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愛することができる人は、愛されたと思える経験がある人。
やっと春休みになった
春休みはすごく短いから
あっという間に終わってしまう
ぼくは
苦しかった日々から解放されて
少しだけ自由になった気がする
だけど
1年もの間、ぼくに染み込み続けた毒は
なかなか抜けてくれそうにもない
生きることさえ
どうでもよくなるくらい苦しかった時
ぼくは無意識に
中塚先生や坂爪さんのことを考えていた
中塚先生はぼくが小学生の時
2、3、5、6年の
4年間支援学級の先生をしてくれた
中塚先生はとても愛情深い人で
支援学級にいたぼくたちひとりひとりに
たくさんの愛情を注いでくれた
中塚先生は以前とっても大きな病気をして
今も後遺症で体調が悪くなったりする
でも
そんな時でも中塚先生は
ぼくたちのことを考えてくれて
一生懸命支えてくれた
ぼくがいけないことをしたら
まっすぐに叱ってくれたし
ぼくが何も思わないようなことも
たくさんほめてくれて
一緒に遊んだり
話をしたりしてくれた
ぼくは思うんだけど
愛するっていうことは
相手の気持ちになって
本当のことを言える強さや
相手のために
自分を差し出せる優しさや
自分のために
嘘をつかないまっすぐさや
生きるっていうことの色んなことに
惜しまず愛を注げることだと思う
ぼくの中で
中塚先生がくれた愛は
ずっと変わらずにある
会えなくても
離れていても
ずっとぼくの側にいてくれる
中塚先生が卒業の日にくれた言葉は
今もぼくを支えてくれている
坂爪さんの生きる姿も
ぼくに勇気と愛をくれる
坂爪さんとは
ぼくが8歳の時に出会って
何度も会いに来てくれたり
会いに行ったりしてる
坂爪さんに会えたらめちゃくちゃうれしい
でも
会えない時でも坂爪さんはずっと
ぼくの側にいてくれる気がする
坂爪さんが世界を巡っていると
ぼくも連れて行ってくれてる気持ちになるし
坂爪さんがうれしいと
ぼくもうれしくなる
ぼくは
坂爪さんが幸せで楽しい旅ができるように
いつも心の中で祈っている
そうするとなぜか
坂爪さんもぼくの幸せを祈ってくれていると
伝わってきてあたたかくなる
目には見えないけど
確かにある大切なものを
坂爪さんを通して教えてもらっている
本当の愛って
きっとこういうことなんだろうな
中塚先生や坂爪さんのように
愛することができる人は
愛されたと思える経験がある人
なんだと思った
ふと考えた
ひどい言葉や態度で
ぼくに毒を染み込ませたあの人は
もしかしたら
自分が愛されたと思える経験がないだけ
なんじゃないかなって
できればぼくは
どんな人も愛せる人でいたい
それはきっとどんな自分も
愛することと同じなんじゃないか
そう思った
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