2023年、国内外のプライドに参加して
2023年はたくさんのプライド*に参加できた。参加して気付いた各地のプライドの違いや特徴、感想を残していく。
ちなみに私は2021年まで東京レインボープライド以外のプライド参加経験はなく、2022年に初めて東京以外のプライドとして金沢レインボープライドに参加した。
*プライドとは:
東京レインボープライド
4月22〜23日、代々木公園・原宿〜渋谷エリアにて東京レインボープライドが開催された。今年は24万人を動員した(ソース:東京レインボープライド)。アジア最大級のプライドである。
私がLGBTQ+支援(アライ)に興味を持つ一番のきっかけとなった東京レインボープライド(TRP)には、2017年から毎年参加しているが、2023年は私が代表を務めるirOdori〜彩り×踊り〜(イロドリ)がブース出展したことから今までとは違うものとなった。
今までは来場者として楽しませてもらう側だったが、今年はブース出展団体としてTRPを盛り上げブースに来た人にどれだけ楽しんでもらうか、irOdoriに関心を持ってもらうかに集中した。
私にとって今までプライド=TRPのイメージで、後述する他のプライドにてTRPとの比較をしていくので、ここでは感想は省略する。
irOdori TRPの詳細:
西湘レインボープライド(真鶴・小田原)
6月25日、神奈川県西部海沿い(西湘)の真鶴・小田原にて西湘レインボープライドが開催された。
真鶴では2022年にプライドイベントが開催されたが、西湘レインボープライドという名もパレード実施も今年が初めてだった。
私が茅ヶ崎在住であること、小田原在勤のirOdoriスタッフ・かおりさんがいることなどから、西湘レインボープライドの企画者・なるみさんとつながることができ、こちらもTRPと同様irOdoriとしてブース出展させていただいた。
感想は、まず暑かった笑。6月下旬で30度、まだ暑さに身体が慣れておらず、パレード後の坂の上のピクニック会場に向かう途中で熱中症になってしまい会場で倒れてしまった笑。
また真鶴は人口6,310人(ソース:Wikipedia)の小さな町であるにもかかわらず、パレードには50人以上が参加し(ソース:プロジェクトういのInstagram)、パレード沿いにレインボーフラッグ🏳️🌈を掲げたり振ったりする地元の方が多かった。TRPよりもちろん小規模だが、TRPよりもずっとインパクトの大きさと変化の始まりを感じることができた。
みやぎにじいろパレード(仙台)
11月19日、仙台にてみやぎにじいろパレード(MNP)が開催された。
みやぎにじいろパレードの歴史も浅く、今年が2回目。パレードは仙台で有名なアーケード街を通り約200人が参加した(ソース:産経新聞)。パレードに加えて今年初めてブース会場も用意された。
仙台在住のirOdoriスタッフ・花恵さんと東北のプライド団体とのつながりを多く持つirOdoriスタッフ・千倉よしのさんがいたことから、こちらもirOdoriとしてブース出展させていただけた。
irOdori MNPの詳細:
仙台は政令指定都市で唯一パートナーシップ制度がなく、2024年度中の導入を目指している。仙台中心部は都市のイメージだが、地元の方々曰く、都市部は狭くカミングアウトしている人も少なく「知り合いの知り合いは知り合い」というほどコミュニティが狭いそう。
そういう環境下でパレード参加やブース来場をすることは相当の勇気がいると思う(程度の差はあれど他のプライドも同様だ)。irOdoriのブースに来てくださった皆様には大変感謝している。
Seoul Queer Parade
(ソウル・韓国/Seoul, South Korea)
時期が前後するが、7月1日に韓国・ソウルにてSeoul Queer Culture Festivalが開催されSeoul Queer Paradeにも参加した。
冒頭に紹介したYouTubeに出演したやすしさんに誘われ、私は日韓ワールドカップで家族で釜山を訪れた以来20年ぶりに訪韓した。初の海外プライドだ。
ソウルは衝撃の連続だった。そこら中にLGBTQ+フォビアのヘイターがいたのだ。
街頭にはSeoul Queer Parade主催団体による宣伝の下に、ヘイターによる恐怖を煽るようなイラストのフラッグが掛けられていた。
パレード中は、パレードに向かって道路からメガホンを使って低い声で軍隊のような口調でずっと叫び続ける人と、それに対して笑顔で似たような言葉を叫び返すパレードの参加者、というまるでコール&レスポンスのような風景を見た。韓国語がわからず何を言っていたのかわからなかったが、後で松岡宗嗣氏のInstagramのストーリーを見たところ、前者は「同性愛は罪だ」と訴え、後者は「同性愛は罪じゃない」とレスポンスしていたらしい。
パレード参加者である韓国のクィア・アライの頼もしさと、ヘイターと真正面からぶつかり合う恐怖とある意味清々しさを感じた。
少なくとも私は過去に参加した国内のプライドでここまで真っ向からぶつかり合う様子は見たことがない。街頭の人はなんとなくフラッグを振ってにこにこしているイメージである(もちろん本気でクィアの権利向上を願うクィアとアライも多い)。同じアジアのすぐ隣の国なのにここまで違うのかととても驚いた。
実は2023年のSeoul Queer Paradeは直前まで開催が危ぶまれていた。ヘイターにより例年使用していた会場が取られてしまったからだ。開催数週間前に新しい会場が決まってから当日までの諸々の準備は並大抵のことではできなかったと思う。「絶対に開催させる」という主催団体の執念も感じた。
ちなみにこの日も真鶴と同様30度超えの暑さで私はお腹を崩してしまい、パレードの途中で道路沿いのお手洗いに駆け込んだがなんとか一番後ろの列に戻ることができた。予約不要で来た人がふらっと参加できるのも元祖プライドという感じで良かった。
Brighton Pride(ブライトン・イギリス/Brighton, UK)
8月5〜6日、イギリス南東部の海辺の都市・ブライトン&ホーヴにてBrighton Prideが開催された。
今年50周年を迎えた、イギリス最大、ヨーロッパ最大級のプライドである。
実は私は13歳の時にブライトンからほど近い街に滞在していた。滞在時は存在を知らなかったし、その時の友人が毎年ブライトン・プライドに参加している様子をSNSで見ていたから、ずっと参加したいと思っていた。
ブライトンはとにかく大規模で、祝福・楽しさに全振りしているように見えた。
パレードの道沿いに限らず、街中のあらゆる店舗にプライドフラッグが掲げられ、街全体でプライドを祝福していた。
1日目の5日に開催されたパレードは音楽やホイッスルをガンガン鳴らし、道沿いにはTRPと比較にならないほど多くの人がパレードに向かって笑顔で手を振っていた。
Preston Parkという公園内での有料イベント ”FABULOSO”はまさにフェスだった。ジェットコースター、フリーフォールなどの移動式遊園地、ただただ飲んでダンスをするためのDJエリア、Black Eyed Peasなどの世界的に有名なアーティストのライブが目立った。
ただただ派手な楽しいイベントに見えたが、参加するうちにしっかりプライドらしさもあることがわかった。ライブステージではアライの有名なアーティストと並んでドラァグクイーンが出演した。ライブのライブの間にプライドの主催団体代表のスピーチがあった(”No to Hate!”のコール&レスポンスは震えた)。祝福ムードの中”I cannot hold hands in holidays”という悲痛なプラカードもあった。
本当に素晴らしいプライドだった。第二の故郷でこれだけ素晴らしいプライドが開催されていることはとても誇りに思う。街のシンボル・時計台をパレードで通った瞬間泣きそうになった。
ちなみに、8月だからまた熱中症になったのでは?と思ったかも知れない。さすがイギリス、パレードの最中は12度くらいで立っているのが辛いほどの暴風暴雨で、私史上最も過酷なパレードだった。風邪を引かなかったのは奇跡だと思う。一緒に歩いた人に”Welcome to the British summer”と言われて笑った。
最後に
来年はどこに行こうか。まだ決めていないけれど、興味ある方はぜひ一緒に行きましょう!私みたいに人生が変わるかも…!
もう少し詳しく書きたかったが、姪っ子に遊びをせがまれているのでこの辺りで!
皆様良いお年をお迎えください。
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