LGBTQアライインタビュー vol. 6 花恵
こんにちは、irOdori〜彩り×踊り〜(イロドリ)です🌈
今月6月はLGBTQIA+などの性的マイノリティの権利向上のための啓発月間、プライド月間です🏳️🌈🏳️⚧️
ジェンダー問わず自己実現できる世界を目指すirOdoriは、性的マイノリティ当事者やその支援者(アライ)のリアルな声を発信します📣
今回は、irOdoriの販促物をデザインいただいたり、東京レインボープライド(TRP)2023のirOdoriブース企画にも運営メンバーとして参画いただいた、辻花恵(はなえ)さんのインタビュー記事です。
花恵さんは、アライとしての志がとても高く、なぜ、どのようなきっかけでアライになったのかをずっとお尋ねしたいと思っていました。また、irOdori、特にTRPの活動を通して、花恵さんがよりアライとして感じるところが増えたように見えるので、その変化を深掘りたいと思いインタビューしました。
アライになったきっかけ
まず自己紹介をお願いします。
辻花恵です。宮城県仙台市に住んでいます。36歳、フリーランスのグラフィックデザイナーをしています。でもグラフィックデザイナーっていう肩書で開業届を出しただけで、カメラマンもしますし、頼まれたことは何でもするっていう、何でも屋さんですね。
irOdoriとの出会いのきっかけは?
少し話が長くなっちゃうんですけど、私が好きなランジェリーショップがあって、そこのモデルのアコさんがめちゃくちゃ可愛いと思ってInstagramをフォローしたんですね。そしたら、アコさんがirOdori彩夏さんとインスタライブをやっていたのをたまたま見ました。
そこで、「アライって何だろう」って興味を持ったんですよね。私、大学のときにオーストラリアにいて、LGBTQの当事者の人たちがすごくオープンに楽しそうに生活をしているのをもともと知っていたから。確かに日本ではまだまだ認知されてないなって思ってて。
インスタライブを見た後、すぐirOdoriをフォローしました。そうこうしているうちに、なんと彩夏さんのバレエとアコさんのエアリアルの体験ワークショップがあるっていうので、「絶対行くしかないな」と思って、行ったんですよね。そこで彩夏さんとつながりました。
わざわざ仙台から下北沢まで来てくださったんですよね。
花恵さんの最初のきっかけになったアコさんと私のインスタライブは、まさに去年の6月のプライド月間で開催しました。アコさんはirOdoriの買い物同行サービススタッフになっていただいたので、スタッフ紹介兼アライの深掘りって感じでさせていただきました。
花恵さんはそれまでは「アライ」っていう言葉すら知らなかったですか?
知らなかったです。でも、そのライブの中で2人のお話を聞いていて、「みんなが生きやすい世の中になるといいよね」っていう感じの話をされてたんですよ。ほんとそうだよねって強く共感しました。
LGBTQの人たちがいるっていうのは知っていたけど、「Q」は知らなかったです。だから、セクシュアリティがそんなにたくさんあるんだっていうところからまず知りました。
irOdoriとの出会いからirOdoriを手伝うところまで、すごいジャンプな気がするんです。何かきっかけや出来事はありましたか?
irOdoriのYouTubeを見たり、あとは草彅剛主演の映画「ミッドナイトスワン」を観ました。
正直、トランスジェンダーの人たちをよく把握できていなかった気がします。ちょっと言葉が悪いけど、女装したい人みたいな。本当にうわべしか見ていなかったと思います。
あとは、(花恵さんと同様TRP irOdoriブース運営メンバーの)やすしさんがタイでトランスジェンダー女性の性別適合手術に同行したときの体験談を読みました。やすしさんって、すごい涙もろいんだなって(笑)。やすしさんの人となりを会う前に予習できた気持ちになりました。すごい皆さん、想像もできないほどの葛藤をしていることも知りました。
知れば知るほど、興味というか、承認してあげたいというか。してあげたいっていうと、おこがましいんですけど。社会として認められる存在になってほしいっていうふうに思うようになりました。
周りにはいないと感じていたけど、LGBTQの人は左利きの確率とAB型の確率と同じぐらいいるっていいますよね。だから、告白していないだけで絶対いると思うし、そういうのを知れば知るほど、今まで絶対誰かのことを傷つけたんじゃないかなって思っちゃうんですよね。
めちゃくちゃわかります。
バレエとエアリアルのワークショップの事後アンケートに「運営側に回ってみたいです」って書いたら、すぐ彩夏さんから連絡をもらって。私、びっくりしたんです。急だったから。「ああ、ほんとに来たわ」と思って。それですぐチラシを作るっていうお仕事をいただけました。
その後も、彩夏さんとだけは連絡を取っていたけど、irOdoriのイベントに参加したこともなかったし、実際、当事者の方たちと触れ合ったのは、TRPのirOdoriブース企画に向けたZoomのミーティングが初だったんですよね。そこから、いろんな人の考え方とか働き方を、勉強というか、吸収していったような気がします。
TRP2023参加報告動画(花恵さん撮影・編集)
なぜ心動かされる?
オーストラリアではもう少しフラットでオープンだから、日本に戻ってくると結構しがらみが多いと感じると思うんですが、そういうこととLGBTQが通じる部分もありますか?
正直に言うと、私も、何でこんなに心を動かされるのかとか、考えると涙が出るほど感動してしまうのかっていうのは、分からなかったんですけど、ちょっと最近、とある出来事があって……。
TRPが終わった数週間後に、私にとって大切な人と一緒に飲みにいったときに、私の価値を否定するような言葉を強く言われてしまいました。その後1週間ぐらい、動くのも嫌なぐらい、鬱っぽくなりました。その人のことは本当に尊敬してて、大好きだからこそ、それこそ1000%ぐらいのダメージ力でした。
私、周りからは自信満々に見られているけど、実は、自己肯定感が低いんですよ。なかなか自分を認めてあげることができないんです。
今回のその人からの一言でずたぼろになる自分を見て、きっと心の奥底で、本当は私のことをもっと愛してほしかったし、愛情表現してほしかったし、認めてほしかったんだなって気付きました。「そういうことだったんだ」って、すごくしっくりきました。
TRPのパレードのときにすごい感動したんです。ハイタッチとかして、みんな一斉に、一人一人が認め合って、尊重し合う瞬間だったから。そのときは気付かなかったけど、多分、自分自身も認めてもらいたい、周囲に肯定してほしいっていう欲求があったから、アライとしてみんなのことをサポートしたいんだなと気付きました。すごく上から目線になっちゃうけど、もっともっとみんなのことを一人一人個として見て、認めて、尊重してあげて、愛してっていう世の中になればいいなと思いました。それは、私自身も他の人からそうされたいから。「もういいんだよ。花恵はそれでいいんだよ」って。「欠点とかあるけど、それでいいんだよ」って言ってほしいから、私もそういうふうに他の人にしたい。あと、世の中がそういうふうになっていったらいいなって思いました。
すごくいい話で感動しています。
認めてもらうっていうことって、すごい大事ですよね。大げさかもしれないけど、「生きてていいんだな」って思うっていうか。
確かに、ありますよね。
完璧な人なんていないってよく言うけど、そもそも「完璧」の定義って何なんだろうって思います。苦手なものとか、駄目な部分とか、そういう要素があるからこそ完璧なんじゃないかなと。みんな、何も欠点がなかったらロボットでいいわけじゃん。
欠点が人間らしさをつくるんですよね。それが5月のIDAHOBITのInstagramのストーリーにつながるわけですね。
そう、そう。
数週間前までそういう気持ちが分からないまま、ずっとirOdoriをお手伝いいただいて、すごく感謝しています。
私も自分のためにもなっているし。
それがないと逆にアライはできないと思う。
アライとして活動したいこと
お住まいは仙台ですよね。地域特性があるかなと懸念しています。非都市部に行くと、人と人が近いじゃないですか。でも、LGBTQの人がいる確率としては地域によって変わらないはずだから、オープンにできていない人たちがより多いと思うんですよね。
先日参加した盛岡のトークセッションでは、地元にいられない思いをして東京に出ていく人たちが多いっていう話はしていましたね。だから、東北でも居場所があるんだよっていうことをこれからもっともっと発信していきたいっていうふうにお話をされていました。
これから、アライとして活動したいことはありますか?
そういう人たちがいるんだよっていうことを、もっと極端に言うと「男と女だけじゃないよ」っていうことを知らない人が多いので、それを知ってほしいって思います。知ってもらって、できればアライになって…。まずは、知ってもらうことかな。
今は自分のInstagramで少し発信しているだけなんですけど、それでも反応してくれる人はいます。
マスに対して言うのも大事だけど、それと同時に、身近にいる人から言っていくのがすごく大事かなと思っています。一周回って、私はそこにたどり着きました。irOdoriで届く人の中に自分の友達がいないのは駄目だと思って。まずは、例えば友達のSNSに不適切な言葉があったら注意してあげるとか、ご飯に行ったときに、「実は、今、こういう活動をしてて。どう思う?」みたいな会話をしてみるとか、そういう小さなな一個一個が結構大事な気がしてます。
私も言い回しは意識するようにしています。LGBTQは関係ないかもしれないんだけど、例えば、私が言われて嫌なこと。相手の価値観や常識を押し付けてくる発言をされた時も「それは人それぞれだと思うから、そういう言い回しはやめたほうがいいよ」って言うようにとか。
大きな変化ですね。すごい大きいと思う。
今までは自分が言われて嫌なことは、自分がもっと精神的に強くならなきゃいけないんだって思ってたんだけど、逆に「このままでいいか」って思うようになってからは、「その言い方をして嫌な思いをする人がいるんだよ」っていうことを伝えることも大事かなと思うようになりました。アライとしても同じことが言えると思うから。
彩夏:本当に大事だと思います。
そろそろ終わりにしたいと思います。いろいろな話を赤裸々に言ってくれてありがとうございます。すごく花恵さんのことを知ることができて嬉しいです。本当にありがとうございました。
Pride Night 2023開催します
6月のプライドマンスに合わせ、トランス女性・トランスアライそれぞれの立場からエッヂの立った体験を語るトークショーを開催します🏳️⚧️
花恵さんも企画に関わっていて、当日仙台から駆けつけてくださいます!
詳細・お申込みはこちらから👇
お待ちしております❣️
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