【ヨガ哲学】怒りが消えるメンタルケア
こんにちは。
ウェルビーアドバイザー吉田紗弥です。
３月の半ば、綺麗なお天気が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか？
今日もヨガのお話をしていきますね！
今日は怒りについてのお話です。
今から約2000年前に成立されたとされる
ヨガの根本経典
「ヨーガ・スートラ」には
私たちの生活をより良くするための
賢者の教えが記されています。
その中から一説ご紹介します。
アヒンサーに徹した者のそばでは全ての敵対が止む。
アヒンサーの「ア」は否定を表す接頭語であり、
「ヒンサー」とは「暴力」という意味になります。
ですのでこの一説は
「非暴力に徹した者の側では全ての敵対が止む」
という意味になります。
私たちの考える暴力は、
身体へ危害を加える暴力と、
言葉によって相手を傷つける暴力がありますが、
ヨガではもう一つの暴力を考えます。
それが
「思いの暴力」
です。
イライラしたり、
ムカムカしたり、
キーっと頭に血がのぼったりする。
まさに、
「暴れる力」が制御不能になっている状態です。
この思いの暴力が
顔や、態度に現れ、言葉の暴力へ変わり、
さらには身体的な暴力へと変わっていくのです。
私たちは怒りの感情が湧くときは、
人間関係が関係している場合が
多いかと思います。
会社の上司、後輩、
そして身近な家族に関して
意見が合わなかったり、
何気ない一言でイラッとしてしまう時があります。
この怒りの感情が出てくる場合、
自分の中で対処法を考えておかなければいけません。
例えば、
私たちは、怒りが湧いた時、
その目の前の人を
本当に理解しているか
一度立ち止まってみる。
私たちはイライラする時、
目の前の人の本当の悩みや、本音、経験やバックグラウンド
を知ってるでしょうか？
私たちが怒りの感情を抱くとき
相手を誤解している、
または
相手をよく知らない
という場合が多いかもしれません。
それに気づくだけで
その怒りは自然と収まる場合が
あるかもしれません。
例えば、
ある仕事を後輩に任せたつもりが、
全くできていなかった時、
「どうしていうことを聞かないんだろう？」
「仕事が遅いなぁ。。」
とイライラしたりしてしまう時があったとします。
しかし、自分はその後輩の仕事の状況を理解していたでしょうか？
「そもそも効率のいい仕事の仕方を知らないだけ」
「別の仕事を他の人に任されていた」
「お客様の対応に追われていた」
など、後輩の仕事ぶりについて、
本人と話をしただろうか？
その怒りはただ単に
相手とのコミュニケーション不足で
沸き起こる感情なのかもしれません。
私達は相手を知らないだけで
怒りの感情を抱きがちな時があります。
その怒りをコントロールし、
相手を理解しようとする気持ちが
エネルギーを
少しでも減らし
人間関係と円滑にし、
世界とのつながりを作っていくことになるのです。
ここで私のお話をさせてください。
私の母は天然で子供っぽく、可愛らしくいつも私の話を聞いてくれる友達のような存在です。
そんな母と先日旅行へ行きました。
私は昔から旅行が好きで
ツアーなどを使わず、自分でホテルを予約したり、航空券を取ることが多く
海外へ行くことは慣れていました。
母は韓国ドラマ好きからソウルへ行きたいということで
今回の旅行の計画は彼女に任せ、
自由時間がたっぷりある大手の旅行会社で２泊３日のツアーを申し込みをしていました。
集合時間が決められ、ホテルも決められていたプランでしたが、
その他の時間は母と一緒にショッピングや食事などを楽しみました。
そして最後の日は
母がどうしても行きたかったキョンボックンという宮殿に行くことになっていました。
ホテルでの集合時間は昼１２：００でそこから空港へ向かうことになっていましたが、午前中早く用意を済ませ、
ホテルから30分かけてその宮殿へ向かうことになりました。
ソウルの地下鉄は初めてで、
思った以上に英語の表記がなく、戸惑い、なんとか駅に着くことができたものの、
時間は1時間ほどしかなく、駅からその宮殿までの道筋もわからず、慌てて地図を確認していると、
その子供のような母は、ソワソワしながら、その宮殿に早く行きたい気持ちを
抑えることができなかったのか、
日本語で現地の人に
「キョンボックはどこですか？こっちですか？あっちですか？」
などと話しかけたりし始めます汗
そしてようやく宮殿に着いたのですが、母のよほど感動が大きかったのか、
私がトイレに行きたかったので、トイレに行き
「外で待っててね」
と言ったにもかかわらず、出てくると
母の姿がない・・・。
焦って周りを見渡しても
広い宮殿、まるで日本の皇居のような場所で
母の姿が見当たらなく、焦っていると
遠くで、小さい母が大きく手を振っている・・汗
そして、やっとメインの宮殿らしき場所に着くやら、
母は人混みをかき分けて、どんどん進み、
太鼓の音が鳴り、セレモニーらしきものがはじまりだすと、
何も言わずに我を忘れて
ダッシュで走り出すという
本当に子供のような行動を取り始めました・・。
こんなところで迷子になると洒落にならない！と
イライラを抑えながら、母から目を離さないようにして、
たまに、
「ちょっとあんまり離れると迷子になるよ」
と呆れたりムカムカしたりしていました。
しかし
昔の朝鮮の建築や、広大な土地、伝統的なセレモニーも楽しめ、
わずかな時間でも母とたくさん写真を撮り、
最後の観光を楽しむことができました。
しかし！！
安心したのは束の間。
電車に乗ったら、時間がわずかしかないことに気づきます。
そして、
途中で電車が別の方向へ向かっていることに気づいたのです！
やばい！と母と電車をおりたのですが、
横の母を見ると
彼女は大パニック。
とりあえずタクシーを探しました。
やっとタクシーを見つけたらガイドさんに連絡。
ガイドさんが電話越しに、タクシー運転手に、
急いでください、と頼んでくれたようなのですが、
タクシーのナビの画面ではホテルまで３０分・・。
こりゃー間に合わないな・・自分たちで帰ればいいか〜...と
思っていたら、
母はさらに大パニック！
つい先程の母の子供のような行動もあり、
その姿にイライラし始め、
「自分たちで帰ればいいからっ！」と言っても母は全く聞こうとしない・・
もう一度ガイドさんへ連絡し、
「30分かかるみたいなので先へ行っててください」
というと、
ガイドさんもびっくりして、またタクシー運転手と、大きい声でぎゃあぎゃぁとやりとりをしている。。
そんな状況に
「えええどうしよう〜どうしよう」と今にも泣きそうに慌てふためく母に、
「自分たちで帰ればいいやん、大丈夫だから！」と
ムキになってイライラする私。
そんなカオスな状況の中、
タクシー運転手を見ると
私たちのドタバタしている姿を見て
笑われていることに気づいたのです・・
その姿を見て、ハッと我に帰りました。
「そうか、母は英語も喋れない、海外旅行に慣れていないし、慌てふためくのは無理もないかも。」
「私と母の海外旅行の経験値は大きい差があるんだ」
、と気づくと
苛立ちがなくなっていきました。
その苛立ちがなくなった時、
気づくとタクシーはもうホテルの目の前にきていました。
なんと時間ちょうどにホテルに着いたのです！
しかもまだガイドさんも、別の観光客も来ていないという状況。
2人で安堵し、コンビニでお菓子を買うという余裕もあったほどでした😅
そして思っている以上にすんなり空港へ向かうことができ、
２泊３日のソウル旅行が無事終了したのでした。
たくさん美味しいものを食べ、いろんな場所へ行き、
母の喜ぶ姿も見ることができ、
母との思い出がまたひとつ増え、
旅の良い思い出ができました。
私たちは、
時として、自分を取り巻く人たちの
本音や悩み、経験、育った環境など、
その目の前の人を知ったつもりで
暴れるような感情を抱いてしまう時があります。
けれども、
「相手を知ろう」とする姿勢に立ったとき、
私たちは、つながりを深め、調和を築いていくことができるはずです。
まるで、どんな濁った泥の中でも
美しい花を咲かす睡蓮のように
私たちも
暴れる思いを愛に変えて
目の前の世界とつながりを作ることにしましょう！
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