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30代女性の【同居の姉と口きかず1年以上】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、相談者が「同居の姉の不機嫌に振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#166

 30代の女性。実家に同居している3歳年上の姉は気分の波が大きく、不機嫌になると極端に口数が減るのですが、もう1年以上口をきいていません。これまでも何度か同じようなことがありましたが、これほど長引いたのは初めてです。

 姉は中学時代に不登校を経験しましたが、その後、大学に進み、国家資格を取得して働いています。母は、そんな姉に対してよく立ち直ってくれたとの思いが強く、他の家族の気持ちよりも姉を優先します。

 数年前、私が彼を家に連れてきた時、姉はひどく不機嫌になり、以来、家で彼の話をしないことが暗黙の了解となりました。その後、こっそり彼が国家試験に合格したと両親に伝えると、翌日から姉は口をきいてくれなくなったのです。

 姉の機嫌に付き合う日々に疲れました。両親が姉を気づかうのは分かるので、気持ちをはき出せません。私が結婚して家を出た後、両親に老後の問題などが起きたら、どうなるのかと考えてしまいます。この先、どう過ごしたらよいでしょうか。(福岡・E子)

(読売新聞2022年9月10日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・同居の姉は気分の波が大きく、不機嫌になると極端に口数が減り、1年以上、口をきいていない。

姉は不登校を経験したが、立ち直り、今は国家資格を取得して働いているので、母は他の家族の気持ちより、姉を優先する。

・自分は、姉の機嫌に付き合うのに疲れたが、両親が姉を気づかうのは分かるので、気持ちをはき出せなくて、困っている。

・自分が結婚して家を出た後、両親に老後の問題などが起きたら、どうなるのかと考えてしまい、困っている。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・自分が結婚して家を出た後、両親に老後の問題などが起きたとき、どうすればいいのか、この先、自分は、どう過ごしたらよいのかについて、アドバイスがほしい。

▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが不明確

  • 相手や状況に振り回されている

  • かっとうに悩んでいる


🚩 ①相手の困りごと、願いごとの話を受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・お姉さんや両親のことを大事に考えて、家族の気持ちを優先し、そのために、いろいろと悩みをため込んでいらっしゃるようですね。

そんな、心の本当に優しいご自分を十分に思いやり、勇気づけてあげてください。

もし仮に、同じような悩みを抱えていらっしゃる友人がいたら、どのように接し、思いやりの言葉がけや、勇気づけをしてあげますか?

友人にしてあげたいことを、どうぞ、ご自分にもしてあげてください。

・ところで、お姉さんやご家族のことは、それはそれとして、今までのように、お姉さんの機嫌に振り回されることを、あなたがやめることができるとしたら、あなた自身にとっては、これから未来に向って、結婚のことを含め、生き方、働き方、お姉さんや、ご両親との関わり方など、何がどうなったらいいのでしょうか。

どういうふうになりたい、どういうふうにしたい、どんな生活ができるようになったら、あなたとして理想なのでしょうか? どんな自分でありたいのでしょうか? いくつでも、どんな小さなことでも、挙げてみてください。

・ご両親の老後のことは、まだ数年は先のことでしょうし、まずは、ご両親が考えるべき問題であると思いませんか?

・また、理想としては、お姉さんとは、どのような距離感、立ち位置で関われればいいのですか? そのような立ち位置、距離感を実現することができたとしたら、今と、状況はどのように変わってきそうですか?

・あなたが、これからの未来に向って願う生き方が、いろいろと実現していけたとしたら、あなたの生活状況や、あなたの考え方、いろいろな状況に対応していける力などは、例えば、10年後、どのように変化してそうですか?

・もし、これから先、あなたの願う生活が相当程度実現していけたとしたら、10年後のあなたは、ご両親の老後の問題にも、どのように対処できそうですか?

・ところで、ちょっときつい質問かもしれませんが、あなたのこれからの願いごとの実現に向けて、今、あなたは、どんな行動をとられているでしょうか? 今とっている行動で、いろいろな願いごとは実現できそうですか?

・あなたの願いを実現していくための行動をとれないように、邪魔をしているものは何かありそうですか? お姉さんやご両親が、あなたの行動を制限しているのでしょうか?

以上のようなことを、考えてみられて、どのようなことに気づかれましたか?

✅参考:回答者(海原純子さん)の言葉です💖

 年齢があまり離れていない姉妹は、時としてライバル関係になり、互いに憎しみ合うようになることさえあります。もしかしたら、姉にとって、あなたは両親からの評価を争うライバルになっているのかもしれません。

 あなたには、その不毛な競争から離れることをおすすめします。

 あなたはお仕事もなさっているようですので、一人暮らしをするという選択肢もあるでしょう。姉の機嫌によって自分の気持ちが左右されないように、精神的に姉との距離をつくることも必要です。

 あなたが結婚して家を出た後の両親の問題などについては、さらに先の先のことです。まだ考えなくてよいと思います。

 まずは、「今」自分ができること、つまり、「今」姉にふりまわされない自分をつくることに、エネルギーを集中なさってみてはいかがでしょうか。

 大切なのは、姉の機嫌でびくびくしない自分でいることです。そうしたあなたでいられれば、将来をおそれることなどないと思います。

(読売新聞2022年9月10日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

              😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)

2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・効果的な行動を選択するために、「自分が満たせていない基本的欲求(ニーズ)が何か」を、自分に問いかけましょう。

🌻 選択理論の第2の原理 
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・相手の外的コントロールに対する自分の抵抗や逃避も、そして、「自分」の気分や感情、生理反応、症状なども、「自分で自分を守るための精一杯の行動」なのだと捉えて、受けとめましょう。

🌻 選択理論における「人間関係」の重要性
人の長期にわたる心理的な問題(悩み、不幸感)の大部分は、その人が、現在の重要な人間関係で、満足できる関係を持てていないことに原因がある。

・人は、現時点で、一つ以上の満足できる人間関係が持てていなければ、幸せな生活を送れない。逆に、一つ以上の満足できる人間関係を持つことができれば、今よりも幸せになれる可能性がある。

・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。

・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。

🌻 「一番気になる人間関係」に気づいて、関係を改善する

・「今、自分が1番気になる人間関係」を、自分に問いかけましょう。

・「2番目に気になる人間関係」を、自分に問いかけてみましょう。

その人との現在の関係性で、自分の基本的欲求(ニーズ)がどの程度満たせていないか、叉は、満たされているかを考えてみましょう。

・自分の中の大切な基本的欲求(ニーズ)が何かに気づいて、それを満たせる行動をとりましょう。

・自分の中の基本的欲求(ニーズ)が満たせるような相手の具体的な行動を、相手にリクエストしてみましょう。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人のニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

相手が、あなたとの関係で、相手の中のどのような基本的欲求(ニーズ)が満たせていないか、について考えてみましょう。

・相手の中の大切な基本的欲求(ニーズ)を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、支援しましょう。

 
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

・二方向のかっとうでは、それぞれの極端を考えて見ることが、自分の望む立ち位置を明確にするのに役立ちます。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として、思いやり、励まし、勇気づけてあげましょう。
(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)

・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをしてあげるかを考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動とこれからの行動プラン
・自分が願っていることのために、今どんな行動をしているか、それをしていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるかを考えてみましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うこんな行動をするだろう」という具体的な行動を考えてみて、先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

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