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初心を思い出し、弱者のマーケティング戦略を貫く――モノづくりへの挑戦 マクアケ②

クラウドファンディングを実施していましたが、5月30日に終了し、発送も無事全て完了しました。

目標達成率が偶然にも777%、ガジェット類に比べると大きい金額ではありませんが、千円代の歯磨き粉として、一切ステマ無しで実施したので、健闘したと思っています。



  • 日本のものづくりに危機感

  • 銀行員から商品開発者への転身

  • 小さな市場でもリーダーになる戦略

【本文】 クラウドファンディングからのメッセージが私の初心を呼び覚まし、未知の商品開発に挑む決意を語りたいと、筆を執りました。

同級生たちからのメッセージも届きました。「具現化(商品化)するってのがすごいなって思いました。頭に描くだけ、言うだけじゃなくて、それを形にするのが大変なんだろうなって。この商品が世に出るのを本当に楽しみにしています」との言葉。それは、私が10年前、総合職からの転身を決めて一人で会社を立ち上げるまでの物語です。少しお付き合いください。

物づくりに挑戦したいとおもったきっかけ

「はじめて物づくりに挑戦したい」と思ったきっかけは、日本のものづくりに対する危機感でした。当時、私が銀行に入行した頃はリーマンショックと呼ばれる未曾有の不況で、企業の倒産が相次ぎ、銀行も貸しはがしや貸し渋りの状態にありました。最初は、融資のノルマを達成するために、お客様に新しい商品を作ってもらって資金需要を喚起すればいいのではないかという単純な考えでした。新卒の私は万能感とやる気に満ちており、ルーキー賞を獲得することを目指していました。そのためには、与えられたノルマを完全達成することが必須だと考えていたのです。

私の担当先は中小規模の問屋が多く、中国の安価な製品に押されて売上がピーク時の1/10以下にまで落ち込んでいる会社もありました。商品を作ろうと言っても、何を作ればいいか分からず、できる社員もおらず、社長自身も元サラリーマンで、定年まで会社を続けることさえ目標としているように感じられました。不眠症の人が多いと聞いたので、糸の卸問屋に対して日本製の糸の需要を喚起するため、糸にラベンダーなどの精油を練り込み、オリジナルの枕カバーブランドを立ち上げるという企画書を作成しました。社長の反応は非常に好意的でした。「素晴らしいアイデアだね!でも、誰がやるの?林さんが仕事終わりにやってくれる?」(私は20時には退社しているのに、全員が帰社してしまっているのだと思いながら内心突っ込んでいました)。ピーク時にはサンプルとして1万個単位で作っていたのに、今は売れないから、サンプルが10個も作れず、せいぜい100個程度といったレベルでした。
そんな規模ではマーケットを形成することすらできないだろうと思いました。「私がそれを作れるの?リスクを負えるの?企画通りに作っても売れるの?それに、モノづくりって具体的にはどうやるのだろう?作ったとして、どこで売ればいいのだろう?」自身が同じ立場に立った時、何もわからずに絶望感を覚えました。

銀行員から商品開発者への転身

実は、銀行に内定をもらった時から、銀行員として何をすればいいのか考え、中国からアパレルを仕入れて楽天のオンラインフリマで販売したり(数万円のお小遣いを使い、最終的には10万円の利益を得ました)していました。しかし、銀行に入った世界はモノづくり大国、日本の現実でした。日本のものづくりがこのような状況に陥っていることに危機感を抱きました。

言葉による説明よりも、実際に目で見てみることの方が理解が深まると私は感じました。そこから、担当企業全体のSWOT分析を実施しました。そこで判明したのは、開発や企画が出てこないことや、そのような人材が不足していることでした。このままでは日本は深刻な状況に陥るのではないかと思いました。銀行で融資に携わることではない、何かをしようと思いました。そして、誰かが行わなければならないと感じたのです。当時、奇妙な使命感が私に押し寄せ、それを思い出すと止まりません。その結果、メガバンクを退職し、自らが商品開発の道を歩むことになりました。

「鶏口 牛後」弱者のマーケティング戦略


これは私のモットー、あるいは商品開発において特に心掛けている部分です。あなたの商品はその業界でリーダーになれる可能性がありますか?要は、小さな市場でも1位になれる可能性があるのかということです。マーケティング用語では「ブルーオーシャン戦略」と言いますが、今日の世の中には商品が溢れています。だからこそ、ニッチな市場を見つけて、そこで1位になるために努力する必要があると考えています。それが弱者のマーケティング戦略だと思っています。

どの業界にも未開拓の領域があると信じています。上場企業は小さな市場に手を出しにくいため、商品開発者はそこを狙うと良いと思います。商品に限らず、サービスやアプリケーションにおいても同じです。このような自由な発想で企画を立てる人々が増えることを願っています。

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