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(感想)みえないものをたちあげる

(以下、筆者Xより転記)

チロルマーケットによる、金沢海みらい図書館朗読会『みえるとか見えないとか』観賞(でいいのかな。拝聴?)。死と近づいた人々の物語が5編、朗読された。原作は阿刀田高、唯川恵、浅田次郎、江國香織、萩原浩。聴くだけで想像する朗読だからこそ、このテーマが合っているように思えた。

朗読にもいろいろなスタイルがあるのだろうと思うが、私には演劇的演出がなされた作品が、情景をイメージしやすく思えた。見えないはずのものを感じ取らせてくれる時間だった。

(以下、追記)

自分の書いた小説を朗読していただけることは、とても嬉しいことだ。もちろん黙読してもらえるだけでも嬉しいものだが、「声に出してみたい」というのは、もう一つ、その方の好奇心を刺激できたような気がするのだ。

声は発されてすぐ消えてしまうものだが、だからこそ、発する人や環境などによって、少しずつ異なるものがその瞬間にだけ現れるように思う。その貴重さに憧れるのだろうか。

文章を書いている時にも、あえて声に出して確認してみたりすることがある。文章という紙などに記されるものであっても、目で読むだけが読書ではない。ページをめくる手だって、声にする口だって、音として聞く耳だって、文章を受け取り、その人の中にイメージをたちあげているのだ。

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