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詩集 2018/05/11より

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記事一覧

魔法の泉

上手くいかないときは
何をしたって
上手くいかないだろう

どんな思いも
伝わらないだろう

心に興味の無い人間に
精神の話しをしても
ちんぷんかんぷんだ

分かろうとしないのだから
どんなふうに打ったとしても
響くはずがない

顧みることをしない
立ち止まりつつ
小さくてデカい夢ばかり

パンは要らない
そう言ってから
一切れのパンも
この手には
渡されなくなった

枯渇しない
魔法の泉は
今日

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聞こえない声

泣いて、声を上げ
泣きたいのに
涙は胸の中に押し込まれて
上手く出てこない

テレビの四角い箱から
薄っぺらくて
妙にうるさい雑音が
絶え間無く流ている

意味が分かるような気もする
全く何も分からない気もする

画面に現れる姿も笑顔も
青白く、華奢で
その生死すら分からない

生霊のようだ

何もできないわたしは
知らない場所で
できる自分になるために
毎分毎秒を生きている

それ程に頼り甘えて

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生きる理由

世の中が 愛情に気付いたとき
多分、手遅れなんだろう

目の前の愛情から
誰もが絶望している

信じるコトも
許すコトも
裏切りに押し潰されて
孤独から逃げようとする

夢から覚めて
安堵することもなく
始まる朝に恐怖する

いずれ来る別れに
恐れるコトもなく
ただ受け入れるコト
それだけのコトに
思い悩み、歪んでゆく

今更、時代が愛情を求め
惨めに嘲笑っている

僅かな
微かな
永遠という

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残像

嗚呼、消えてしまいたい
この宵闇に飲み込まれてしまいたい

誰もが わたしを忘れてしまって
明日という日を健やかに
暮らしてもらいたい

滲みのように
じわじわと広がって
醜態を晒すような魂は
何も知られない方がいい

沈黙の中 終わりを迎えようか?
さっと焼かれて過ぎ去ろうか?

わたしに相応しき消滅は
あるのだろうか……

白い月

あたしはズタボロになっても
いいんだ
誰も傷つけないわけには
いかないだろうけれど
それでも、大切な人が
悲しくなったり
辛くなったり
寂しくなったり
泣いたりするくらいなら
あたしが全部引き受けるから
この魂もあげるから
一瞬でもいい
あたしに微笑んでくれるなら
あたしは何も要らない

あたしは灰をかぶったまま
この幕を閉じても構わない

それが
伝わればいいな
それが
光になればいいな
そして

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こころがしんどいときは
ためいきついて
くだらないことで
わらいちらかして
なみだながして
こきゅうこんなんになればいい
あとは ぜんぶ なげだして
ふてね すればいい

そうしたら
あめがふって
せかいが すこしばかり
あたらしくなる

誰もが寝静まり
朝の光りが広がる頃に
浅い眠りに嫌気が差して
暗闇の中で手元ばかりの
灯りを灯す

遥か昔も 只今も
同じ様にして 人は生きて
時代を越えて行くのだろう

甘えた感情を大事に
抱え込みながら

サテライト

ちっとも前を見ようとしないのは
手が足が目が 何もかも失った気になって
踠き 欺き 嘲て 灰になった瞬間
白い海に堕ちた 天女が笑った

ありのまんまなんて 分かりゃしない
そんな想いなんて 細かく千切って
嵐を呼んで 捨ててしまおう

ありったけの空気 吸い込んで
涙流して ずっと、ずっと
胸の奥 沈み込んだ 未確認情緒吐瀉物なんて

世が明ける前に
晒して 燃やして

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摂理

生きている証明 生き残る生命
寂しさに飢えた烏 心臓を狙っている

遥か昔、ここは海だったんだってさ
誘惑されるのは 母性 本能 記憶?

今でも迷惑なのは 耳の奥に残る
波の音 繰り返し、繰り返し

大きなミミズがヒルに喰われて
あっという間に青くなった
ヒルはどんどんでかくなりすぎて
道端で無造作にあっけなく
踏み潰され ペシャンコ

それがルール

生きている証明 生き残る

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