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【ざっくり】香港動画ストリーミングサービス-Viu社について

これまでに様々な動画配信サービス(SVOD)を取り上げてきたが、今回は香港を拠点とするViuという会社について取り上げる。
日本で知名度はほとんどないViu社だが、既に世界17カ国に展開をしている。

以下は2018年東南アジアのSVODのシェアである。

全体の中でViuはNetflix、iflixに続いてなんとシェア第3位で10%を持っており、実はアジアの中でかなり存在感のある企業である。

■会社概要
創業は2015年10月である。
親会社は PCCW Media Groupという香港の大手テレコム企業の有料テレビ放送の会社である。資金力のある大手企業がViuにはついているため、現在の様なグローバル展開ができている。
バックのスポンサーに大手企業がついている点については、前回説明したようにiflixも同様である。

■ビジネスモデル
Viuの収入は2種類ある。

1. ユーザー月額会費
⇒ユーザーから月額会費収入
2. 広告スポンサー収入
⇒広告付き無料コンテンツを配信しており、その広告収入(iflixと同じ)
驚くべき点としては、コンテンツの約7割が無料コンテンツである。

Viuの料金プラン
Viuには2種類の料金プランが存在する。

・Viu Premium / 有料プラン
   -動画再生中は広告なし
   -動画配信がフリーユーザーよりも3日早い
   -有料会員限定コンテンツの視聴

月額会費は地域によって異なるが、アジア市場では2ドル~6ドルの設定としている。(シンガポールでは約540円/月、マレーシアでは約250円/月)

・Free Viu / 無料プラン
   -動画は広告付き
   -1度にダウンロードできるのは1動画のみである。

Viuは他の競合と比較して、特に韓国系コンテンツに注力しており、種類が多い。韓国系コンテンツが好きなユーザーを多く抱えており、韓国系コンテンツの多さをフックに新規ユーザー獲得を行っている。

Viuのオリジナルコンテンツ
Viuでは韓国ドラマ、映画、アニメ、バラエティーショーに加えて、他の競合と同じようにオリジナルコンテンツに力を入れている。
現地の製作会社(韓国、インド、インドネシア)を利用して、現地語の字幕を付けて配信している。

■展開国
香港、シンガポール、マレーシア、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ミャンマー、バーレーン、エジプト、ヨルダン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦

基本的に展開国はiflixと似ており、iflixも中東に展開をしている。

■業績
・KPI
2018年12月時点では月間アクティブユーザーは3,000万人に到達したそうだ。ちなみにiflixは同じ時期で900万人であった。

・資金調達
2017年8月に110億円をTemasek(シンガポール政府系投資会社)、Hony Capital(中国の投資会社)、Foxconn Ventures(フォックスコンのVC)から調達している。直近では資金調達を予定していないらしく、他の競合とは対照的であった。(他の競合は資金調達をガンガンしてコンテンツに力を入れる)

・財務
2018年度は売上100億円に対して、EBITDA̠▲40億円であった。
売上の内訳は月額会費50%、広告収入50%とのこと。

以上、Viu社についてまとめてみた。
シェア第3位のViu社がここからどのように戦っていくか楽しみである。

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