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[小児科医ママが解説] 綿棒浣腸。正しい方法は?そもそも、したほうがいいの?

赤ちゃんのウンチ。
急に出なくなると、不安ですよね。

新生児のころは毎日出てたのに、最近は全然。
綿棒浣腸したいけど、こわいな…
綿棒浣腸するけど、いやがる。それでも、浣腸したほうがいいの?

そんなご相談を、よくいただきます。

綿棒浣腸の、正しいやり方は?
そもそも、綿棒浣腸って、したほうがいいの?

そんな疑問にお答えしていきます!

ポイント(1) ベビー綿棒じゃないほうが、やりやすい。


赤ちゃん用のベビー綿棒。
細くて、やわらかみもありますよね。

ただし綿棒浣腸をするときは、普通の綿棒のほうがやりやすい
という意見が多いです。

理由としては、

ある程度、太さがあるほうが、肛門の中に入りすぎない。
かたさがあるほうが、しっかりと肛門を刺激できる。

…こんなところでしょうか。

「ベビー用」となっているのは、
たぶん「赤ちゃんの肛門に入れる用」という意味ではなくて、
「赤ちゃんの耳や鼻の掃除用」とかを想定してるんだと思います。

綿棒浣腸のときは、普通の大人が使う綿棒でOKです。

ポイント(2) 1.5cm くらいを目安に。


赤ちゃんの肛門に入れるとなると、緊張しますよね。

よくあるケースが、「ほんの数mm」だけ、肛門に入れてるパターン。
これではさすがに、赤ちゃんの肛門とはいえ、十分な刺激にはなりません。

だいたいの目安は 1.5cm くらいです。

綿棒の先端 1.5cm くらいが見えなくなるまでなら、
赤ちゃんの肛門に入れても問題ありません。

その他の綿棒浣腸のやり方は、こちらがよくまとまっています。
→ 小児科オンラインジャーナル「もしかして便秘?すぐできる綿棒浣腸の方法

ウンチは、毎日でなくてもOK。


そもそも綿棒浣腸は必要?と考えてみるのも、
実は大事なポイントかもしれません。

というのも、生後3週間くらい〜生後3か月くらいのお子さんであれば、
ウンチが1週間に1回しか出なくても、正常なんです。

だんだんウンチのペースが減ってきたとしても

・活気があって、元気
・飲む意欲がしっかりある
体重が増えている

このような状態なら、必ずしも綿棒浣腸は必要ないケースもあります。

クセになる可能性も。


肛門を直接刺激するような浣腸は、それがクセになる、
つまり、
浣腸しないとウンチが出にくくなる原因にもなりかねません。

「赤ちゃんに漫然と浣腸を行うことは推奨されていない」ことは、
以前のnoteにも書きました。

もちろん、今まで綿棒浣腸をしていたお子さんで、
どうしよう!綿棒浣腸のせいで便秘になる!
と恐れる必要はありません。

綿棒浣腸のせいだけで、その子が便秘になる、ということはありません。

ただし漫然と綿棒浣腸を行うよりは、一度、

浣腸しないと、どれくらい便が出ないのかな?
便が出なくても、機嫌良く過ごせるかな?飲めるかな?

ということを観察してみることも、大切なんですね。


いかがでしょうか。

もちろん「ウンチは毎日でなくても大丈夫」とはいえ、
明らかにウンチやガスが出ないことで、お子さんが不機嫌になっている場合は、
綿棒浣腸やマッサージなどで、お腹の動きを促してあげると良いでしょう。

赤ちゃんとの日々が少しでも明るくなるような、
そんな医学的な情報を、今後もお届けしていきたいと思います。

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