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【英語】quick and dirty

今日ご紹介する英語フレーズは、"quick and dirty"(読みは「クイック・アンド・ダーティ」)。

皆さんよくご存じのように、"quick" は、「速い」という意味の形容詞。そして "dirty" は「汚れた、汚い」という意味の形容詞だ。この二つの形容詞を "and" でつないだこの "quick and dirty" というフレーズを直訳すると、「速くて、汚い」となる。

これが転じて、ビジネスの場面においては、「完成度を多少犠牲にしてもよいから、迅速に結果を出す」という意味で使われる。とりわけ、会社の財務状況や、市場調査の結果をレポートにまとめるというような、一定の成果物を求める文脈で使われる。

例文を見てみよう。

Your reports are always perfect in every detail, but this time I need to have your report ASAP.  Please take a quick and dirty approach.

(あなたの報告書はいつも隅々まで完璧ですが、今回は可及的速やかに報告書が必要です。完成度が低くていいから急いでください。)

"Can you prepare a draft market research report by EOB Friday?"
"Friday?  Oh, it's very difficult.  There is too much data to analyze."
"Well, we first review this internally before sending it out to our client.  So just a quick and dirty calculation is fine."

(「金曜日の就業時間内に市場調査レポートのドラフトを作ってくれないか?」
「金曜日ですか。いやそれはちょっと難しいですよ。分析するデータが多すぎて。」
「いや、顧客に送る前にまずは社内でレビューするから、おおよその速報値で十分だよ。」)  

これらの例文のように、ビジネスにおいては、完成度を多少犠牲にしてもよいから、おおよそのデータや結論を迅速に知りたいという場面も多い。最近では、そのような傾向が年々顕著になってきていると感じる。

私の印象だが、多くの日本人には、他の国の人たちとの比較において、何事につけても、細部にわたって物事を完璧に仕上げることを良しとするカルチャーというか、いわばDNAのようなものが備わっているように感じる。

しかし、外資系企業においては、時間をかけて完璧なものを追求するという姿勢は、さほど高く評価されない場合が多い。

むしろ、まずは方向性が見えた段階で(イメージ的には、6~7割くらいの完成度の段階で)進捗を必要なメンバーに共有し、方向性が間違っていないかを確認したうえで、残りの細部を詰めていく、という仕事の進め方が好まれる

そういうときに、「"quick and dirty" でいいから速く仕上げてね」とか、「まだ "quick and dirty" な状態なんだけど、方向性を共有するね」とかいう会話が飛び交う

この "quick and dirty" というフレーズとともに、こういう仕事の進め方を身に着けておくと、外資系企業で生き残るために役立つだろう。

ご参考になれば幸いです!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

上の例文で出てきた、"ASAP" と "EOP" というフレーズについての過去の記事もどうぞ。

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