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【まとめ】東南アジアにおける動画ストリーミングサービス市場(2018年)について

今回は東南アジアにおける動画ストリーミング市場についてまとめる。

2018年東南アジアの動画配信サービス市場のシェアは以下の図のようになっている。

シェア第1位はNetflix(アメリカ企業)、2位はiflix(マレーシア企業)、3位はViu(香港企業)であった。過去の記事でiflixViuについては説明済みである。
東南アジアの動画ストリーミングサービス(SVOD)市場規模は2022年に390億円までになると言われている。

東南アジアではユーザーがSVODサービスを検討するにあたって、
重要なのは①サービス料金、ローカルコンテンツの豊富さである。

①サービス料金
サービス料金については、東南アジアの国々では元々、海賊版DVDなどの普及で動画を視聴することに対してお金を払うのに若干の抵抗がある。
iflixはマス市場(一般大衆層)をターゲットにしているので、その層を獲得するために、広告付無料コンテンツ(AVODモデル)に注力しており、ユーザーを増やして成長している。Viuも同様に無料会員プランというのを設けている。アメリカでもそうだが、従来のSVODとして月額会費をもらうビジネスモデルから、無料会員で広告付きコンテンツを展開する新しいビジネスモデル(AVOD)が東南アジアでも普及しつつある。

一方で、Netflixはそのような東南アジア市場において、8ドル~という強気の価格を提示している。これはNetflixのターゲットがグローバルエリートで各国の中でも所得が高い層であるためだ。グローバルエリートはNetflixの強みである欧米系コンテンツを好む。一般大衆層がローカルコンテンツを好むとの対照的である。

②ローカルコンテンツの豊富さ

東南アジアの国々では自分たちの国のコンテンツの数が少なく、家にテレビはないが、スマホはあるという家庭も多い。
そのため、彼らはローカルコンテンツの豊富さを重視する。
iflix(マレーシア)、Viu(香港)、HOOQ(シンガポール)は既に多くのローカルコンテンツを取得している。これらの3社はバックに大手メディア会社などがついており、既存のネットワークでローカルの製作会社等にアクセスしやすく、各国の製作会社等と提携をしている。この点はNetflix不利と言える。
また、iflixはローカルコンテンツのみならず、最近ではローカルオリジナルコンテンツに最近は力を入れており、既に累計300億円を調達している。

■まとめ
2018年はNetflixがシェア第1位33%であり、グローバルで強い企業というのが改めてわかった。
一方で、iflixは創業5年でシェア第2位22%を獲得しているのは注目に値する。今年はDisney+が開始される予定であり、今後シェアがどのように変わっていくのか楽しみである。

また、今後の東南アジア市場については、今回取り上げたSVODのシェアだけでは語れないような気がしている。
というのは、上記に記載したようにAVODという広告付き無料コンテンツというビジネスモデルが広がりを見せており、東南アジアではそちらのほうがフィットしている可能性があるためだ。(元々コンテンツにお金を払う習慣がない)

動画配信サービスと一言に言っても、このようにSVOD、AVODと分岐が始まっており、展開する国の状況によって刺さるサービスが異なる。

今後、動画配信サービスがどのように変わっていくか今から楽しみである。


<参考>
https://theaseanpost.com/article/video-streaming-rise-southeast-asia

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