東京オリンピックの年に、北欧デザイナーが描くTOKYOをイメージした江戸更紗を制作する企画を立ち上げる
ついに東京オリンピックの競技が始まりました。
昨年はコロナ禍でオリンピックの延期が決まり、いろいろなことがストップし、本当にさまざまなことが制限される年でした。
私自身は特にオリンピックとは関係ないのですが、東京オリンピックの年に合わせて企画していた文化イベントがあり、その発表のタイミングを逃してしまったことを残念に思っていました。
第5段の文化交流イベントとして、東京をテーマに北欧デザイナーに描いてもらったデザインから10個を選び、10反の「江戸更紗」の生地にするプロジェクトを企画していました。東京都から助成金をいただいたこともあり、かなり大掛かりな企画となりました。
「更紗」とは、インドで生まれ、ヨーロッパやアジアに渡り、それぞれの国や地域で発展していった、木綿のプリント生地のことです。エキゾチックな色と文様は、世界中の人々を魅了しました。
実は北欧のプリント生地も、その原点はインドの更紗にあります。古くから染織文化を持つ日本においても、更紗の伝来は人々を魅了し、江戸時代の町人文化のなかで、植物や鳥獣などの文様を多色表現した型染め生地として発展しました。
「美しいTOKYO-10人の北欧デザイナーが奏でる江戸の型染め」は、北欧デザイナーたちと伊勢の型紙職人、東京の江戸更紗の染工場が、じっくりと時間をかけ、手仕事によって実現したプロジェクトでした。
スタートした当初は、2020年の東京オリンピックを想定したプロジェクトでしたが、新型コロナウイルス感染拡大により、東京オリンピックが延期が決定し、私たちのプロジェクトも、制作は遅延、イベントは中止を余儀なくされました。
そんな中でもプロジェクトは進み、作品は仕上がりましたので、オリンピックの開催を機会に、この場で紹介させていただいたいと思います。
テーマは東京/TOKYOです。世界でも人気の高い都市で、多くの北欧人の憧れの地です。江戸更紗の企画を説明するにあたり、東京オリンピックにちなんで「TOKYO」をテーマにしたデザインを作ってほしいとスカンジナビアン・パターン・コレクションに登録する30名を超えるデザイナーに声をかけたところ、28名/組のデザイナーより、40点を超えるデザインが提出されました。
東京に行ったことのあるデザイナーからないデザイナーまで、さまざまな思いを込めて、デザインを描いてくれました。面白かったのは、いくつかの共通点があったことです。それは「渋谷交差点」「桜」「傘」です。渋谷交差点を渡る人々が傘をさしている姿をモチーフにしたデザインがいくつか見られました。海外の人々にとって「渋谷交差点」は東京を代表する場所のようです。
北欧デザイナーたちがどんなデザインを描いたのか、インスタグラムに投稿してますので、どうぞご覧下さい。
https://www.instagram.com/scandinavianpatterncollection/