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✅80代女性【80代の夫 お金くれない】を選択理論でコーチング人生案内#76

「80代の女性。同じ80代の夫がお金をくれず、生活に余裕がありません。」

 夫がお金を出し渋るようになったのは、私がパートで働き始めてからです。家の管理費や、朝と昼の食事代を払っているのだから、夕食代はお前が払えと言い出しました。冷蔵庫を買った時は3分の1を私に払わせ、洗濯機や掃除機などの家電はすべて私に買わせました。今はなくなりましたが、「生活分担金」として、毎月5000円を取り立てられた時期もありました。そのくせケチで、家の雨漏りも直しません。

 退職金がいくらあったか知りませんが、そのうちの1000万円はゴルフ会員権の購入にあて、私には1円もくれませんでした。夫の現役時代、子育ても親の介護も私ひとりで頑張り、家を支えたのに……。

 私の年金は少なく、夫の3分の1しかありません。夫の年金や退職金から少しでもお金をもらうことはできないでしょうか? 反省もしてほしいです。この頃、これは虐待なのではないかと思うこともあります。(大阪・B子)

(2022年4月7日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。


【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

80代の夫がお金をくれず、生活に余裕がなくて、困っている。

相談者の「願いごと」

・自分の年金は少なく、夫の3分の1しかないので、夫の年金や退職金から少しでもお金をもらいたい。

・子育ても親の介護も私ひとりで頑張り、家を支えてきたのに、退職金からは1円もくれず、今も自分の方が年金が多いのに、何かと費用を負担させて、妻に虐待みたいなことをしていることを反省してほしい。(推測)

【ふだん使いがしやすいコーチングモデル】

①「自分には、自分が幸せになるために行動する責任
がある」と考えてみましょう。

②「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができる
だけ」と考えてみましょう。

③「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。

 

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・夫の年金や退職金から少しでもお金をもらいたいが、くれなくて困っている。(相手を変えたいが、変わってくれなくて困っている。変わろうとしない相手に、自分が振り回されている)

・夫が、これまで家庭を支えてきた妻である自分の貢献を認めず、今も自分の方が年金が多いのに、何かと費用を負担させて、妻に虐待みたいなことをしていることを反省させたい。(推測)(相手を変えたいが、変わろうとしないので困っている。変わろうとしない相手に、自分が振り回されている)

 

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

 

【心に響く回答者(樋口恵子さん)の言葉】

高齢ご夫妻の妻の側から「夫が生活費をくれなくて困っている」という訴えをよく聞くようになりました。夫が定年を迎えるまで忙しく働いていたために、その後長く続く年金生活の家計にまで目を向けて、相談し合う余裕がなかったのだろうと想像します。

 しかし、今や定年後の夫婦の暮らしは、20年以上続くことが珍しくありません。この際、「今後の家計についての方針会議」を開いて、はっきりと合意事項を書き留めておきましょう。

 夫君はきっと現役時代の給料に比べて少ない年金額に気落ちして、ケチな性分が露呈してしまったのだと思います。夫君に支給される年金は一般的に、配偶者の生活費が含まれています。その証拠に、離婚する時は夫の年金を分割して、一部を元配偶者のものにできる制度があります。

 あなたのおっしゃるように、極端に生活費を出し渋るようなケースは、一種の虐待とみなすことができると思います。相談機関は、自治体の無料法律相談など、様々あります。一度たずねるとよいでしょう。

(2022年4月7日読売新聞朝刊)


私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・ご主人に対しては、色々な不満があり、それも、あなたの立場からすれば当然のように思えます。ところで、色々な不満はあると思いますが、あえて、今の生活で、変わってほしくないこと、これは失いたくないと思うこと、これからも無くしたくないこと、というものにはどういうものがありますか? できるだけ多く挙げてみてください。

・もし、今の不自由な生活のなかでも、得ることが出来ていることもいくつかあるとして、そのことも踏まえたとき、あなたは今の状況をいつまでがまんすることが出来そうですか?

・どんな奥さんでも、あなたのご主人のような方に対して、不満を抱かれるのは当然のようにも思えますが、あえて、そのようなご主人の良いところを挙げるとしたら、どういう所がありますか。

・もし、何の制約もないとしたら、ご主人に具体的に、どんなリクエストをしたいですか? 今の状況で、そのようなリクエストをしたとき、ご主人はどのようなリクエストには応えてくれそうですか? また、どのようなリクエストは拒絶しそうですか?

・仮に、ご主人が拒絶したあなたのリクエストを、あなたが繰り返し、強く要求し続けたら、ご主人はどんな行動や態度を取られるでしょうか? そして、それはあなたが望むようなことでしょうか?

・仮に、ご主人が変わろうとしないとき、あなたには、別居とか、離婚とかの選択肢があれば、それも考えてみられたらよいかと思います。今の生活を続けるメリットと、離婚や別居のメリットを比べてみることも出来るでしょう。

・ところで、あなたのご主人は、あなたのことをどんな妻と見ていらっしゃるでしょうか。また、どんな妻であってほしいと願っていらっしゃるのでしょうか。また、ご主人はどんな家庭であることを望んでいらっしゃるのでしょうか。

・以上のようなことを考えたとき、ご主人にリクエストはしてみるとしても、「相手がいやがれば、無理やり相手を変えることはできない」ということを受け入れる必要があるかもしれません。

 しかし、それはそれとして、あなたが自分の目を、「こんな状況の中でも、自分次第で、自分が自由にできることもいろいろある」というふうに、目の向けどころを変えることができたとしたら、それほど大きくないかもしれませんが、「あなたの自由な領域」でどんなことをしたいですか? もし、自分次第で実現できる願いごとことをいろいろ思いついて、それらを実現することが出来たとしたら、今の気分や状況から、何か変化はありそうですか? ご主人に対するあなたの見方やあなたの態度にも、もしかしたら、何か変化がありそうですか?

・以上のようなことを踏まえたとき、ご主人との関係の改善や、あなたの願いごとの実現のために、今後、ご主人とどんなコミュニケーションを取っていくことが役に立つでしょうか?

・また、もし、今の状況や、ご主人との関係が、今よりも良くなることがわかっているとしたら、とりあえず、どんなことを手始めにやってみたいですか。



今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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