【紙の本で読むべき名作選#16】「オスマン帝国皇帝のアートディレクター山田寅次郎」で電子書籍を越えてゆけ!
山田寅次郎という人物のことを、ご存知でしょうか?
日本とトルコの関係史を考える上で、絶対に外せない重要人物です。沼田藩の家老の家に生まれながらもすぐ明治維新を迎え、立身出世を目指して上京。ところが数奇な運命からイスタンブールに渡ることになり、当時のオスマン皇帝に謁見して気に入られ、以降長らくトルコに在住し、明治日本とオスマン帝国期のトルコとの架け橋として生涯奔走した快男児です。
そのお孫さんにあたる和多利月子さんがまとめた、山田寅次郎のすべてがわかる一冊が、こちら!
タイトルが示す通り、明治の日本男子というのは夢がデカく豪快で、伝記を読んでいるだけでなんだか元気をもらうことができます。
それよりも驚くのが、山田寅次郎のおそるべき多才さ。イスタンブールでの滞在で、トルコの市井の人々を観察し日記に残すのですが、そこに描かれたスケッチがこんな感じ。↓
たいへんな絵心ではないでしょうか!
漫画調を先取りしている筆の軽さといいますか、そしてなんともいえない「あたたかみ」を感じるスケッチです!
たくさんのトルコ人に日本を紹介し、日本人にもトルコを紹介し、外交の架け橋となり、日露戦争の際にはトルコ領を通過するロシア軍を監視するスパイ活動までやっていた山田寅次郎。
その夢にあふれた生涯は私たちに勇気を与えてくれる上に、彼が家訓としていたのが「男子たるものは外国語三つくらいは極めよ!」だったというのだから襟を正してしまいます。
海外交流に興味のある日本人男子として、私も可能なかぎり、この人にあやかった人生を送りたい!
本書を読むと、そんな熱い元気が、たくさんもらえるのです。
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