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(鑑賞記録)音遊びの会「そんなにジロジロ見ないでくれ in 金沢『なんか躍りますか?』」

音遊びの会「そんなにジロジロ見ないでくれ in 金沢」の2日目「なんか躍りますか?」を鑑賞してきました。場所は金沢アートグミです。1日目の様子と、音遊びの会についての紹介は、以下の記事をご覧ください。

昨日は真ん中に座ったので、今日は上手(舞台に向かって右端)に座りました。ここがすごい席だったのです。舞台にあたる場所の上手に、演者が1人だけ四角の椅子に座っていたのですが、開演前から彼が目の前を行ったり来たりしています。そして、開演を待っている間に、別の演者の1人に話しかけられました。行ったり来たりする彼は開演後も同じように行き来をし、話しかけてきた彼は、開演後も同じように話しかけてきました。舞台を観たらいいのか、横から話しかけてくる彼に返事をしたらいいのか、困惑しました(とはいえ迷惑だったとか、怒ったとか、そういったネガティブな感情はなく、むしろ面白いと思っていたので、ご心配なく)。

そんなわけで、2日目の公演はこの2人の印象が強いです。行き来する彼はマイクを持っている時もあり、ささやくような小さな声で何かを語っていました。話しかけてきた彼もマイクを持っている時があり、大きな声で話していました。彼らの言葉と、舞台上で披露されている演奏やダンスに、何か関係があるのかどうかはわかりませんでしたが、どこかでサンプリングされた音が曲の中で鳴るように、言葉は会場に響いていました。

今日はなかむらくるみさんのダンスが多かったように思います。音遊びの会の演者は主に演奏でダンスに応えているようでした。質問コーナーが今日もあったのですが、演者への問いかけの結果、彼が太鼓をたたいている間、なかむらさんは横で真正面を向いて立って待っている、というシュールな図が生まれていました。

しかし今日、演者に話しかけられて思ったのは、その働きかけにぱっと対応するのは容易ではないということです。じっくりと、少しずつ、時間をかけてコミュニケーションは取れていくものなのだろうと思いました。ただ、音楽やダンスなどが間にあれば、理解につながるための時間が少しだけ短くなるのかもしれません。

すぐに打ち解けることが難しいとしても、なにか大きなものが私達をまとめて包み込んでくれないだろうかと、そしてそれは、皆が安心できるような快い空気でできたものであってほしいと、そう思いました。多様性を包摂するなんて、簡単に言えることではないと感じつつ、でも、様々な楽器の音色が響き合う中で躍る人々を観ていると、本当にそんな優しい包容がこの世界にあってほしいと思えるのです。

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