映画「思い出のマーニー」を見て
とある友人から勧められた映画「思い出のマーニー」と「時をかける少女」
私は普段映画は殆ど観ない。特にジブリ系は幼い頃に観たきり。
今回は「思い出のマーニー」について書こうと思う。
主人公の杏奈は心を閉ざした少女。杏奈は金髪の少女マーニーと出会って秘密の友達になり、不思議なひと夏の体験をするといった話し。
※作品のネタバレが入ります。
1.観る事になった経緯
現在私はお休み中。人生階段の踊り場に居る。ひょんな出会いがきっかけで3年程前から時々話をする友人が居る。彼女は、一般的な角度とは違う切り口で、私にメッセージを伝えてくれる人。最近彼女と会った。
私は自分でもよく理解出来なかった行動を取る。それは突然「自分が過去に過ごした場所」に行きたくなり、ツアーをする。
例えば、大学のキャンパス、過去の勤務先、よく行った場所、住まい等。スパンは決まっていない。突然行きたくなる。過去に囚われているのか、ただ懐かしいという感情に浸りたいのか分からなかったが、人には言えなかった。ちょうどこのタイミングでもツアーを検討し、見事に行けるスケジュールとなった。
ただ、この謎の習性があまりにも不思議だったので彼女に聞いた。
すると彼女は「タイムリープ」と言った。
過ごしてきた時間が羊羹だとすると、節目節目が羊羹のカット部分。この謎のツアーはその断面図を見に行くイメージ。断面図を見て今に必要なことを確認している。との事。
アニメ画のように、過去・現在・未来を重ねた時に、必要なものは重なり色濃くなり、不要なものは薄くなったり、見えなくなったりする。濃くなったものだけを抽出しにいっている。
決して過去に囚われている訳でも、ただノスタルジーを求めている訳ではないのだと。
何だか安心したと共に必要な事をちゃんとやっているんだって思った。
過去に囚われる体質の人もいる。その1つに、場所、モノなどへの執着がある。モノが目に入るとその時の思い出やいろんな感情を思い出し引きずり戻されてしまうケースもあるとの事。
そこで出てきたのが、思い出のマーニー。見ると今回話をした事が描かれているし、とっても良い映画だよと話しの流れで教えてもらった。
2.なぜ観ようと思ったのか
あまり映画は得意ではなかった。長い時間じっと出来ないからだ(笑)
だけど、今は時間があるし、普段やらないことを取り入れたかった。
自分の「タイムリープ」ツアーが過去への執着ではないと分かり、じゃあ過去への思いが、ものや場所にどう残るのか見てみたかった。
3.感想
ああ良かった。純粋に。
主人公・杏奈は幼い頃に両親が亡くなり、養父母の所で暮らしている。
自分はもらわれた子で、自分を育てることによって、市役所からお金を受け取っている事にショックを受けていた。
杏奈の養母に対する思い、自分を置いて亡くなった両親への思い。そして自分の事が嫌いだと言っていたのが印象的だった。
一方、マーニーは、両親は年に2回ほどしかお屋敷に帰ってこず、お手伝いさんとの暮らしだが、お手伝いさん達にいじめられていた。
お互い辛い胸の内を吐き出しさらに友情が深まった。
マーニーは誰なのか?幼い頃マーニーと親しくしていた、絵描きのひさこさんに話しを聞く杏奈。
マーニーは既に他界しており、辛い過去と、大好きなお屋敷への思いが、今も残っていたのだろう。そして杏奈はマーニーの孫だった。
マーニーは孫である杏奈に伝えたかったんだと思う。
「大好き」「養父母さんは優しいよ。」
自分を嫌いだと言った杏奈に対して、「好き」はどれだけ自信が持てるか
養父母さんの事を誤解していたけれど、そうじゃないよって
ただただ杏奈に幸せに生きてほしい。
なぜこんなに涙が出るのだろう。
4.自分の状況から
杏奈は泣きながら、「自分が嫌いだ」って言っていた。
私も嫌になるときがある。「またかっこつけたよ」「また大丈夫なフリしたよ」本当はかっこなんてつけたくないし、助けてって言いたい。だけど、そんなこといってもどうしようもないから言えない。
でも好きな自分もいる。
何事もバランスよく、なんでも出来る自分
ピンときた時の瞬発力と馬力が強すぎる自分
常に新しい世界を見続けている自分
自分と向き合う自分
愛したいし大切にしたい。自分を認めて前を向きたい。
ひさこさんの言葉は刺さった。「マーニーは、寂しく辛い中でも、幸せになろうと前向きに生きようとしていた。」
私も前向きに生きようとしているし、もがいている。幸せなのか。こうやってゆっくり考えられる時間や状況はありがたいと思うが、正直今は胸を張って言えない。
私は祖母が亡くなった事で、人生が大きく変わった。
祖母からのメッセージはしっかり受け取っている。だからこそ、マーニーの杏奈に対するメッセージに泣けたんだと思う。マーニーも私の祖母も、孫である私たちに気づきを与え、幸せに生きてほしいという願いをこめたのだと思う。
この映画に出会えてよかった。感謝。
少しずつ、マイペースに気になったこと、すきなことしながら過ごしていきます。ぼちぼち。
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