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子供「ねえ、お父さん。ロシアとドイツは昔、すごい戦争をしたってきいたけど、どうして戦争をしたの?」

私「お父さんにも、よくわかりません。ただ、お父さんは、ゴーゴリとかドストエフスキーとか、ストラヴィンスキーとかエイゼンシュテインとかいった、ロシアの芸術が、学生の時から大好きだったので、ロシア側の事情は、少し知っています。その前提で、お父さんが知っていることを話すと、、、ロシア帝国とかソビエト連邦とか、いまのロシア連邦とか、本当にエゲツない戦争ばかりをしていますが、この独ソ戦(およびナポレオン戦争)に関して言えば、これはロシア市民側があまりもかわいそうと思っています。。。これについてはドイツのほうから約束反故でとつぜん襲い掛かってきたわけですからね・・・。さすがにこの件については、ドイツ側の侵略責任ということになると思います

子供「ドイツのヒトラーは、スラブ民族を劣等民族と呼んでいたの?

私「だいたい、この人は、ドイツ人(アーリア人)以外にはじゅんばんに劣等民族のレッテルを貼って襲い掛かってきます。例によって理屈はよくわかりませんが、『あいつらは劣等民族だ、ということは、私たちのほうが優等だ、だから私たちが劣等なほうを管理したり洗脳したりいじめたりするのは、世の中のためになること、正義なんだ、さあこれからみんなであいつらをなぐりにいこうか!』っていうのはこの方の大好きな論理パターンなので、、、たんに、スラブ民族が邪魔だからそう言い出したのが発端とは思います」

子供「ロシア側は三千万人もの、とてつもない犠牲者が出たというけど、それはなぜ?」

私「これも、よくわかりません。ただ、わからないのは、お父さんが島国の日本で生まれ育ったからと思います。陸戦国どうしがガチで戦った場合の戦争と、私たち島国の考えている(あるいは過去に経験している)戦争は、たぶん、まったくレベルが違うんだと思います

子供「ロシアはロシアで、独裁者の恐怖政治だったというのは本当?」

私「ハイ。ただし、1930年代、1940年代のロシアのプロパガンダ映画を観ていると、どうも『独裁者に強引に徴収された』というだけのハナシだけでもなさそうです。はっきり言って、ロシア側の反撃の気迫は生半可なものではありません。でも、そりゃそうですよね、、、隣の国の恐ろしい独裁者がいきなり攻めてきて、女子供も容赦なく虐殺しながら進んできていると聞けば、いくら自分の国のトップが恐ろしい独裁者でも、必死になって団結してしまいますよね」

子供「独ソ戦について、なにかおすすめの本はありますか?」

私「子供には少し早いので、もう少し勉強をして成長をしてからチャレンジしてほしいですが、、、ソ連側が、決してスターリンの強制で無理に参加させられていた兵士だけでなく、自発的な民兵もたくさん蜂起していたし、なんと女性の志願兵部隊もいた、というエピソードを教えてくれる点で、『女たちの独ソ戦』でしょうか。もちろん、ソ連側に立って戦った女性兵士たちは、ドイツとの戦いだけでなく、ソ連軍の中での男性社会とも戦わなければいけなかったわけですが。ともかくこちら、目からうろこのエピソードだらけです」

子供「他にもオススメはありますか?」

私「もっと普遍的な視野で、戦争とは何か、それに巻き込まれる人の運命とは何かを知りたいなら・・・長すぎてしんどいかもですが、トルストイの『戦争と平和』が決定版でしょうね

私「ただし、最後に付け加えておきますが、、、ロシアにとっては、ナポレオンに攻められてこれを撃退したことも、ヒトラーに攻められてこれを撃退したことも、世代を超えて継承されている誇りにして、かつ、『かろうじて勝ったとはいえ、二度とあんな膨大な犠牲者を出したくないっ』というトラウマ記憶でもあるようです。その後のロシアが、過去のトラウマから『やられる前にやれっ』発想になりやすいってところを、考えてあげると、意味不明に見えるロシアの行動も、少しはわかるところがあるかもしれません。だからといって、その後のロシアは他国に攻め入る立場にすっかり埋没している上に、21世紀になってもまだその発想でやっている点を、私は『過去のトラウマのせいだ』で弁護はできませんが、、、(お忘れなく、、、うちの国だって彼らの隣国です、、、)」

子供「お父さんはロシア文学やロシア映画が好きなので、多少、ロシアの立場については意見や言いたいことがあるんだね?いっぽうの、ドイツについては、どう思ってるの?」

私「お父さんは、ドイツのヒトラーのことは、すいません、よく知りません。・・・ていうか、この御方こそ、論理的にいちばん私には意味不明な方なので・・・知っている人にぜひ、聞いてくださいね。ていうか私もヒトラーについてはいったいナンなのか、ぜひぜひ、詳しい方に、教えてほしいと思っています・・」


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