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✅40代女性【息子を無視する甥】を選択理論でコーチング人生案内#80

「40代女性。小学校高学年の一人息子と、義妹の息子で中学生のいとことの関係で相談します。」

 昨年末、2年ぶりに夫の実家へ行き、この子と会ったのですが、息子はほとんど無視されていたそうです。他のいとことは仲良くしていましたが、無視された子に一番の親近感を抱いていたため、残念な気持ちが強いようです。また、その子は非常にきちんとした子に見えるため、大好きな祖父母から、よくできた子などと褒められていることにも納得がいかないようです。

 夫は、器の小さい人間だと思えと言います。義父母に伝えても、ことを荒立てるだけかもしれませんが、息子が気の毒で、何かできないかという気がします。一人息子のため、その子は私たちの死後の頼りになると思っているので、なおさらです。子ども同士のこととして、静観すべきでしょうか。(秋田・L子)

(2022年4月13日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。


【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・小学校高学年の息子のいとこである中学生が、息子を無視して仲良くしてくれないので、息子が気の毒で、二人の関係のために、何か出来ないか、それとも静観すべきかなどと迷って、困っている。

相談者の「願いごと」

・いとこの中学生が、息子と仲良くしてくれて、私たちの死後、一人息子のの頼りになる存在になってほしい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」
と考えてみましょう。

②「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。

③「相手が満たせていない相手にとって大事なニーズ
や価値観が何か」を考えてみましょう。

 

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・いとこの中学生が、息子と仲良くしてくれて、私たちの死後、一人息子のの頼りになる存在になってほしい。(相手に変わってほしいが、変わってくれなくて困っている)

 

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

 

【心に響く回答者(藤原智美さん)の言葉】

息子がかわいそうで、何とかしたいというあなたの気持ちは、よく分かります。

 でも、血縁で年齢も近い男の子同士だからといって、仲良くなるとはかぎらない。今の10代は、わずかな年齢差でも興味や考え方が大きく違います。中学生ともなれば、休日でもSNSに夢中という子も多い。 甥 があなたの息子を無視したのは、自分の時間を優先した結果かもしれません。

 甥が年下の息子をないがしろにして、大人にだけいい顔をする。そこが許せないのなら、あなたの夫の「器の小さい人間だと思え」という言葉につきます。今さら事を荒立てても、わが子のためにはなりません。

 遠い将来を見すえて、あなたは甥に、息子の「兄」のような役割を期待していましたか? けれど、親族の数が減り、相互の結びつきが薄れている今、それは難しい注文ですね。

 息子さんにはこう伝えてください。

 「この経験を忘れず、さびしそうにしている人に声をかける、思いやりのある人になってほしい」

 今回、彼は人間関係の難しさ、厳しさを、子どもなりにも学んだはずです。これを糧として、息子さんが他人の気持ちが分かる、やさしい大人に成長されることを願っています。

(2022年4月13日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・息子さんは、ご両親に、いとことの関係について、何か手助けしてほしいと思っているのでしょうか? それとも、話を聞いてほしいだけと思っているのでしょうか?

・いとこの子は思春期の中学生で、本人の中で色々な思いや感情があるのかもしれません。「息子さんの問題」というより、「思春期のいとこの子の問題」なのかもしれません。その子が息子さんを無視するのも、息子さんと関係の無いところで、本人の中に満たされない「何か大切ニーズや価値観」があるからかもしれません。

・あなたが、「私たちの死後、一人息子の頼りになる存在になってほしい」と思っていることが、今、いとこの子に伝わったとしたら、その子はどう思うでしょうか? 長い目で見て、いかが思われますか?

・義父母に、例えば、いとこの子の態度について不満を言っても、「息子と仲良くしてくれるようにいとこに話してほしい」とリクエストしたとしても、いとこの子には、どのように伝わるか、いとこの子がどのように受け止めるかはわかりません。強制されているように受け止めれば、よけいに関係が遠ざかるかもしれません。

・ご両親として、息子さんのことを信じ、励まし、話をよく聴き、息子さんを支えて、大人として必要なときには、必要な介入をする、という態度で、長い目で、余裕を持って対応されたとしたら、息子さんは、そのようなご両親をどのように思われるでしょうか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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