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記憶を無くしたピアニスト『未来の女』という役への想い

皆さんこんにちは!SAYURIです。
note更新がご無沙汰になってしまいましたが
お元気にされていますでしょうか?

今日はずっと書きたかったテ-マ。
今出演している公演Venus of Tokyo
自分が演じている役柄について
すこし想いの丈を綴りたいと思います。

記憶を無くしたピアニスト役
『未来から来た女』

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先に結論から申し上げますと、私はこの役を演じることを通してこの1年でかなり精神的に豊かになったような感覚があります。そして今はこの役を
愛しすぎて恐怖さえ覚えています。

3月末でもうこの役を生きられなくなるなんて、
考えるだけで戦慄が走り想像したくないです。

目次
①この役を演じ始めるまで
②変化の起き始めたキッカケ
③ピアノとの関係性


①この役を演じ始めるまで

正直にお伝えして、公演が始まるまでは
『この役は一体どう演じれば良いのか?』
本当に難しい役どころだと思っていました。

ネタバレは避けますが、
キーマンでもありながら動きの制約も多く、
能動的には動けない。かけらをひとつひとつ集めていくようなプロセスを経ながらも、しっくりきたときの自分の感覚さえも疑うほどに、この役の完成形のイメージが見えないでいた頃もありました。

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イマーシブシアターは出演している演者でさえも全貌を掴みきれない複雑さを内包する、観劇の形式だと思うので、当然と言えば当然です。(簡単に理解できると思う方がおこがましいし、作品、演出家、そして表現に対して真摯でないのかなと。) 

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②変化が起き始めたキッカケ

変化があったのは公演が始まり
本番を重ねていく中で
『この役が、紛れもなく他の役柄との
関係性の中に存在する役』
であると
明確に気付いたときからだったと記憶しています。

周りのキャストの皆様の役柄、動きのイメージが膨らめば膨らむほど、自分の役の動き方の道筋が見え、輪郭がどんどん浮き彫りになっていく、
回を重ねるごとに勝手に導かれていく。自分でも驚いたけど、この表現が1番近いような気がします。
役を作るのではない、むしろ作ってはいけない。

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とにかく感じる。受け取る。敏感に、敏感に。キャスト間に流れる感情の海。お客様とお客様の間をすり抜ける空気感。すべてを変化として捉え、
あの大切なものの中に集めていく。

加えてお客様が積極的にこの役を追ってくださり始めてからは、役への理解がかなり加速したように思います。追ってくださる観客の皆様の視線や想いが、たくさんの気づきを下さりましたし、一緒にこの役を作ってくださった感覚さえもあります。

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未来の女役は、一般的に言えば 物理的に派手な動きも少ないですし、その立ち位置や性質上、最初に追われるキャラクターではないと思うのです。(初見でガッツリ追って下さる方も勿論おりますが)

でも、何度かこの公演を体感したのちに追っていただくと、散らばったピースが合わさるように、この公演の全貌を知るお手伝いができると思います。敢えてお伝えしますが、まだ一度も追われたことがない方は、是非終演までに1度は追っていただけると嬉しいなと思っています。長谷川達也さんの作る世界観を理解するためにも激しくオススメします。

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③ピアノとの関係性

もう一点自分にとって特筆すべきポイントは
この役がピアニストであるということです。

うちは親がピアノ講師ということもあり、
3歳からバレエとピアノを始め
高校くらいまではピアノも続けてきました。
(その後10年以上のブランク、2020年
コロナ禍でライブ配信のコンテンツとして復活)

進路として音大や芸大等を考えなかったわけではありませんが、踊りに執心していたことと自分の性格から大学は違うところを選びました。
大学進学に関する記事はコチラ

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言うこと聞かない子供でしたし、
親に習うと喧嘩しちゃうので
ピアノは外で習ってましたが、お母さんから
ずっと言われていた言葉があります。

『もっと優しく弾きなさい』

たぶん何度言われても反抗してたんだと思います。傲慢だったなぁと。でも、私はこの1年でやっと
この言葉の意味を理解した気がしています。

この前久々に実家に帰ってピアノを弾いたとき
初めてその言葉を言われなかった。
自分でもピアノを弾く感覚が全く違いました。

お母さんはあんまり子供を褒めない人ですが
娘がピアニスト役をやってるのは素直に嬉しい
んじゃないかなぁ〜と勝手に予想していて

この公演に親を呼んだら
私泣いちゃうんじゃないかなと思って
(泣くべきところではないところで)
この公演だけは両親を呼べてないんです…
呼ぶのが怖い。

まあそれ以前にフリータイムについてこれるかなぁ
っていう不安もあるのですけどね(笑)

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このピアニストの役と向き合う過程で
いろんなことを勉強しています。
ちょうどショパンコンクールで
日本人が活躍されている
という時期も重なり
入賞者だけでなく予選から遡って
日本人ピアニストの演奏を全部聴きました。

ここについて話すと長くなるのでまた
別のトピックスで纏めますが、
ピアノには、演奏には、こんなにもこんなにも
感情を乗せることが出来るのか

今まで私は何を弾いてきたのかと

本当に感動という言葉では言い表せない
強烈な感覚が沸々と沸き立ってきました。

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アートに優劣をつけるのは好きではありませんが
ダンスや他の表現と同じく、同じ曲を表現するのでも弾き手により、歌い手により、踊り手により、
明確な差があります。

ダンスもおなじ。好き嫌いの世界ではありますが
高い精神性を持った方の演奏やダンスは
例外なく素晴らしい
です。

どうしたらこんな音を出せるんだろう?という
素晴らしいピアニストに沢山出会えて、
その方々の音色に日々触れられる今の時代の
恩恵には感謝してもしきれません。

本業ピアニストの方のような練習時間は
かけられませんが、今は深めていく過程が
とても楽しいので、心の声に素直にピアノと向かい合っていきたいなとおもっています。

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この8ヶ月、毎公演で集めた感情は図り知れず、
大量の感情を集めた結果、今は記憶としてかなり
感情が取り出しやすい状況になっていて、

私生活も含めもともと強い感受性が
マックスになってしまっている感がありますし、
公演の終盤は毎公演自分の感情がどうなって
しまうのか
全く想像できない状況にあります。

でも、それを楽しみながら
3月末まで願わくば1人でも多くのお客様と
この役を一緒に作ることができたら

本当に嬉しいと思っています。

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最後になりますが、
私はVenus of Tokyoに来ていただいている
常連の皆様と同様に、あの空間をすごく
特別なものと感じています。

通うほどに、演じるほどに、噛めば噛むほど
感覚の変わる
あの空間をクリエイトされたDAZZLEの皆様、演出家の長谷川達也さんには
感謝と尊敬が尽きません。

3月末まで無事公演が継続し、
素晴らしい形で終演が迎えられますように。
これを読んでいるお客様の皆様と一緒にお祈りしつつ、沢山会場でお会いできたら嬉しいです。

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日頃より沢山の応援、
本当にありがとうございます。
3月末の終演まで公演の出演日は個人のインスタ
パフォーマンス動画投稿しています!

公演に関わる演者さんをゲストに
お招きする回もありますので、
楽しんでいただければ幸いです!

それでは!また会場でお会いしましょう😊🎵

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↑先程タグ付けされた公式の写真!ステキ😭
Venus of Tokyo 公式インスタグラムはコチラ

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