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入院生活

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2020.8.20-2021.11.20 2023.3.30-4.26 暇を持て余しての日記。
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記事一覧

患者対応の意味

患者対応の意味

昨日に続いての、4月の入院中の話。

手前のベッドのおばあちゃん、肺炎起こしてるみたい。
「お茶飲ませてください」ってずっと繰り返してるけど、部屋担当じゃないスタッフたちは返事もせず、フル無視でオムツ交換や陰洗など業務だけして出て行く。
しまいにはおばあちゃん、「助けてください」と大声をあげるように。
そんなおばあちゃんを「静かにしてください!この病棟あなただけじゃないんです!」と注意していらっし

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自殺志願者のおばあちゃん

自殺志願者のおばあちゃん

下書きに残しっぱなしにしていた、4月初めの入院中の話。

昨日から同室になったおばあちゃん。
僕がその数日前に先に入院していて、おばあちゃんは、昨日の夜に入ってきた。病棟の消灯時間はとうに過ぎている。おそらく予定入院ではなく緊急入院だろう。看護師が何度も部屋を出入りしていて、こちらも気になって寝付けない。入院している病棟は形成外科、眼科、腎臓内科の混合病棟であり、まぁその中で言うなら、何かしらの事

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15ヶ月の入院を振り返って

15ヶ月の入院を振り返って

退院して1週間以上経つというのに、退院と同時に引っ越したこともあって、まだずっと忙しく落ち着かない。

車椅子では荷解きも想像以上に時間がかかり、
まだまだダンボールに囲まれながら、
日中は、訪看や訪問リハビリ、往診、
色んな人がひっきりなしにやってくる。
特別指示期間で毎日誰かが来るので、プライベートの人ともなかなか会えない。

新しい家だから懐かしさもない。
だからといって、入院中を懐かしむこ

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獲得と喪失と

獲得と喪失と

初めから歩けなくなった訳ではなかった。
去年の冬は歩けていたのだ。
だからこそだ。

意識が戻って当初はまだ、踵の骨折が治ってなかったからだろう、両下肢免荷の指示が出されていた。

指示が少しずつ緩んでいって、
座ってもいいよ、立ってもいいよ、と言われ。

練習してみたら、立てたし、歩けた。
ゆっくりとだけど、また出来るようになっていっていることを感じられた。

僕が取り戻すスピードよりも、
失わ

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人を憂う

人を憂う

坂道を登っていると、女性が後ろから声をかけてきた。
「上まで押しましょうか?」
善意で言ってくれてるのが分かる。
「え、いや、大丈夫です」
そう断ったけど、構わず押してくれた。
「あ、えと、すみません」
「全然!」

「ありがとうございます」
上まで登りきったところで相手にお礼を言って、また自分の手で漕ぎ始める。
いくら待っても、僕を押してくれたその人は、僕を追い抜かしてくれない。
不思議に思って

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たすける・佑ける・佐ける

たすける・佑ける・佐ける

横断歩道の真ん中におじいちゃんが落ちていた。

その場面に遭遇したのは、僕が散歩中のことだ。
退院に向けて少しでも体力をつけておきたくて、毎日PT終わりに病院の外を1周している。
坂道を登って下って、歩道の段差にも慣れておきたいし、横断歩道も時間内に余裕で渡れるようになりたくて、ルートに坂道も横断歩道も組み込んでいる。
車椅子を漕ぐのは案外腕力が要るものです。

今日の散歩。
横断歩道の真ん中にお

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ふみふみ

本日のリハビリ。
担当さんがお休みで、代わりの先生の日。

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反面教師さん

隣のお婆さんがしょっちゅう悪口を言っている。
担当看護師の言うことがとにかく気に食わないらしい。朝から晩まで、向かいのお婆さんを相手に文句を垂れ続けている。

自分のことは棚にあげて。

看護師さん、そんなつもりで言ったんじゃないのになぁ、身体のことでこうしてるだけなのに、ちゃんと説明さっきしてくれてたのになぁ、やることやらないでよくもまあ、ほんとに

向かいのお婆さんは「そらあんた、考えすぎやで

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ゆるやかな繋がり

ゆるやかな繋がり

Twitterで知り合ったお姉さんからのプレゼント。
キノコちゃん。
今もずっと床頭台に飾っている。
ベッドから目につくところで、これを見る度に気持ちがあったかくなって、むくむくと元気が出てくる。
よし今日もがんばろー、
筋トレとリハビリとこなして研究作業も進めるぞ、ふぁいとおーᐠ( ᐛ )ᐟ

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すぽーつ

知らないうちにオリンピックが始まっていたようで、知らないうちにオリンピックが終わっていたらしい。
え、日本どうでした?
オリンピックの種目って何ありました?

情報の取捨選択が偏っている為、
オリンピックに気づかなかったー。
ニュースも新聞も知らないうちに読み飛ばしてたようです、自覚がないんだから仕方ない。選択性注意なるものをひしひしと実感している今日この頃。

スポーツって純粋に感動を分かち合え

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当たり前になる

痛みや痺れはないですか
という聞き方と、
痛みや痺れは大丈夫ですか
という聞き方。

どちらにせよ、大丈夫ですと答えるのだけど。

ずっと痛いよ。
四六時中痛いよ。
触るだけで痺れが走る。
痙性が入る度に増強する。

でも自制内だから大丈夫。

痛みも痺れもないと思っていらっしゃるのかな

あるよと言ったところで、何かできる訳でもなし

ずっと痛いとね、
痛いのが当たり前になるから、
それが平常だ

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他人の幸不幸

バイクでの事故だったと言う。
自転車と衝突して、結果、自分は両足がなくなった。相手の方は骨折で済んだらしく、もう退院もされているらしい。
相手さんに大きい障害とか何も残らんくて良かった、それだけでも救いやわ、と話す。
車椅子に上半身だけを乗せて、そう笑う。

自分より相手を想って笑える君は立派です。

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最後に誰を思い出すか

同室に入ってきたお婆。
何の病気かは知らないが、スタッフとのやり取りを見る限り、失語症らしい。
よくスタッフと喧嘩をしている。
言葉が出にくかったり理解しにくかったり、そういう本人のイライラをもう少し解釈してあげる余裕がスタッフにあればな、と思いながら会話を聞いている。

会話してるようで会話してないよね、
ね?看護師さん、
ぜひとも精神科においでよ、コミュニケーション今のままじゃやっていけないよ

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入院生活で楽しいこと

つい先日、入院して1年が経ちました。
おめでとうございます(?)

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