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逃げ惑った記憶

幼少期に、お尻をバンバン叩かれて追い掛け回された。
なぜ叱られたのか理由は全く覚えていない。

覚えているのはmamaの鬼のような形相と
逃げても逃げても追いかけてくるしつこさ。

大きくなっていたら
きっと家の外に飛び出していたと思う。

小さかった私は、そこまで頭がまわらず
ただ家中を泣き叫びながら逃げまどうのみ。

逃げても逃げても
小さい私はmamaからすぐ追いつかれて
お尻をバンバン叩かれた。

痛かったという記憶は残っていない。
記憶に残っているのは
ひたすらmamaの顔が鬼に見えたこと。

置いてあった布団の上に
転げまわって逃げた。
それをmamaがバンバン叩き続けた。

きょうだいは、私が泣き叫ぶのを
ただ、心配そうにのぞきこんでいた。

何がmamaの怒りに火をつけたのか記憶にない。
幼児のしたことだから
きっと大したことではなかったと思う。

父が不在の時に、決まって良くない事は起こった。

父は私に優しかった。
もし父が家にいれば
きっとわたしを庇ってmamaを止めてくれたと思う。
いや、父がいたら
mamaはわたしを追い掛けまわして叩かなかっただろう。

あのときから私の「mamaが苦手、嫌い」という気持ちは
揺るぎないものとなった。

物心ついてからというもの
mamaの存在がわたしの癒しになったことは一度もない。

きっとmamaは、こんな出来事、すっかり忘れているだろう。
覚えているのはわたしだけ。

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