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お洋服を作ってもらったら人生が明るくなった話(3/3) AIを使って布選び

AI(人工知能)がどんどん賢くなっています。お洋服を作ってもらう時に、布地選びにはがっつりChatGPTを使いました。なぜなら、布地を見に行ってもよくわからなかったから。コットン100%の布と、麻100%がいいなとは思っていたけれど、コットンといっても様々な織り方があります。麻といってもリネン、ヘンプ、ラミーといろんな麻があるし。さらに、素材と織り方をこれと決めても、布は厚さによって機能も印象も変わります。さらに私の場合は、それぞれの布地をフランス語で知る必要もあります。

わからないもの、何をキーワードに調べたらいいかわからないものを調べるのは難しい。だから「夏のワンピースに向くコットン100%の布の織り方とそれぞれの長所短所を教えてください」「リネン100%のオレンジ色の布地で夏のワンピースを作る場合、m²当たりどのくらいの重さなら下着が透けないですか」「フランス語でハニカム織はなんて言うんですか」などと、ChatGPTにしつこく質問して、あたりをつけました。AIはどんなにしつこく同じようなことを何度聞いても、嫌がらずに教えてくれます。ありがたい〜。助かる〜。

でも、AIはしれーっとありそうな嘘をつくこともあるので、教わったことが嘘でないかはGoogleで検索して確認しました。だいたいのあたりがついた上で、それが間違っていないかを確認するのは簡単でした。

その後、これかなと決めた布を布地屋さんのECサイトで探しました。AIのアドバイスで選んだ布地の、希望の厚さが売っていなかったりもしたのだけれど、最終的に布を決めて、その段階でクチュリエさんに「これにしようと思うんだけど、どう思いますか?」と相談しました。ゼロベースで相談するよりずっとやりやすかったし、学びが多かったし、楽しい体験でした。

私は服作りに関しては素人で、布については「天然繊維100%のものとポリエステル100%のもの以外は、現在の技術ではリサイクルできない(リユースはできる)」ぐらいしか知りませんでした。江戸時代の着物のように洋服として使えなくなったら座布団カバーに、それも無理なら雑巾に…みたいに布を使いたかったから天然繊維100%が良いなと思っていたけれど、AIを使わなかったら、飛び込んだお店にある布のうち当て水量で、妥協して選ぶしかなかったと思います。

布の厚さ、織り方、色などに加えて、洋服の布地というものは作られ方に問題があることもよくあります。コットンの農薬による健康被害などの問題などが有名です。それに関しては知っていたから、詳しく調べました。これは直接ググった。

コットンはインドやアメリカが多いけれどポルトガルやトルコなどでも育てられているし、リネンはフランスやベルギーで生産されています。それをどこかに運んで布にするのですが、関わる人が多いから調べがなかなかつきません。そういう体験を、頭で知ってはいたけれど、体験できたのはよかった。私は本当ならオーガニックコットンを使いたかったし、生産地にも見に行って買いたかったけれど、今回はそこまでできませんでした。だからさまざまな布の認証を調べて、納得のいく物を選びました。リネンに関しては、Etsyでリトアニアで作られたリネンを売るお店と直接やりとりして買ったのが楽しかった。いつか生産地を見に行って買い、それでお洋服を作ってもらいたいなーと思っています。

布選びってとても奥が深いんですよね。布のことを学ぶと、既成服を見る時にも「これは…たぶん毛玉ができるかも」「うわあ、いい布を使ってますな」「こんなにほどよい布地をよくぞ選んだ…」と楽しめるポイントが増え、洋服を作ることへのリスペクトが増す気がします。

あまりに既成服に慣れすぎて、そしてお洋服があまりに安く売られすぎて、服を着ることの楽しさが「取っ替え引っ替えしていろんな服を着る」くらいになってしまったように感じます。でも私、別にそんなに取っ替え引っ替えしたくないのよね。「私服の制服化」が合うタイプ。その「制服」も毎年変えたいわけでもないから、好きなもの、着ていてうれしくなるものを必要最低限持って、大事に着たい。

洋服を作ってもらうことで、そういう気持ちが満たされて、納得ができるお洋服が着られて、人生が明るくなった気がします。もしよかったら、試してみて。自分の好きなものがわかった人の「大人の楽しみ」としておすすめ。日本には高い技術をお持ちのお針子さんがまだたくさんいるらしいですし。


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