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刺し子との出会いから文化イベント第3弾へ UNIK1

北欧と日本の美意識は共通点が多い、とよく言われていますが、文化人やクリエーターたちは、100年近く前から相互に影響を受け、特に戦後になってから、行き来が盛んになったようです。

日本の民藝運動について調べ物をしていた時、東京駒場の日本民藝館が北欧スウェーデンの野外博物館スカンセンに大きな影響を受けて設立された、ということを知りました。また、民藝運動の創始者として日用品の美しさを唱えていた柳宗悦が民藝品収集のために1930年に東北各地を回った時、東北の貧しい暮らしから生まれた布である「南部の菱刺し」のことを「地方的な日本刺繍として多彩で美しく、スカンジナビアのもののようだ」と称えたそうです。私はその言葉にとても興味を持ち、早速東北に出向いて、刺し子のことをもっと調べてみようと思いました。Scandinavian Pattern Collectionの文化イベント第3弾は、2015年夏、東北への旅がそのスタートとなりました。

南部から津軽へ回り、多くの方々のお話をうかがい、貴重な資料をたくさん見せていただくことができて、刺し子の美しい文様に心を打たれました。そこには、刺し手の女性たちの温かな気持ちや大切な人への思い、厳しい自然のなかでの生活の苦労や強い意志が詰まっていて、それはまさに、北欧手工芸との大きな共通点でした。

日本の手工芸品としての刺し子が、東北地方を中心に、厳寒な気候のもとに質素な暮らしから生まれ、そのシンプルなデザインによって、そして長きにわたり使われることによって、美しい装飾品として生まれ変わったことに感銘を受けました。北欧の気候は東北地方と同じように冬が長く寒く厳しい寒さとの戦いであり、手工芸文化を大切にし室内インテリアに気遣う気持ちは、その表れだと言われています。このような中で、北欧デザイナーによる刺し子デザインを北欧らしい演出によって人々を感動させるものにしていきたいと思いました。

By S

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