見出し画像

30代男性の【親から自立したい】をコーチングするとしたら? 

😞 今回は、相談者が「親から自立したいと願う」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#182

 30代の独身男性。親とのこれからについて考えています。私は一人っ子で幼少から両親に溺愛され、自分もその愛に甘えて自立できず、ずっと親に守られて生きてきました。今まで、人生の中心に両親がいたように思います。

 自立しようと就職してからは、実家を出て遠方で生活していたのですが、常に両親のことが気になり、2週間に1度は実家に戻る始末。そのうち、仕事の関係で地元が勤務地となり、実家に戻りました。

 両親は本当に優しいのですが、こんな自分のことを当たり前ですが子どもとしてしか見てくれません。遠方にいる時も毎週電話がかかってきて、心配させていることが心苦しく感じることもありました。

 親から離れたいけれども、離れる踏ん切りがつきません。この年でこんなことを問うのは情けないのですが、両親との距離は普通どう置くのでしょうか。自立するために、どう心構えすべきなのかをご教示いただけませんか。(京都・H男)

(読売新聞2022年10月14日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・自分は一人っ子で幼少から両親に愛され、自分も甘えて自立できず、ずっと親に守られて、人生の中心に両親がいるような生き方をしてきた。

・自立しようと就職後は遠方で生活したが、常に両親のことが気になり、2週間に1度は実家に戻っていた。そのうち、地元勤務となり、実家に戻った。

・両親は、自分のことを子どもとしてしか見てくれない。親に心配させていることが心苦しく感じることもある。

・親から離れたいが、離れる踏ん切りがつかなくて、困っている。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・親から離れる踏ん切りをつけて、自立したいが、両親との距離をどう置くのか、自立するために、どう心構えすべきなのかを知りたい。

▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが叶わない、願いごとが不明確

  • 相手(両親)に振り回されている

  • 「自立できない自分」に自分が振り回されている

🚩 ①相手の困りごと、願いごとを受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・自分を深く愛してくれているご両親から、自分の年も年で、自立しようと努力しているが、親から離れる踏ん切りをつけることができなくて、困っていらっしゃるということですね。

・あなたご自身として、「自立した、自分が中心の生活」「自立した場合の親との距離の取り方」などについての具体的なイメージがわかないということも、「自立の踏ん切りがつかない」という理由の一つかと思われます。

・そこで、非常に、極端で、失礼なことかもしれないのですが、わかりやすくイメージしていただくために、あえて考えていただきたいのですが、

もし、仮に、ご両親が交通事故か何かで亡くなられたとしたら、大変なショックでしょうが、一方で、やがて、その大きなショックを乗越えて、あなたは、今とは違う、どのような生活を、具体的にしていくことになるでしょうか。

経済面、日常の衣食住の面、職場や仕事生活、プライベートでの生活や人間関係の面、あなたのご結婚なども含めた、将来の生活設計、人生設計などの点で、具体的に、どのように暮らしていくことになるでしょうか?

そして、亡くなったご両親との関係は、どのような対応をされていきますか?

・ちょっと極端な仮定のことを考えていただき、難しい、答えにくい質問で、申し訳なかったかもしれませんが、あえて、このような質問に対して、具体的に答えていただけたとしたら、その答えの内容が、究極的で、わかりやすい、あなたの「自立した、自分が中心の生活」であり、究極的な「自立した場合の親との距離の取り方」について、それらの一面を示唆してくれるのではないかと思います。

・上で考えていただいたことは、今のあなたの状況とは逆方向の、1つの極端な場合のことですので、現実的には、それらの中間のいずれかというあたりが、あなたの「自立した、自分中心の生活」、「自立した場合の親との距離」ということになると思います。

また、「自立した、自分が中心の生活」に至るにあたって、時間的な余裕もあると思います。

あくまで、あなたの「自立した、自分中心の生活」を具体的にイメージする一つのアイデアとして、上のような極端な質問をさせていただきました。

・ところで、あなたの場合には、「あなたの親離れ」と「ご両親の子離れ」という、あなたとご両親の双方に課題があるのかもしれませんが、とりあえず、あなたにできることは、あなたが決心して、あなたの側から「親離れの行動」をとることかと思います。

・ところで、そのためにお伺いしたいのですが、あなたの「親から自立したい」という本気度は、最大を10点、最低を1点としたとき、何点位ですか?

本気度の点数が、9点以上くらいないと、「子を手放したくない両親」を乗越えて、「親からの自立」を実践することは難しいと思います。

・ご自身の本気度を確かめ、その意志を固くすることが先ず必要なように思います。

・以上のようなことを、自問自答されて、どのようなことを思われましたか? 叉、どのようなことに気づかれましたか?

どんなことでも、よかったら、お話しください。


✅参考:回答者(藤原智美さん)の言葉です💖

 親子の距離のとり方は千差万別で、そこに「普通」や正解はありません。同じ親子でも、時とともにその関係は変化します。

 私が30歳の頃は、あなたと同じ独身で、ライターの仕事と映画館通いで毎日が手いっぱい。親元へは年に2度ほど、戻るだけでした。

 人は青年期に入ると、たいていの場合、自分の仕事、恋愛、結婚生活、趣味などに忙しく、家庭の外に交友関係も広がるので、自分の親に向ける気持ちや時間は、おのずと減ります。

 ご両親はあなたを強く束縛して、家に引きとめているわけではありませんね。すでに自覚されているように、あなたの不安の源は、親離れできていない自分の方にあります。

 親が「子どもとしてしか見てくれない」のは、あなたが親離れできていないのだから、当たり前です。ご両親も内心、心配されていると思いますよ。

 問題は親子の距離ではなく、自身の精神的な自立です。家の外に夢中になれるような場を築いてください。家族以外の心許せる仲間や恋人をつくり、あなたが充実した時間を過ごすことが、一番の親孝行です。

(読売新聞2022年10月14日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

 😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい。人間関係、結びつき、親密、メンバーの一員など)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい。コントロール、達成、競争、影響力など)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい。自立、移動、選択、創造など)

  • 楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい。面白い、喜び、笑い)

  • 生存の欲求(生存に必要なことを満たしたい。安心、安全、健康、生殖など)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って、自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・効果的な行動を選択するために、「自分が満たせていない基本的欲求(ニーズ)が何か」を、自分に問いかけましょう。

🌻 選択理論の第2の原理 
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わる」と考える)

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていること、に気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしている、と考えましょう。

・同じ行動をするなら、いやいやでなく進んで行動をする方が自分のコントロール感も高く、自由度も広がる、と考えましょう。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人の基本的欲求やニーズや価値観を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

相手も、あなたとの関係で、相手のどのような基本的欲求やニーズ、価値観が満たせていないか、について考えてみましょう。

・相手の大切な基本的欲求やニーズ、価値観を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、貢献しましょう。

・相手が相手の基本的欲求やニーズ、価値観を満たせるような、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。

 
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるか、を具体的に考えてみましょう。

・相手は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるか、を具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手(両親)との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない)関係でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)を考えてみましょう。

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのか、考えてみましょう。

・相手(両親)はあなたとの関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(立ち対置をどこにするのか)を考えてみましょう。

そして、そうであることによって、相手は自分とどのような関係を得たいのか、を考えてみましょう。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指します)

そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。

・いやがるもう一人の「自分」を無理に変えようとしても、「自分」の抵抗を生み、自分の「自分」との関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするか、を考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切な基本的欲求やニーズ、価値観が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動の自己評価と、これからの行動プラン
・自分が願っていることを実現するために、今どんな行動をしているか、それを続けていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるか、を考えてみましょう。

・「願いごとを実現するために、今、自分はどんな行動をとっているか」
「今している行動を続ければ、願いごとや欲求が満たされるだろうか」
という、自分の行動や状況の「自己評価」を口癖にしましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うどんな行動をするだろうか」という具体的な行動を考えてみて、それらを先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

🌸<選択理論でコーチング塾のご案内>

将来に向けての、自分の社会活動のプラットフォームとして、「選択理論でコーチング塾」のサイトを立ち上げました。選択理論とコーチングについても、わかりやすく紹介しています。よかったら訪問してみてください。

「選択理論でコーチング塾」へはこちらからどうぞ


「選択理論でコーチング塾」へはこちらからどうぞ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?