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フォトエッセイ

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写真と言葉で残す日常。「死んだあとも私がいたことが残るように」と思いながら綴っています。
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啓蟄(けいちつ)と、無知と

啓蟄(けいちつ)と、無知と



狂ったように雪の写真をたくさん撮ったのに、どんな文章と一緒に公開しようか?なんて考えていたらあっという間に春がやってきて、公開するタイミングを逃してしまった気がする。

啓蟄(けいちつ)、という言葉は去年初めて知った。

春になって虫や植物、様々な生き物が動き始める様。冬ごもりの虫たちが蠢き(うごめき)始める様、またその節気・季節をさす春の季語なんだそうだ。

2018年の啓蟄は3月6日だそう

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電車のドアの重みを知っている

電車のドアの重みを知っている

上越線には大人になるまでほぼ乗ったことがなかったのだけど、高崎から新潟の長岡までを繋いでいるらしい。行こうと思えば鈍行で新潟まで行けちゃうんだな。

冬季に群馬県内を走るJRは、ドアが自動で開かないものが多い。外気が冷たすぎる上に乗る人も多くないから、乗り降りする人が手動で開け閉めする。開閉ボタンですらなく、重いドアを手動で横に引いて開ける車両が未だにメジャーだ。

初めてこのことを知ったのは両毛

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遊園地の魔法使い

遊園地の魔法使い

伊勢崎のオムライス屋さんで食事をした帰り道、梅が撮りたくなったのでひとり華蔵寺(けぞうじ)公園へ向かった。
ここ数日春の気配を感じていたのに、冷たい強風でコートが脱げない。ものの見事に梅は一輪も見当たらなかった。せっかくなので被写体を探して歩いてみる。がらんとした遊園地。人が乗らない乗り物は動いてすらいない。桜の季節はあんなに賑わっているのにな。同じ場所とは思えない。

乗り物についていた魔女のオ

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