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✅50代女性【義母の介護巡り、夫に怒り】を選択理論でコーチング人生案内#60

「50代のパート女性。夫と子ども2人の4人暮らしです。近くで独居する義母の介護をきっかけに、夫への怒りが爆発しました。」

 義母にとって私の夫は理想の男性のようです。義母はおそらく嫉妬から、私たちの結婚直後から私に常軌を逸する暴言を吐き続けました。何度も夫に訴えましたが、不機嫌になって黙り込むだけでした。

 義母が老いても面倒をみたくなかったのですが、現実的には放っておくわけにもいかず、義姉と私が協力して介護しています。ところが先日、夫が義母に優しい言葉をかけるのを見て、今まで義母から私を守ってくれなかった夫への怒りがこみ上げました。長年どんなに耐えてきたか訴えたところ、「離婚に応じます」と。私は、謝罪と感謝の言葉が聞ければ収まったのに。なぜ離婚を言い渡されなければならないのでしょうか。(東京・O子)

(2022年3月19日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・義母を義姉と協力して介護しているが、自分に暴言を吐き続けてきた義母から、自分を守ってくれなかった夫に、自分が長年どんなに耐えてきたかを訴えたところ、「離婚に応じます」と言われ、なぜ、自分が離婚を言い渡されなければならないのかがわからず、困っている。

相談者の「願いごと」

・自分に暴言を吐き続けた義母に、長年、耐えながらも、義母の介護に協力している自分に対して、夫から、謝罪と感謝の言葉が聞きたい。

・夫が、義母に優しい言葉を掛けるように、自分にも優しい言葉を掛けてほしい。

【ふだん使いがしやすいコーチングモデル】

①「いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を
生み、人間関係が遠ざかるだけ」と考えましょう。

②「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。


【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「自分が長年、どんなに耐えながら、今も義母の介護に協力していること」に対して、夫に謝罪と感謝の言葉を言わせたいが、言ってくれなくて、困っている。(相手を変えたいが、変わってくれなくて、困っている)

・「謝罪も感謝も言わず、逆に、離婚を言い渡す夫」に、自分が振り回されて困っている。

 

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

 

【心に響く回答者(山田昌弘さん)の言葉】


 おつらい状況ですね。心の広いあなたが許そうと思ったのに、一気に崩れたのですね。あなたのやさしさに、つけ込まれている状況ともいえます。

 あなたのご夫君が離婚を言いだしたのは、本気ではないと思います。離婚してもパート収入ではあなたが生活できないことを見越しているのでしょう。つまりは、脅しです。これは、明らかにDV(配偶者からの暴力)に相当します。

 まず、地域の女性センター等に相談することです。どのような状況なのか、何をどんな時に言われたのかを訴えてください。ただ、相談しても、すぐに状況が変わるアドバイスを得られるとは限りません。

 とすれば、今すぐは経済的に無理でも、将来の別居、離婚を見越して準備をすることはできます。まず、お子さんたちに少しずつ事情を話して味方につける。理由をつけて、義母の世話は少しずつ減らしていくなどです。財産分与の話になった時に有利になるように、何か言われたら内容を記録しておいてください。

 日本にはいまだに、あなたのように経済的理由を背景に、夫から不当な扱いを受けて苦しんでいる女性がたくさんいます。早くそのようなことがなくなるよう祈っています。

(2022年3月19日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・今回の相談は、このまま「結婚関係を続けたいという相談」ですか、それとも、「離婚も視野に入れた相談」でしょうか?

・一応、「離婚をするつもりはない」という前提で進めますが、今回の件で、あなたにとって、「解決した状態」とは、どういうものでしょうか?
なにがどうなったら、「解決した状態」となるのでしょうか?

・長年、義母から自分を守ってくれなかった夫ということですが、そんなご主人と、今まで離婚せずに、何とかやってこれた理由には、どういうことがあるのでしょうか?

・いろいろとご不満はあると思いますが、それはそれとして、逆に、「あなたが今の生活から得ることができているもので、これからも失いたくないもの」には、どういうものがありますか?

・「あなたが何とか今までやってこれた理由」、「あなたが今得ているもので失いたくないもの」などを考えたとき、それらに対して、ご主人の貢献はどのくらいあるのでしょうか? 全くゼロですか?

 ここでは、ご主人からあなたへの感謝の言葉があったかどうかは、それはそれとして置いておいて、あなたからの「ご主人への感謝」は、これまでどのくらい具体的に言葉に出して、されてきましたか?

・あなたは、ご主人に、感謝の言葉だけでなく、「謝罪」も求められていますが、ご主人の側としても、ご主人なりの何らかの理由で、あなたに「謝罪」を求めているとしたら、謝罪できそうですか?

・ご主人から見たとき、「妻としてのあなた」は、どういうふうに見えているのでしょうか? また、ご主人は、どういう妻であってほしいと願っていらっしゃるのでしょうか?

・これまで、あなたが、「自分に暴言を吐き続けてきた義母」や「義母から守ってくれなかった夫」に対して、あなたとして「精一杯の忍耐と努力」をされてきたことは、それはそれとして、たいへんなことだったと思います。

 しかし、「離婚に応じます」とまで言っているご主人に対して、怒りと不満をぶつけ続けて、ご主人が変わってくれる可能性はありそうですか?

・もし、これからも、あなたが「結婚関係を続けたい」のであれば、「結婚関係を今よりも良くする、少なくとも悪くしない」ために、ご主人がどう行動されるかについては置いておいて、あなたが、自分の側で出来るような、役に立つ行動や考え方、見方には、どのようなものがあるでしょうか?

 「ご自分を癒やすこと」、「ご主人への言動」も含めて、思いつく限り、挙げてみてください。
 そして、そのうちのいくつかを、すぐにでも始めて見ませんか?

・ところで、例えば、「10年後」は、どうなっているでしょうね? 
もし、あなたが望んでいるとおりの「10年後」になっていたとしたら、「10年後のあなた」は、今のご自分に対して、どんなアドバイスをしてあげたいですか? ちょっと、難しい質問かもしれませんが、考えてみてください。

・また、今回の件を、お子さんたちは、どのように見ておられるのでしょうか? 聞いてみたら、どのような答えが返ってきそうですか? 

 以上は、相談者が「結婚関係を続けたい」という前提での「私の質問」です。


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。



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