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些細なことで子供に怒ってしまい自己嫌悪に陥った話

 中学3年の息子は、4月から週2回塾に通っている。


 夏期講習は、ほぼ毎日あり、普段は自転車で通っているのだが、ここ数日はひどい雨が続いているので、今日は塾まで送迎するねと話し、帰りのお迎えの時間、待ち合わせ場所を伝えた。


 家を出る直前から、ザーザー降りになった。車の運転は得意ではないので、近場の行ったことのある場所しか運転できない。
 塾には駐車場がなく、待機する場所もないので、時間ギリギリに、並びの広めの歩道に乗り上げて待つのだ。


 激しい雨の中、何とか5分前に場所を確保した。その途端電話がなった。大学生の娘からで、息子くん、雨の中ずぶ濡れで帰って来たよ と…。

 この瞬間、息子に対する労りではなく、怒りが込み上げた。

「何で、傘持っていかんかったと‼︎って息子くんに言っとって‼︎」

 と、わざわざ電話をくれた娘に八つ当たりしてしまった。娘も電話越しに怒っているお母さんなんて、嫌だっただろうな…と思う。

 まずは、雨に打たれた心配が先でしょう!と、頭では分かっていながら、感情が追いつかない。


 送りの時はタイミングよく、塾の前に車を停めることができた。傘を持っていくようには言ったのだが、
「いらん」
と車の中に置いて、行ってしまった。

 傘を持ってさえいれば、入れ違いになっても、ここまで濡れることはなかったはずだ。おまけに、少し早く終わったようだけど、時間は見ていないと言う。


 お迎えの場所は、塾の前から、近くのコミュニティセンターまでに沿っての歩道のどこかに止まってるからねと話していたのに、間すっ飛ばしてコミュニティセンターの駐車場を探したらしい。

 《もう何一つ話を聞いていない‼︎》

 帰った時息子は、授業の復習をしていたが、続けながらもわたしの小言に耳を傾けていた。

 少し冷静になると、それ程怒ることなのかな…と猛烈に反省した。

 そんなに長々と、ネチネチと言ったわけではないが、ほんの2、3分、のことだが、本当に本当に、言わなくていいことだったと後悔した。


 何も言わずとも、息子のためにお風呂を入れてくれていた娘に、さっきはごめんね…と夕食の前に謝った。

「いいよ、お母さんの気持ちも分かるよ」

 と言ってくれる、優しい娘。


 息子にも、さっきは大人気なく怒ってごめんね…と謝ると、うんとだけ言った


 今なら、

「もう少しお母さんが早く迎えに行けばよかったね。風邪引くから早めにお風呂入ってね」

 と言えるのになぁ…

 いったい、何年お母さんしたら、お母さんとして成長するのかなぁ…と自己嫌悪に陥ってしまった出来事だった。


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