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劇評

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主に石川県金沢市での、演劇・ダンスの観劇記録です。
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#パフォーマンス

(劇評)踊りたいんだ、僕は

アクラム・カーン カンパニー『Chotto Desh チョット・デッシュ』の劇評です。
2018年8月17日(金)14:00 金沢21世紀美術館 シアター21

撮影:池田ひらく 写真提供:金沢21世紀美術館

 これが僕のやりたいこと。
 君のやりたいことは何?
 アクラム・カーン カンパニーの『Chotto Desh チョット・デッシュ』は、満面の笑顔でそう問いかけてくるような作品だった。

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(劇評)私は父と踊れるか?

(劇評)私は父と踊れるか?

伊藤郁女『私は言葉を信じないので踊る』の劇評です。
2018年8月4日(土)19:00 金沢21世紀美術館 シアター21

 私は父と踊れるか?
 私は父と、踊るようなコミュニケーションを取ることができるだろうか?
『私は言葉を信じないので踊る』が、伊藤郁女と伊藤博史の、実の親子によるダンスだということを知ってから、私は自分と父親の関係を考えていた。

 会場に入ると、上手に置かれた背もたれのある

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(劇評)わくわくする気持ちが

(劇評)わくわくする気持ちが



 会場に入ると、女子の心をときめかせる空間があった。5つの小さな店舗が並ぶ。花(NOTE)、パン、お菓子(金沢小町)、服、布製品(山﨑菜穂子)、アクセサリー、紙製品(つぶ100%)、ドレス(lecture de minuit)。それらが素敵にディスプレイされて、それぞれに魅力を放っている。そこは「いまるまる商店街」。椅子に荷物を置いて、お店を見て周る。塩パンとハーブティーを早速買い求め、食べな

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(劇評)自己紹介は難しいけれど

(劇評)自己紹介は難しいけれど

(劇評)自己紹介は難しいけれど
LIRY Project 01 in KANAZAWA『4xPersonne』の劇評です。
2018年7月21日(土)14:00 金沢21世紀美術館 シアター21

 自己紹介は難しい。新年度などに見知らぬ人達の前で、自分というものを数分で説明せねばならないのが、いわゆる自己紹介だろう。私はこういうものですと、人前に差し出せる「私」は、どうあがいても私の一部分でしか

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