」を立ち上げる際にも参考にした組織。歴史的にも古く、ヨーロッパでは「警察といえばイギリスかフランス!」と言われるほど。「フランス警察=伝統ある優秀な警察の代名詞」と言っていいと思います。

フレデリック・フォーサイスは取材力に定評のある作家さんなので、フランス警察の組織や構成もよほどリサーチしてから本作を書き上げたらしく、まるでドキュメンタリーのような迫力があります。なによりも「どんな天才的な犯罪者よりも、完成されたチームワークのほうが強い」という男性諸君にはたまらないテーマの娯楽小説で、オススメです。

とはいえ、敵の「天才的な殺し屋」もさるもので、最終章では、フランス大統領の本当に至近距離にまで潜入してきちゃいます。心臓バクバクしますよ!(その際の「武器の隠し場所」については、「あ、そうきたか!」と、本を読みながら私も叫んでしまいました、、、)

今では英語版も手に入りやすいです。私もチャレンジしましたが、警察用語や政治用語が多くてレベル高めでした。志の高い方はぜひ、日本語版と併読でチャレンジしてみてください!



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