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【英語】Tomorrow is another day.(「明日は明日の風が吹く」)

今日は、私の好きな英語フレーズ、"Tomorrow is another day."のご紹介。有名なので、既にご存じの方も多いだろう。

"Gone with the Wind"(邦題:『風とともに去りぬ』)という映画の、最後のシーンで、主人公のスカーレット・オハラが言う、とても印象的なセリフだ。

この映画は、マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説がベースだが、1939年に映画化されると世界的大ヒットとなり、アカデミー賞を多部門で受賞した名作となった。1980年代のアメリカ南北戦争時の、奴隷制度が残るジョージア州が舞台。気性の激しく美しい農園主の娘であるスカーレットの壮絶な人生を描いている。映画では、スカーレットをヴィヴィアン・リーが演じ、その美貌と、彼女の演じるスカーレットの強さに多くの人が魅了されただろう。私もその一人だ。

この映画のラストシーンで、ひとりぼっちになり、絶望のどん底に叩き落されたスカーレットが言うのが、このセリフなのである。

"After all, tomorrow is another day."

映画を見て、シビレた。生まれついてのお嬢様で、いつも強気のふるまいをしてきたスカーレットだが、物語の最後では、多くのものを失い、誰からも見放され、さぞ、つらくて心細いはず。そんななかで、このセリフが出てくるところがすごい。

このセリフの訳としては、Weblioのウェブ辞書を引いてみると、以下のようなバリエーションがあった。

明日という日もある. - 研究社 新和英中辞典
明日という日がある - 英語ことわざ教訓辞典
明日は明日の風が吹く - 英語ことわざ教訓辞典

私は、「明日は明日の風が吹く」という訳がベストだと思う。物心ついた頃には、既にこの訳に接していたので、記憶が長らく定着しているからかもしれない。人の口の端に多くのぼるのも、この訳だと思う。少なくとも私の世代では、そうなのではないか。

そして、この訳はとてもセンスが良いと思う。タイトル"Gone with the Wind"の"Wind"(「風」)を意識したのかもしれないが、なかなか「明日の風が吹く」という言葉は思いつかないだろう。

このセリフについては、解釈が色々あるかもしれない。私は、「今日は絶望のどん底かもしれないが、希望はあるはずだから、明日からは心機一転、また頑張ろう」というメッセージだと受け止めている。

私は、このセリフを、何かつらいことがあったとき、絶望したときに、よく思い出す。そして、口にしてみる。すると、なんとなく、それまでのつらい気持ちがリセットされて、何とかなるような気がするのだ。

この言葉に関して、ひとつ個人的なエピソードがある。何年も前の話だが、あるとき、多国籍の同僚との国際会議に招かれた。その際、主催者から、事前に宿題を出された。参加者の名簿("Who's who")を作成するので、簡単な経歴の紹介、自己アピールメッセージとともに、「あなたの好きな言葉を教えてください」というお題が出たのだ。

英語で好きな言葉というと、一番に受かんできたのが、この言葉だった。そこで迷わず、このフレーズ、"Tomorrow is another day."と書いて提出した。

するとどうでしょう。会議の場で配布された名簿を見ると、私のほかにも、何人もいたのである。この言葉が好き、と書いた、他国からの参加者が。それを見て、とても嬉しくなった。多くの人が、この言葉を心のどこかに留めつつ、日々頑張っているんだなあ、と。

このフレーズを、ビジネスであまり使う機会は多くない。でも、稀に、外国人の同僚が、何か失敗をして、落ち込んでいるような様子を見ると、このフレーズを使って、そっと、励ましてみる。そうすると、相手は、少し、笑顔を見せてくれる。少しでも元気になってくれると嬉しいし、応援している気持ちが伝わればいいなと思う。

そんな素敵な言葉を世に送り出してくれた、この小説と映画、"Gone with the Wind"(邦題:『風とともに去りぬ』)に感謝したい。

ご参考になれば幸いです!

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