■2020米国大統領選をベンフォードの法則から評価する+α

 ■2020米国大統領選をベンフォードの法則から評価する+α 
   2021/1/10 Version 1.00 by 澤田石 順(無い科医)
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  ▼所属: 全国医師ユニオン、東京保険医協会(勤務医委員会)、
   医療制度研究会、NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会、線維筋痛症友の会、<
   ポリオの会、CFS支援ネットワーク
  ▼職場: 鶴巻温泉病院/回復期リハビリテーション病棟専従医(2002年2月~)
   〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北1-16-1 0463-78-1311
  ▼自宅:〒227-0048 横浜市青葉区柿の木台10-5-503 Tel/Fax 045-971-3572
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▼ベンフォードの法則
 市町村の人口、電気料金、ガス料金、獲得投票数等の一番上の数字が1から9でランダムではなく、1が30%, 2が18%, 3が13%, 4が10%, 5が8%, 6が7%, 7が6%, 8が5%, 9が5%となる傾向のことです。サンプル数がおおいほど出現頻度は一致します。数学的にこの法則は証明されてます。
 
▼トランプ支持者による1/6の米国議会 Capitol Hill 乱入について
 民主主義の破壊だとかいろいろ言われてます。米国、日本、西欧のマスコミも学者も非難してます。私が同志とみなしている自由と民主主義を愛する人々のうち、私が知る限りですが、声を出している全員が非難しました。私は非難できません、しません。
 動画をみたら明確にわかることは、議会内に乱入した人々は暴力をふるってなかったこと。デモ参加者の4人が悲しくも死亡しましたが、少なくとも1人は警官による射殺。もしかしたら4人ともそうかもしれません。
 皆様に思い出して欲しいことがあります。

1) 2014年の台湾学生と市民による立法院占拠
 直接の契機は、台湾国の与党による不当なやり方に抗議してのこと。二週間以上にわたり学生達が立法院(国会)を占拠。諸国の自由と民主主義を愛する人達は応援の言葉を発してました。(結果、台湾国は行政手続きの透明化を推進することとなりました。今回の新型コロナでの優れた対応がその証拠の1つ)
 今回、米国の虐げられた人々(トランプ支持者)が議会に乱入しました。台湾の事件の時は、連帯の言葉を送っていた人々が今回は非難してます。違いはなんでしょうか?
 確かに、民衆が議会に乱入することは、民主主義という「手続きの正当性を至高」とするあり方に反してますけども。
 学生というインテリ主導なのであの時は連帯したのであり、トランプ支持者はインテリではない「デマにおどらされる」ような無学で知性にかける人達だから批判したのでしょうか?
・無学な人は何を言おうが言葉の中身は無視されたり、軽視されて当然なのですか?

・デマに踊らされる人達は軽蔑されて当然なのですか? そんな人をあなたは軽蔑し、無視するのですか?

・デマを発する人達は馬鹿にされて当然なのですか?

・デマを発する人々が何故にデマを言うのかの気持ち及び経済・社会的な原因を考える必要はないのですか?

・あなたは米国/カナダ/メキシコの自由貿易協定(NAFTA)により失業した莫大な米国民の苦境を全然知らないのですか?

・NAFTAの見直しを提唱したオバマが当選した後に、彼は何もしなかったことを知らないのですか? (オバマは NAFTA が反人道的な野蛮な協定だと明確に理解し、是正する感情・意志を有していたことを私は疑いはしませんけど)

・NAFTAの作用はメキシコのトウモロコシ農家の悲劇的な事態をもたらしました。米国はトウモロコシ農家にメキシコとは比較にならないほどの補助金賦与。米国の遺伝子組み換えトウモロコシがメキシコに激流しました。
結果として、メキシコにては多種多彩なトウモロコシが生産されてましたが、メキシコのトウモロコシ農家は解決的な被害を受けました。生きる手段がなくなった農民の少なからずは米国に合法あるいは不法に移動しました。米国内の守銭奴企業はメキシコから来た破産した農民を低賃金で雇用できるので大歓迎。合法であれ、違法であれ、普通の米国民よりも低賃金で搾取できるから。あなたは、この事実を知らないのですか?
 ※参考:農協新聞の記事⇒ https://www.jacom.or.jp/archive03/closeup/agri/2012/agri120920-17943.html

・NAFTAはメキシコの農民を悲惨な状況にしました。米国の守銭奴企業にとっては予想通りの"素晴らしい"事態だったのですが、物事は反対の側面もあります。すなわち、米国の巨大製造業が安い労働を求めて、メキシコに移転⇒ 米国の製造業(自動車産業等)の労働者の莫大な数が失業⇒低賃金の労働に甘んじることとなった。低賃金ではメキシコから移住した農民と競争するので、いかんともしがたい。トランプ支持者による米国議会選挙を非難する気持ちはわかりますが、NAFTAなる自由貿易協定が巨体守銭奴企業のみを潤して、メキシコの農民と米国の労働者の生活を破壊したことを知らないのですか?
・トランプは超大金持ちであり、メキシコの農民には一切の同情がないと私は確信してます。トランプがNAFTAによる米国民の多くの苦境を認識したことは確実です。トランプはかつて製造業で働いていた人々の苦境に心で同情したと、私は思いません。トランプは大統領になるための戦術として、そのような人々に同情するフリをして利用したのだと私は確信してます。偽善でしょう。けども、政治家の評価は"作用のみ"によるべきなのです。トランプは確かに虐げられた人々を利用して当選しましたが、彼は政策の中身をそのような人々がもっとまともに生きるようにせざるを得ませんでした。トランプの本心は大統領当選のために何でも利用するであったろうけども、利用された人たちの熱烈な無条件の信頼に直面して、当選前に話した通りにするしかないと覚悟したのではないでしょうか?
 トランプは自分が嘘をつくとき、嘘と自覚しつつ、同時に真実だと信じるという"二重思考"ができる性質の人だと思います。安倍晋三のように。元大阪知事の橋下のような。
 なんと、台湾の学生たちの立法院占拠について、話しが広がり過ぎました。次を読んで下さい。

2) 2014年、香港における雨傘運動(反政府デモ)、その後
 学生や市民達が政府のとんでもない法律に抗議して街頭運動を行い、行政府の施設を占拠しようとしました。一部が暴徒化しました。日本における安保反対でも一部の暴徒化はありました。
 雨傘運動の当時、日本、アメリカ、EU諸国のマスコミ、学者、市民達は一様に香港政府の暴力を非難したり、雨傘運動への連帯を表明しました。
 民衆が政府の暴虐に直面した時、普通の手段(選挙等)では意志を実現できないと絶望した時、直接行動するしかありません。ジョン・ロックの思想でも、米国の建国の父らの思想においても、最後の手段として「今の政府」を実力で倒すことは民衆の権利だと明確に表明されているのではありませんか?
 一国の政府が法律により民衆の自由と民主主義を破壊しようとする時に、違法な手段で抵抗することは人々の基本的権利ではないでしょうか?
 トランプは愚劣で嘘付きですが、彼は虐げられた何千万人を発見しました。共和党のブッシュ父子、民主党のクリントン/オバマは巨大守銭奴企業及び軍産複合体により買収され、あるいは脅されて、労働者の搾取を強化し、社会保障や教育への支出を削減して、経済的に困窮する米国民の数を飛躍的に増大させました。
 彼らの反人道的な蛮行はすべて、米国連邦政府議会を通過した法律によります。
 オバマの本心はともかく、彼はアフガンとかイラクにおける米軍の数を増やし、米軍による罪無き現地の人々の殺害を増やしました。コラテラル・ダメージ(意図せざる不運な殺害)と米軍はずっと開き直り、殺されたり障碍者になったりしたイラク・アフガンの人達に対して、まともな金銭的補償をしてないし、謝罪することはあっても例外であり言葉だけ。かのように、良き人物と皆様がみなしているオバマ大統領は彼の意図とは異なるでしょうけども、守銭奴企業/軍産複合体の蛮行に加担しました。
 米国内の基地からゲーム操作のような技術でもって、無人機でミサイル攻撃するようなことを飛躍的に増やしたのは「美しい人道主義者」のフリをしたオバマです。これに対して、トランプは中東からの米軍撤退を現実に実施しました。米国議会はさらなる米軍撤退推進を困難とする法律を通し、トランプはそれに拒否権を発動したものの、共和党が反乱したために、その法律は成立してしまいました。
 トランプの前に、虐げられた米国民が7千万人くらいはいたのです。トランプ現象の前に存在していました。トランプはそのような人々の情念が現実化した現象であり、トランプはたまたま氷山の頂点に現れた記号に過ぎないのであり、トランプ現象の基礎には、莫大な虐げられた人々がいることを知っていただきたい。
 もしもトランプという凶人がいなかったらば、2016年の大統領選挙では確実にクリントンが勝利していたことでしょう。クリントンが当選していたらTPPという野蛮な協定から米国が離脱することはなく、日本の農林水産業も医療も超国家企業群により、今よりもはるかに悪いレベルで破壊されていたと思います。トランプが当選したことにより、TPPから米国が離脱したことの意義を日本共産党の議員や支持者、そして私の同志であるTPP反対で丸丸4年にわたり、高円寺北口で"TPPストリートミーティング"を共にしてきた同志達に言いたいです。

▼私の視点 - 1980年代以降今日までの事実についての認識
 レーガン政権後、米国の民主党も共和党も守銭奴巨大企業の奴隷化して、労働者の搾取を推進してきました。このような流れは日本と西欧諸国(EUは搾取体制強化のみ役立っている)でも同様です。
 In USA: 大統領に当選するのが民主党であれ共和党であれ、推進された政策は労働者搾取の強化、社会的共通資本(保育、基礎教育、大学、医療、インフラ、農林水産業等)への公費支出削減、安い労働者の「輸入」(違法な移民の容認)による米国労働者の低賃金化です。あの"悪辣/下劣/非人間的"なミルトン・フリードマンらのネオリベラリズム(新自由主義)が
``自由[政府からの自由=liberalism AND 法律の許す限りでの一人一人の個人の自由=freedom]と
民主主義[多様な意見を互いに尊重し、公的な意思決定においての議論は透明性を確保して実施する。議論については議事録を残し、議事録は速やかに公開する]を
国是とする''諸国で広まりました。
 フリードマンらのネオリベラリズムは学者の中でのことですが、それを金力で応援し、拡散してきたのが守銭奴企業群です。巨大守銭奴企業群は立法府(議員)を政治献金で、官僚を天下り(米国では回転ドア人事)で、マスコミを広告費(日本の場合は電通が主体)で、学者については研究費で(日本の場合は大学の独立行政法人化による運営資金の継続的減額、そして守銭奴企業にとって役立つような研究費配分[選択と集中])により。
 守銭奴企業(金持ち)減税及び労働者搾取をますます可能とする法律を政権政党から購入することで、守銭奴企業群は内部留保を激増させ、増えた内部留保は政治家・マスコミ・官僚・学者の買収を更に強化することを可能とし、堂々と買収を強めてきました。
 結果、どうなっているのでしょう。
 自由(前述のように二種類)も民主主義も形骸化され、破壊されてきました。
 守銭奴企業の金力が選挙の結果を決めてます。国政選挙でも基礎自治体の選挙でも。この事情は日本でも米国でも同様です。
 諸国において経済的格差が増大して、1%の守銭奴による99%の国民搾取が途方もない水準になりました。最も悲しい事実の一つは、大学教育費への公費支出が日米で削減されて、公立であれ私立であれ、授業料がこの40年にわたりどんどん高額となっていること。米国でも日本でも大学生が巨大な借金を負うことがますます増えてきてます。
 諸国において国民を守るべき"国家"が守銭奴企業群の奴隷になってしまったのです。減税の法律を守銭奴が購入し、減税のために守銭奴は社会保障等への支出を減らす法律を買いました。法律が商品になってしまったのです。
 ここで、話しを転じて、確認します。
★国country=国民nation(人間とすべての生き物)
 +国土(領土: Land+Sea+Airという物理的実体)
 +国家state(立法府+司法府+行政府[役所:警察と軍も含む])
ということ。
 国は三要素により構成され、国の一要素である国家は三要素により構成されます。
 日本語の不運からして国と国家を混同している人々が非常に多い。国countryと国家stateを混同してはならないのです。
 混同の例を示しましょう。National security は国民安全保障と記させれねばならないし、national strategy は国民戦略です。
 国家機構を守ることは"国民の道具"である国家の仕事ではなく、国民と国土を守ることが国家の役割なのです。国民の意志(その代表たる国会議員たちが媒介者)が戦略を決定して、決められた戦略を実施する"道具"が国家機構(実態としては中央政府)なのです。
 少し表現を変えて言いますと、国の方針は国民の代表である議会(国家の一構成要素)が法律の形で決めたり、内閣という行政府の長たちが閣議決定/政省令という"法律ではない"態様で決める⇒そして、国民の道具である国家は国民の意志に隷従するのが民主主義の国countryのあり方であります。
 そしてまた、政府と国家を混同してはなりません。国家(機構)において、中央政府は国家の構成要素の一つに過ぎないのであり、中央政府は法律と憲法に服従しなければなりません。
 中央政府(内閣)が法律/憲法に違反した悪例の1つを考えてみましょう。菅義偉総理大臣様は日本学術会議の候補者のうち六人を排除しました。管総理や自民党の気持ち(内閣の方針に反対する学者は日本学術会議のメンバーにしたくない)はよっく理解できますが - もちろんその感情に同感などしない- 内閣には国会が決めた法律の解釈を変更する権能/権限/法的権利は全くありません←日本国憲法が厳密にそのように定めている。立法府(国会)が定めた法律に内閣(中央政府)は服従せねばならないのに、内閣が法律に違反した事実は恐るべき事態であり、クーデターに近いことであります。
 なんと、話しが脱線しました。改めて確認します。国家は一国COUNTRYの国土と国民を守るための手段/機構/道具であり、国の主人は国民state(生き物すべて)であります。国の主人は国民であり国家はご主人様国民の奴隷/道具だという当たり前のことをくどくどと強調/確認してきました。
 再確認のため、J.F.ケネディー大統領の就任演説を引用します。
1961年1月20日に Kennedy は言いました
"And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you - ask what you can do for your country. "⇒ https://www.youtube.com/watch?v=PzRg--jhO8g
"国が貴方のために何ができるのかと問うのではなく、貴方が国のために何ができるのか問え"と。ケネディーの言葉における国は country です。国家 state ではありません。米国の場合は state は州と日本語で表記されており、それは間違ってはいませんが、米国の諸州は州議会/州政府/州裁判所(/州軍←政府の一部とみなせる)という国家の三要素を有してますから、米国の州stateはそれぞれが国countryだと云えます。The United States of America は実質的には countries により構成される one country 国なのです。

▼私の結論、客観的なつもり
1) 2016年大統領選挙にて、トランプ陣営がマネーで雇った企業による不正(違法ではなかった?)はあったと思う。ただし、クリントン陣営にもそれはあったと考える。両陣営とも不正をしなかったら、トランプが負けていたとは思わないし。それはわからない
2) 2020年大統領選挙において、郵便投票における"適法な不正"があり、その結果としてバイデンが勝利したと思う。激戦州の数値がベンフォードの法則から逸脱してたことが最大の根拠だ。思うのであり、証明は決して私にはできない
3)トランプ陣営の不服の申し立てに関して、激戦諸州の行政府/裁判所は郵便投票の本人確認などしっかりと検証するべきであった。それをした結果として、トランプが負けたなら仕方がない。しかし、しなかった。だからトランプも支持者も怒り心頭なのである。私も憤っている。
4) ベンフォードの法則から逸脱した得票数という事実は

▼言葉の解説
▽選挙における不正: 3種類
1)合法だけども不当(不正)
・米国の諸州で郵便投票の本人確認の規制が緩められたこと
 2020年大統領選ではまさにこれが民主党により実施されました。民主党は草の根の力が共和党よりも遙かに強いので、郵便投票の動員力が圧倒的でした。
・2016年大統領選でトランプ陣営が5000万人分のアメリカ人フェイスブック利用者の個人データを入手して、イギリスの選挙PR会社・ケンブリッジアナリティカが、このデータを利用してトランプ陣営と契約し、SNS上で有権者を操作したという疑惑。トランプ陣営はやったと確信してます。ただし、クリントン陣営もやっていたと私は思います。やった程度がトランプ陣営の方が莫大だったのかもしれません。

2)違法かつ不当(不正)
・投票用紙を偽造して死者名で投票するようなこと。買収することなど。バイデン陣営がこのようなことをしたとは私は思ってません。
3)違法かつ正当: これは現実世界にて無いでしょう

▽選挙のあるべき姿は適法かつ正当に
1)選挙運動そのもの
 例えば営利企業にSNSの操作をさせてはならない
2)投票のあり方
 期日前投票や郵便投票の本人確認は厳密にすること

3)器械による集計
 プログラムの不正操作とか集計結果自体の操作がないように厳密に政府が検査すること

2020年大統領選について、ベンフォードの法則からして不正があったと主張するトランプ派による解説は莫大にありますが、あえて取り上げません。日本人による日本語の解説を紹介していきます。

---------- 以下は鈴木貴博氏による詳しい考察と私のコメント -------------
ここからが大切!
【1】過去の選挙結果とベンフォードの法則
『米大統領選は不正だらけ」根強い都市伝説を裏付ける奇妙な証拠』
  by 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 (2020/10/16)
    この記事は2020大統領選挙の★前★!!!
 →https://diamond.jp/articles/-/251443
 ↑のところに日本の市町村の人口が法則にきちんと従っていることが示されてます。次ぎ、2020年の東京都知事選の22人の候補が、東京都の62の市区町村でそれぞれどれだけ得票したのか→ https://diamond.jp/articles/-/251443?page=2
"「選挙関係者がこっそり不正を行うと、その結果、統計データがベンフォードの法則から外れてしまう」ということです。実際、ベンフォードの法則は、企業の粉飾決算から独裁政権での選挙不正まで、さまざまな疑惑を発見するツールとして使われています。"
アメリカの大統領選挙で一番の激戦だったと言われるのが、2000年のブッシュ候補対ゴア候補の選挙戦でした→https://diamond.jp/articles/-/251443?page=3
"結果的には、271対266の僅差でブッシュ大統領が誕生するのですが、そのわずかな差が生まれたのはフロリダ州でした。この州でブッシュ候補が291万2790票を獲得したのに対して、ゴア候補が291万2253票と、わずか537票差でブッシュ候補が勝ったのです。 実は、最初の集計では1784票差だったところ、州の規程で機械による再集計を行った段階で約1000票まで差が縮まり、そこから手作業で確認をし、537票まで差が縮まったところで裁判所がそれ以上の再集計に中止命令を出しました。中止命令が出た段階で、すでに現場では150票差まで接近しており、きちんと再集計をしたらゴア候補が勝っていたのではないかと、今でもアメリカでは都市伝説として囁かれています。"
"実際にフロリダ州で見ると、ベンフォードの法則の出現確率13%に対して「3」の構成比が17%とかなり高くなっていることがわかります。"
"フロリダ州の結果のうち、一番上の数字が「3」になっている郡で、「3」のお陰で最終的にブッシュ候補が優勢で終わったのが8つの郡、ゴア候補が優勢で終わったのが4つの郡でした。結果から邪推する人は、「もし末端の集計所で何らかの不正があったならば、ブッシュ候補に有利なケースの方が多かった」と捉えるかもしれません。"

【2】2016大統領選とベンフォードの法則
これはトランプ対クリントンの対決。私は2020年大統領選ではバイデン側の不正があったと確信してますが、以下の示すのは2016年選挙ではトランプ側の不正があったことを示唆する記事です。
『トランプ再選もあり得る?「SNS選挙戦」の恐るべき進化ぶり』
 イギリスの選挙PR会社、ケンブリッジアナリティカによる違法選挙介入の疑惑です。  by 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 (2020/10/9)
    この記事は2020大統領選挙の★前★!!!
   → https://diamond.jp/articles/-/250803
"さて今回は、トランプ候補が多用するツイッターなど、SNSについての話をします。実は、トランプ氏が当選した2016年のアメリカ大統領選挙が、操作されたのではないかという疑惑があります。イギリスの選挙PR会社、ケンブリッジアナリティカによる違法選挙介入の疑惑です。"
"ケンブリッジアナリティカ事件を簡単におさらいすると、イギリスの研究者経由で5000万人分のアメリカ人フェイスブック利用者の個人データを入手したイギリスの選挙PR会社・ケンブリッジアナリティカが、このデータを利用してトランプ陣営と契約し、SNS上で有権者を操作したという疑惑です。
 事件の発覚を受け、2018年にケンブリッジアナリティカが事業を停止した結果、この事件の詳細は未解明に終わっています。つまり、不正行為が選挙戦に影響を及ぼしたのかどうか、公式には結論が出ていません。"

【3】2020大統領選とベンフォードの法則
-『米大統領選でやはり「不正」があったかもしれない、ちょっとした状況証拠』
  by 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 (2020/11/13)
https://diamond.jp/articles/-/254093?page=6
"そこで一応、最終盤の激戦5州だけをピックアップして、開票結果がベンフォードの法則からずれているかどうかを見てみましょう。"
"ふうむ、トランプ陣営の票は比較的自然に分布していますが、バイデン陣営はややというか、結構不自然ですね"
"最後に、木村太郎さんが悔しがったミシガン州とウィスコンシン州についても数えてみます。" ←やはり不自然なのでした
"ただし、このベンフォードの法則の分析をいくら緻密に行ったとしても、法廷闘争でトランプ大統領が再選される可能性はまずないでしょう。状況証拠によって判断しないのがアメリカの裁判です。
 そして、具体的な不正の証拠が見つかるためには、各州の選挙において絶大な権力を持つ州知事の協力が必要です。再集計を真っ先に表明したジョージア州知事と、激戦州の1つであるアリゾナ州知事はトランプ大統領と同じ共和党ですが、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、ネバダ州、ミシガン州、ウィスコンシン州の州知事はすべて民主党です。
 つまり、法廷闘争に訴えても証拠不十分で時間切れとなり、今回の選挙はバイデン新大統領で決まり、という結論になるはずです。"

【4】フランスの知性を代表するエマニュエル・トッドによる2020大統領選挙の解説
 ★★以下の1)~5)を読んで欲しいの方々の範疇を列挙します
 ・バイデン勝利を歓迎している方、トランプ敗北にがっかりしている方
 ・2020大統領選でバイデン陣営の不正はなかったと確信している人
 ・2020大統領選でバイデン陣営の不正は有ったと確信している人
 ・日本共産党支持者、自民党支持者、立憲民主党支持者
 ・安倍晋三/管義偉支持者、安倍晋三/管義偉を軽蔑する人達
 ・経団連所属の巨大守銭奴企業の正社員、中小零細企業の経営者と社員
1)「トランプ再選」がアメリカのために必要な理由』
 by エマニュエル・トッド 2020/10/20
https://bungeishunju.com/n/n53f9af4e2a9f?fbclid=IwAR0qn3mwjwC6pof_mRVEA09xzeKHRXoI5nS5uQgZ0ynOKLhoIUJlUriHjxw

2) 『「トランプ氏は真実を語った」 エマニュエル・トッド氏』 2016/11/17→ https://www.asahi.com/articles/ASJCJ4V6CJCJUPQJ006.html

3)『「左派高学歴エリートは語義矛盾の存在になり果てた」それでも“トランプ再選”が世界のためになるワケ』 
 by エマニュエル・トッド 文藝春秋の2020年11月号
https://bunshun.jp/articles/-/40984?fbclid=IwAR1uxF5lQI9pv41cOL87KOpvJLY7mmxIIxutrVVePmh4rRYqeqh0I49FAYg

4) 『「それでもトランプは歴史的大統領だった」バイデン民主党の“どうしようもない空虚さ”の正体
 by エマニュエル・トッド 2020/12/16(水)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8106b1db263a6c4c1be11687dbf4aa4fddb7d903

【5】施 光恒氏によるトランプとエマニュエル・トッドについての言説
1) 『【施 光恒】トランプ再選を望むトッドの議論に共感』
 by 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学 2020/10/24
https://38news.jp/politics/16939
"欧米の知識人はだいたい反トランプのようですね。私の知人の米国人の大学教員も、トランプの批判ばかり口にします。
そうしたなか、著名なフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、今月号の『文藝春秋』(2020年11月号)に「それでも私はトランプ再選を望む」というタイトルの論説を寄せています。トッドは、自分はリベラル派(左派)であると昔から公言している人ですが、今回はトランプ再選のほうがいいと論じるのです。
トッドは、トランプ自身については「下品で馬鹿げた人物」であり、個人的に「許容できない」と言います。しかし、トランプをそう批判するだけで事足れりとしてしまっては、米国社会の現実を見誤ってしまうと指摘します。"
"トッドは次のように書きます。
「高学歴エリートは、『人類』という抽象概念を愛しますが、同じ社会で『自由貿易』で苦しんでいる『低学歴の人々』には共感しないのです。彼らは『左派(リベラル)』であるはずなのに、『自分より低学歴の大衆や労働者を嫌う左派』という語義矛盾の存在になり果てています」。
トッドは、左派であるはずの民主党は、本来、庶民層・貧困層の人々を切り捨てるのではなく、彼らに共感を寄せ、彼らの生活を改善しうる経済政策を考えなければならないと述べます。
しかし、民主党は、利己的な高学歴エリート層に乗っ取られており、人種問題やLGBTなどイデオロギーばかりを論じて、「自由貿易」こそが格差を拡大し、社会を分断しているという経済の現実を見ようとしない。実質的には、民主党は、白人の庶民層や貧困層だけでなく、実際のところ、黒人の大半の人々(多くは貧困層)も阻害してしまっているというのです。
トッドの民主党批判は厳しく、次のようにも論じます。
(民主党は)「『経済』という真の問題から逃れるために、「黒人問題」を「道具」のように使っている。……言い換えれば、民主党は、「人種問題」ばかりに固執することで、本来、必要な「自己変革」をせずに済ませようとしているのです」。
トッドは、庶民層、貧困層の状態を改善し、米国社会の経済的・イデオロギー的分断を解消するには、高学歴エリート層や彼らが主な支持層の民主党の側に「意識変革」が必要であり、そのためにはトランプを再選させた方がいいと論じるわけです。"
"日本の平均賃金(2019年、38617ドル)は統計によると、最近は、OECD諸国中24位とかなり下位になっています。イタリアよりも低く、G7のなかでは最下位です。アジアでは韓国(2019年、19位、42285ドル)よりも低くなっています。"
"このように、新自由主義に基づくグローバル化路線のため、各国の政治や経済のあり方は「経世済民」の理念から大きく外れ、各国の大部分の人々にとって明るい未来を感じさせるものになっていません。
そのことを認識し、影響力のある米国大統領選挙でトランプ再選をあえて願い、自由民主主義諸国の現在の市場経済のあり方に反省を迫りたいというエマニュエル・トッドの議論には、大いに共感します。米国大統領選が、世界の政治や経済の流れが変わるきっかけとなることを願います。"

2) 『【施 光恒】なぜトランプ大統領は「知識人」に嫌われるのか』
 by 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学 2021/1/8
https://38news.jp/politics/17397
"2月26日に、東洋経済新報社から興味深い翻訳本が出ます。
ヨラム・ハゾニー『ナショナリズムの美徳』(庭田よう子訳)という本です。解説を、中野剛志さんと私が書きます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4492444602
著者のハゾニー氏は、1964年生まれのイスラエルの政治哲学者であり聖書研究家です。本書の原書は2018年に出版されています。
この本は、米国の昨今の保守の動向を理解するうえで重要な本です。例えば、政治ジャーナリストのダニエル・ルーバン氏は、いわゆる「ネオコン」(新保守主義)や新自由主義に替わる新しい保守主義の潮流を代表する人物としてハゾニー氏を挙げています。https://newrepublic.com/article/154531/man-behind-national-conservatism
また、トランプ政権の政策を理解するためにも、本書は必読です。トランプ政権の国家安全保障会議(NSC)の報道官を務めたマイケル・アントン氏は、2019年4月に「トランプ・ドクトリン――政権内部の人間が大統領の外交政策を説明する」という論説を『フォーリン・ポリシー』誌に発表しました。
https://foreignpolicy.com/2019/04/20/the-trump-doctrine-big-think-america-first-nationalism/
この論説で、トランプ政権の外交政策の理論的な基盤とされ、何度も引用されていたのが、本書でした。
三橋貴明さんもよく話していますが、私も、現在の各国の政治や経済を理解するうえで一つのカギとなる観点は「ナショナリズム vs グローバリズム」だと思います。"

"私は、ハゾニーの議論を念頭に置くと、トランプ大統領がなぜ大手マスコミや大学人などの「知識人」に特に嫌われるのかあらためてよくわかった気がします。
トランプ大統領は、グローバリズムを退け、「多数の国々からなる世界」を信奉するナショナリストです。それゆえ、EU統合の深化や、グローバル市場や国連中心主義の実現こそ、人類の進歩だと考えるグローバリストや地球市民的傾向を持つ人々(多くは「知識人」と自認する人々)から、嫌われるのでしょう。そういった人々からすれば、トランプ大統領は野蛮で未成熟で後ろ向きなのです。
しかし本当にそうでしょうか? 本書では、ナショナリストのビジョンの正当性を、ハゾニーは丁寧に説明していきます。私はハゾニーの議論から学ぶべき点が多々ありました。「多数の国々からなる世界」という理想的世界像は、再評価に値するものではないでしょうか。
トランプ大統領の政策は、ハゾニー流のナショナリストの色彩が濃いものです。
例えば、トランプ大統領は2019年の国連総会の演説で次のように語りました。この演説は、多くの人々の共感を呼ぶものではないでしょうか。(欧米や日本のマスコミはほとんど報じませんでしたが…)。
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-74th-session-united-nations-general-assembly/
「愛するわが国と同様に、この会議場に代表を送っている各々の国はそれぞれの歴史と文化と伝統を慈しんできました。それらは守り、祝福するにふさわしいものですし、我々に並外れた可能性や強さを与えるものでもあります。
自由な世界は、各国の基盤を大切にしなければなりません。国々の基盤を消し去ったり置き換えたりしようなどと試みてはなりません。
……あなたがたが自由を欲するならば、祖国を誇りに思いなさい。民主主義を欲するならば、あなたがたの主権を大切にしなさい。平和を欲するならば、祖国を愛しなさい。賢明なる指導者たちはいつも自国民の善と自国を第一に考えます。
未来はグローバリストたちのものではありません。愛国者たちのものなのです。主権を持ち独立した国々こそ、未来を有するのです。なぜならば、このような国々こそ自国民を守り、隣国を尊重し、そして各々の国を特別で唯一無二の存在にしている差異に敬意を払うからです……」。
昨日(1月6日)に、バイデン氏が次期大統領として米国議会で正式に認定されました。(大統領選での非常に多くの不正の疑惑が、ほぼまったく調査されなかったことは非常に残念ですし、バイデン政権の民主的正当性は弱いものとなってしまうでしょう)。トランプ大統領は政権を去ることになり、おそらくグローバリストの政治が米国で、そして世界で今後しばらくまた優勢になっていきます。
それにともなって、経済的格差の拡大、民主主義の機能不全、エリートと庶民の間の分断といったグローバリズムが生み出す問題がますます悪化していくはずです。
グローバリズムを冷静に評価するためにも、グローバリズムではないナショナリズムの世界像、つまり「多数の国々からなる世界」像を、意識しておくことは重要だと思います。
その意味で、ハゾニーの『ナショナリズムの美徳』は重要な本です。出版されましたら、ぜひ読んでいただければと思います。
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