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【漫画の海外展開の話のつづき】ポーランドでは日本人経営者が入った出版2社(JPF、WANEKO)が大奮闘!力づけられます!

前回に続き、EU圏における日本漫画の状況のリサーチ報告です。

ポーランドで、日本人が経営陣に加わっているマンガ専門出版社が健闘しているらしい、という話題を前回の中に盛り込みましたが、その後のリサーチで、だいぶ詳細がわかってきました。

以下の記事は、ネットに公開されていたジェトロの2008年のレポート記事を参考にしています。10年前のレポートをモトネタにしている為に現状とは違いが出ている可能性が多々ある旨はご了承ください。

ポーランドで日本漫画の普及に努めているのはこの2社!

ひとつめが、JP Fantastica(Japonica Polonica Fantastica)。

こちらは1996年に、『天の果てまで』をポーランド語で出版するところからスタートした会社です。『天の果てまで』は、『ベルサイユのばら』で有名な池田理代子先生が描いたポーランド王国史の物語。これを出版したことが、ポーランドでの日本漫画「元年」となったとのことです。

その後、JPF社は、ドラゴンボール全巻を隔週で出版するという試みで成功をおさめたとされています(この「成功」規模がどれくらいに厳しい「成功」だったかは、後ほど、数値を出して説明しますね)。

もうひとつの会社が、WANEKO(和猫)社。JPF社に遅れて1999年、『ホワッツ・マイケル』をポーランドで出版するところからスタートし、日本漫画ファンへの専門誌を出す等の普及活動を進めてきました。

この2社、どちらもポーランドで現役活動中です。

日本人の方がどのような決意でポーランドでマンガ出版の起業を行ったのか?

ともかくなんとも勇気づけられる事例です!

ただし現実は厳しい!この2社の売上のジェトロ報告から読み取れること

「ということは、ポーランドを筆頭にした東欧には日本漫画のチャンスがあるということか?おれも一旗あげてみるか」などと一瞬でも考えた方!

その前に、数字を見てください。

ジェトロのレポートによると、2008年段階で、ポーランドの漫画読者はせいぜい1万人程度と推測されており、現地ポーランドの大手出版社と割っている日本漫画の年商規模は、年間1億8000円程度とされています。

そのうち、どれくらいが、上掲の2ベンチャーに入っているかというと、

JPFはドラゴンボールを販売していた時期に年商2億円を達成したのが最盛期。ドラゴンボールの最終巻を出してしまったあとは、その四分の一、五千万円程度の年商に激減した、とのこと。つまり、ポーランドの人たちは、「ドラゴンボールのファン」にはなってくれたものの、「日本漫画そのもののファン」には、なかなかなってくれなかったのですね。これは厳しい。

和猫はもっと厳しい道を歩んでいます。ジェトロのレポートに出てくるところでは、3000万円弱の年商とのこと。

解釈はいろいろありますが、一旗当てるというような話ではなく、「日本漫画をポーランドの人たちにも読んでほしい」という情熱がなければ、なかなか続けられない厳しい市場を相手にしているのではないでしょうか?

それでもこの2社がポーランドにいる、ということが力づけてくれること

前回、前々回と、「ヨーロッパでの日本漫画の人気はなるほど悪くないが、ビジネスにするには厳しい」という話を続けてきました。

でも、私自身、リサーチを続けている中で、本質のテーマを忘れていたかもしれません。

大きなビジネスにしよう、などと考えること時点が、おこがましい話であり、「日本漫画のファンを細々とでも外国に作っていきたい」という情熱があることが、まず大事なのではないでしょうか?

そう考えると、ポーランドでは、上掲の2社が、まがりなりにも20周年を迎えようとしているという事実は、私を奮い立たせてくれるほどに力づけてくれる情報です!

皆さまは、どのようにお感じでしょうか?

次回以降も、他の国で別の「成功事例」がないか、リサーチを続けますし、その際にはくれぐれも「金銭的成功」などという先入見にとらわれずに、いろんな意味合いでの「成功」事例を見つけていきたいと思います!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!