マガジンのカバー画像

恋愛掌話

39
ふと気晴らしに恋愛小説を書いています。
運営しているクリエイター

#青ブラ文学部

恋愛脳を紐解けば 3 | 忘れっぽい詩の神

 人生にはモテ期という時期があるらしい。  それは神話みたいなもので、私自身には縁遠く感…

百舌
11時間前
10

恋愛脳を紐解けば 2 | 忘れっぽい詩の神

 鮮明に想い出してしまった。  脳の記憶野とされる海馬に施錠して封印されたものか、大脳皮…

百舌
1日前
20

恋愛脳を紐解けば 1 | 忘れっぽい詩の神

 私自身ではモテ期などある訳ない。  確かに周囲には、目を惹くような娘は多かったけど。  …

百舌
2日前
22

白無垢の女 #白いワンピース

 フロントには手配をしていた。  外資系のリゾートホテルはこんな事に頼りになる。  私の電…

百舌
2週間前
12

蠱惑の赤 2 #いやんズレてる

 ピッチが早い。  彼女の杯がすぐに空になる。  それでこちらも誘因される。  もう車を使…

百舌
1か月前
18

蠱惑の赤 1 #いやんズレてる

 かつて、すれ違いも愉しみでもあった。  携帯もスマホもない時代は、女子の家に電話をかけ…

百舌
1か月前
14

男爵のヴィラ 2 #いやんズレてる

 普段通りの時間が流れている。  のは内面だけだ。  閉ざされた空間で全裸で過ごしている。  空調なしだと椅子にもソファにも汗ばんで貼りついてくる。エアコンを緩めにしても座面から引き剝がして姿勢を変えている。人間社会は衣服というBuffer zoneありきで成立しているらしい。  リサはキッチンに立っている。  それも普段はしないエプロンで前を隠している。  僕がそれを咎めるように凝視していると、油が跳ねて火傷したらどうするの、私は仕事を失うのよ、と言われexcusedの範疇

男爵のヴィラ 1 #いやんズレてる

 後ろ手に鍵を掛けられた。  堅牢なドアに相応しい重い音。  複数の鍵をひとつひとつ丁寧に…

百舌
1か月前
14

ホワイトシチュー #いやんズレてる

 あたしさぁ、と乗ってきた。  裸の胸に彼女の髪がさらりと触れる。  その感触をなぞる様に…

百舌
1か月前
16

夜を疾走する

 もう10年も昔のことだ。  初めて横須賀を訪問した。  その街の何所かに、縁遠くなった女性…

百舌
1か月前
29

繭玉祀り 1

 私は存在していたのかしら。  記憶さえ曖昧な乳白色の闇に包まれている。  時間の流れでさ…

百舌
1か月前
7

Showroom ♯腐れ縁だから

 アームチェアで膝を組んでいる。  イームズのシェルアームチェアで、座面は織地で肌触りが…

百舌
1か月前
16

郷愁のひと皿 2 ♯帰りたい場所

 早朝から峠を走る。  明治の空気が残るこの道に、愛車を連れていきたかった。  佐賀の鹿島…

百舌
2か月前
21

郷愁のひと皿 1 ♯帰りたい場所

 法事のために島を出ます。  片道3時間弱は毎回、新作を書く時間に充てていて。ただし今日は推敲が終わってないのですけど。我ながら実に効率のいい趣味を獲得したものです。  この旅程をFacebookで呟いていますと、旧友からランチのお誘い。  なので佐世保港に接岸したフェリー⛴️から一路、諫早市まで下りていきます。途中で波佐見お茶🍵祭で10㎞程度は渋滞していました。  諫早市は本明川が中央に流れる河岸段丘の上に市街地が出来ています。ここは鰻が大層有名ですが、昨今では中々敷居の