見出し画像

現代フランス思想のオオモノ達は「あなたにとってSFとは何か」の質問にどう回答したか?

「皆さんこんにちは!noteでSFな話を展開しておりますヤシロと申します!今回もよろしくお願いします」

「・・・ちょっと待って?なぁに今回の記事のタイトルは?ひさびさにアルチュセールとかドゥルーズとかが出てくる現代フランス思想なハナシをするつもりなの?」

「いやいや、今回は現代フランス思想といっても、堅苦しい話ではなく、ちゃんとSFの話題です!出典は、以下の本から」

この著書のあとがきに面白いことが書いてあるんですよ。現代フランス思想のオオモノたちに『SFについてどう思うか?』というアンケートをとったことがあるらしくて、それに対してアルチュセール、ドゥルーズ、デリダ、ラカンが回答をしてくれたとのことなんです(この本の著者であるステファンヌ・マンフレドがアンケートをとったのか、それともそういうアンケートが過去にあったのをステファンヌ・マンフレドが引用してるだけなのか、その詳細がちゃんと明記されてないのが残念なのですが)」

「ええ??この四人!?おう、、、たしかに、すごく豪華な四名ではある、、、」

「でしょ?彼らがSFをどう見ていたのか、気になるでしょ?というわけで以下、この記事でぜひ皆さんに、該当部分を紹介しますね!」

(それはいいんだけど、、、ヤシロ君てnoteで哲学の話をすると好きな哲学者にはちゃんとしたイラストを描いてあげて、そのいっぽうで苦手な哲学者は露骨に手抜きイラストにするクセがあるからなあ、、、またひどいイラストとかを上げるつもりじゃないか心配だなあ、、、)

「それでは各自がどんな回答を寄せたのか、ひとつひとつ見ていきましょう!」


【1】アルチュセールの場合

「SFは自分にぴったりきて興味深いが、どのように哲学的分析をしたらいいのかわからない。SFは純然たるディスクールであり、私に歌いかける概念である」

『フランス流SF入門』(幻冬舎/藤元登四郎訳)あとがきより

「すごくマジメな回答だ、、、『アルチュセールさん、別に、何でもかんでもそうマジメに頑張って哲学的分析をしなくてもいいんですよ?追い詰められちゃいますよ?』と語りかけたくなる」

「このままクイズにしても『これがアルチュセールの回答だな?!』と見当がつきそうな文章だw。ちなみにだけど、すっかり『資本論を研究してた人』な印象のアルチュセールですが、実は素養のベースはバシュラール仕込みの科学哲学だったりする。ので、SFに興味を持っていたと言ってるのは社交辞令でなく、本当かもね」

「ただし、フレデリック・ブラウンとかのおふざけ系のSFは嫌ってそうな気がする、、、印象だけど」

【2】ドゥルーズの場合

「SFは非常に豊穣な現象である。SFの発展は、文化に認められている意味のずらしと関係がある」

『フランス流SF入門』(幻冬舎/藤元登四郎訳)あとがきより

「これまた、いかにもドゥルーズが言いそうなセリフだ!w」

「まあ、ドゥルーズの場合、あれだけ自身の著作の中でSF小説やSF映画を引用してれば、誰がどう見ても『この人、そうとうSF好きだな?』ってピンとくるけどね」

「ただしそうやって面白おかしくSFの引用なんかを散りばめてるから、本職の科学者には嫌われて、ソーカル事件みたいなことになっちゃうという面も」

「まあドゥルーズって、なにせ、カルロス・カスタネダなんていうオカルトスピリチュアル系の人の本も平気で引用する人だから、、、」

「そんなドゥルーズのことがどーしても好きなヤシロ君には、大学生の時から悩まされたもんだよ。すぐ『差異』がどうした『裸の反復』がどうした、影響されたハナシをしてた、、、」

「あーやめて!わが大学時代の黒歴史、、、なにかと『差異』とか『反復』とか、、、授業のレポートにまでそういう言葉遣いを入れてたり、、、今から思うとお恥ずかしい、、、」

【3】デリダの場合

「SFは現代の理論的思考の隠喩であろう。SFは空虚な点、すなわちその言葉が円をなす、近づくことのできない中心である」

『フランス流SF入門』(幻冬舎/藤元登四郎訳)あとがきより

「これまた、まさにデリダが言いそうな、、、w」

「さすがにここまでくると出来すぎていて、日本語訳者が恣意的に『デリダぽい』言葉遣いを選んで訳してるんじゃないかと邪推してしもうたw」

「それにしても、サブカルチャーの代表みたいなものであるSFをして『理論的な思考の比喩だ』と言っているのは、、、SFを褒めてるというよりは、現代での理論的思考の脆さのことを言いたいのかしら?」

「そのどちらとも取れる言い方をしてるよね。うーん、脱構築の味、、、」

【4】ラカンの場合

「SFは、世界の中にいるものだけが証言する集合的無意識の壺の周りを回っている。それはそれぞれの言語である」

『フランス流SF入門』(幻冬舎/藤元登四郎訳)あとがきより

「こらーーーっ!!やっぱり、また、やりやがったわね!?どーしてこう、自分が読んでもわからなかった、苦手思想家のイラストは、露骨にこういう描き方にするの?怒られるわよ!」

「えー?なんのこと?」

「なんでラカンだけ微妙な悪意を込めたタッチに描いちゃったの?!」

「だって、、、20年以上も、それなりの哲学好き読書好きとして生きてきて、ずーーっと思ってることだけど、、、ラカンだけいつも何を読んでもワケわかんないんだもん!上の文だって、よく見てごらんよ?『SFは、世界の中にいるものだけが証言する集合的無意識の壺の周りを回っている。それはそれぞれの言語である』って、、、これを読んで一箇所でも意味をわかる人がいるの??!!」

「ジジェクとかが好きな人だったら、あっけなく解説してくれるんじゃないかな?」

「しかも『ラカン読んでもわからない?ああ、かわいそうな人だねえ』みたいな上から目線でね、、、くっそう、、、く、くやしい、、、」

まとめ

「、、、と、すいません、オフザケも交えながらですが、『フランス流SF入門』という本に載っていた、現代フランス思想のオオモノのSF観を紹介させていただきました。こちらの『フランス流SF入門』、こういう哲学の話題もあれば、バンドデシネ(フランス圏のコミック)におけるSF系作品の系譜をまとめた章なんかもあって、SFの歴史に興味のある人にはとても面白い本です!」

「たしかに『SFの歴史』の本なんていえば、どうしても英語圏の人が書いたものが翻訳されやすい状況で、フランスの方が書いてフランス人向きに出版したSF史の本なんて、そもそも日本では貴重かもね、、、」

「以下にこちらの本のAmazonのURLを紹介させていただきます。ただし、例によってアフィリエイトリンクを貼らせていただいております点は、ご了承くださいませ」

↓↓↓

ではまた、SF絡みなお話にて、お会いしましょう!

この記事が参加している募集

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!