良く学ぶには 成長に必要な姿勢

僕が初めて教壇に立ってから、気がつけば20年近くになります。最初に教壇に立ったときは28でしたから、学生さんと言っても、先輩と後輩のような感じで、こちらもただただ必死でした。
今なら余裕があるというわけではありませんが、それでも最初の頃とは違った見方もできるようになりました。
気がつくと自分が学問研究の道に進むにあたり、師から頂いた言葉を、自分の学生さんに伝えていることが増えました。

そんな中から、今回は「良く学ぶための姿勢」について記したいと思います。

どこで聞いた言葉かは忘れましたが、僕は何かを成し遂げたかったら、引き算で考えるようにと言ってきました。例えば「夢さえあればいつかは叶う」という人は、ぜったいに叶わないと思っています。それは引き算ができないから。

物事を成すための心得として、「天の時、地の利、人の和」という言葉があります。この時「天の時」という言葉を運と捉える人がいますが、chanceではなくopportunityであって、ましてやluckなどでは断じてありません。必要な時に向けて、十分に準備を整え、環境を活かし、人の信頼を得た者が達成できるという考え方で、ただ待っていても何も起きなからです。

だから引き算が大切です。いつまでに何をしたいかを考え、時間や必要な費用、身につけるべき知識や技術などを、いつまでに用意しなければならないか考えて計画を立てなければ、いつまでたっても実現しません。

そしてこの、引き算で考えられるようになるためにも、必要なのが理念とビジョンです。

理念は自分が何を成したいかや、自分自身が常に心がけたい想いや考え方です。このりぬによって、人は自然と言動に品格と統一性が生まれます。そしてビジョンを明確にすることで、例えば5年後や10年後に、どのようなことを行っていたいのか、どのような状態になりたいのかを、具体的かつ明確にすることで、自分の理念を体現することができます。

何かを学ぶ時も、この理念やビジョンはとても大切です。
自分はどのようになりたいのか、そのために何を学び、理解するべきか。学ぶことによって何を成したいかを考えるべきだからです。

そんなことを言われても解らない、という学生さんもおられると思います。でも安心してください、そんなに難しいことではありません。
例えば、将来何になりたいかと聞かれても、答えられない方もいるでしょう。そんな時は、自分が将来どんな風になれたら嬉しいかを考えれば良いのです。
人によって得意なことは違います。人の目に止まらなくても、大切なことをしている人はたくさんいます。スポーツや音楽が好きな人でも、有名なプロになることだけが全てではありません。それらの楽しさを伝えることで、人を笑顔にしている人もたくさんいます。

大切なことは、それぞれの人が、後悔したり、悲しんだりせず、目一杯笑顔になれて、それで周りの人も笑顔になれれば良いのです。
そしてそのために、具体的なイメージと目標を持つことが大切なのです。

これは学生さんに限ったことではありません。世の中には、色々なことを教えてくれる「先生」がいます。
その中で、進むべき道や考え方を教えてくれる人が、必ずいるはずです。

そのような人が、あなたの人生の師になります。

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