さわぐり

沢広あや/コペンハーゲン在住。北欧の絵本、教育、図書館、フェミニズム、移民難民・デンマーク社会について。児童・学校図書館司書→児童書専門店勤務/ライター・翻訳者。 お仕事 sawaguricph☆gmail.com (☆→@) http://bit.ly/aya_sawahiro

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    マガジン

    • 孤独の向こうに見える月

      デンマークで子どもが本と出会うお手伝いをしてきました。さまざまな仕事や取り組みを通して教えられたこと、考えたことを綴っていきます。

    • デンマークで読んだこと、聞いたことと、考えたこと

      読んだ本のレビューや、新聞、ラジオなどで読んだり聞いたりしたこと、実際体験したことから、デンマークの社会に関することを伝えたり、考えをまとめたりするノートです。

    • 子どもの本から北欧を読む

      北欧語で書かれた絵本、児童書の中から、北欧社会をよく表しているものについて紹介します。

    • 日々の生活から

      図書館での仕事のこと、子育てのことなど、自分の生活にかかわることについて。こちらにも過去52回分の記事があります。 http://www.office-powerup.com/modules/column/index.php?cat_id=16

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    最近の記事

    ポッドキャスト第5回「スポーツとジェンダー」アップしました。高校野球、「男だろ」、メディアの描くスポーツと感動、デンマークのゆるゆるソフトボールなど。お便りお待ちしてます!https://anchor.fm/hanhunhen/episodes/5-e1u6ucu

      • ポッドキャスト第4回。その人は男なのか女なのか問題について話しました。主語の性別を話し手側が限定する外国語(デンマーク・スウェーデン語)と、お付き合いの相手の性別を明らかにする日本語。児童書店で出会うジェンダーステレオタイプについても。https://anchor.fm/hanhunhen/episodes/4-e1tu718

        • ◇10. 狭き門

          仕事を探しながら毎日コペンハーゲン中央図書館で千本ノックを受けてきた6か月。この契約は制度上延長できないこともあり、わたしの千本ノックは一旦6か月で終了した。 その後はまた家にいてジョブセンター(職業安定所)のホームページから仕事を探し、カバーレターと職務経歴書(CV)を送る日々。ただ以前までとは異なり、コペンハーゲン中央図書館での職務経験があることで、少しずつ手ごたえを感じることも増えた。 とはいえ、なかなかハードルの高い職種であることは間違いはなかった。デンマークの公

          • ポッドキャストをはじめました

            セシリエ・ノアゴー著『デンマーク発 ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て 多様性と平等を育む10の提案』(ヘウレーカ刊)をきっかけに、訳者であるわたし(さわひろあや)自身や、リスナーさんの体験談、また子育てのなかで遭遇するジェンダー・ステレオタイプについてあれこれ話していくポッドキャスト番組を始めました。 なかなか普段の会話では気軽に話題にしにくく、一方SNSでは言葉が厳しくなったり、間違った認識ではいけないからとあまり自由に話すことができない。ジェンダーにまつわ

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            公共広告についての論争をきっかけに、デンマークの学校で広告について学んだ娘の体験を振り返ってみた

            JR大阪駅に掲示された公共広告について最近ネット上で論争になっていると知った。広告といえば、多くの人が日常的に目にするものである一方で、わたしたち個人はそれをどのように受け止め解釈すれば良いのか、あまり明確な基準はない気がしている。ただ何となく描かれたもの自体について「好感が持てる」か「不快だと感じる」といった印象で語ることが多いのではないか。それ以上の言葉にするすべを、わたしたちは持ち合わせていないのかもしれない。それでも、多様な人々が目にするものを快不快という感覚のみで語

            お知らせ:オンライン・トークイベント

            京都にある絵本書店、絵本のこたちさんとのオンライン・トークイベントのお知らせです。 2022年8月にヘウレーカから刊行された訳書、セシリエ・ノアゴー著「デンマーク発 ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育てー多様性と平等を育む10の提案」を囲んで、絵本のこたちの熊谷さんと、子育て×ジェンダーについてあれこれ、わいわいとお話することになりました!アーカイブも残りますので、当日ご都合が悪い方もぜひ。 2022年12月19日(月)20時より。(アーカイブあり) 書籍とセッ

            路上生活者が案内するコペンハーゲンウォーキングツアー

            暖かな日差しが眩しいある夏の日の午後、わたしはデンマークで一日の利用者数がもっとも多いノアポート駅から徒歩5,6分のところにある、Ørstedsparkenという公園の前にいた。鳥のさえずりが響き、街の中心地であることを忘れてしまうかのような緑豊かな公園の前には、ある男性を囲んですでに何人かの人々が集まっていた。 「ようこそ!」 にこやかにそういうと、男性はわたしと夫にすっと右手を差し出した。少し汗ばんだその手を握ると「今日は来てくれてありがとう」と男性はわたしたちにほほ笑

            ◇9.求職中の千本ノック

            コペンハーゲンの図書館に日本語の絵本や児童書を届けていた間に息子は保育園が決まり、わたしは論文を書いて図書館大学を卒業した。 卒業はしたけれどすぐに雇ってくれるところがあるわけでもなく、デンマークでは就職活動は大学を卒業してから始まることもあって、はじめのうちはぼんやりと仕事を探しながら過ごしていた。大学卒業後、わたしたちは引越しをしたのだが、新しく引越した地域の保育園に空きがなかったこともあり、バス2台を乗り継いで毎日2人の子どもを引越し前の園に送迎しなければいけなかった

            zine〈アストリッドとピッピがおしえてくれたこと〉から2年が経ちあらためて。

            〈アストリッドとピッピがおしえてくれたこと〉というzineを発表してから2年が経ちました。このzine は、2019年にnoteでアストリッド・リンドグレーンの若い頃のできごとを紹介したところ多くの反響をいただいたこと、そしてわたし自身がリンドグレーンの人生にとても共感することが多かったことから、記事の土台となったリンドグレーンの伝記(デンマーク語。日本語未訳)を読み込んで、いくつかのテーマで掘り下げて紹介したものです。18 歳で予定外の妊娠、まだ中絶が合法ではなかったスウェ

            わたしは女でなくただわたしでいたかった

            「自分の性別をいつも意識していますか」とたずねられたら、あなたはどう答えますか。 幼い頃、わたしは自分が男なのか女なのか意識したことはありませんでした。気がつくといつも一緒に遊んでいたのは男の子。かれらと同じように自分を「ぼく」と呼んでいました。ある日、仲良しの子から「さわぐりちゃんは女の子なんだからぼくらと同じではないよ、おしっこの仕方だってちがうんだよ」と言われ、初めてふだん一緒に遊んでいる子たちから区別されるという経験をしました。 好きな色は青、好きな服装はショート

            ◇8. コペンハーゲンの図書館に日本語の子どもの本を届け続けた日々のこと

            BOOK STARTの仕事と図書館のカウンター業務、児童書の整理をしながら、デンマークの図書館で少しずつ仕事を習得していたわたしは、2011年1月に2人目の子どもを出産した。その後は小さな子どもたち2人を育てながら翌年大学に復帰して修士論文を書かねばならなかったこともあり、仕事と論文を掛持ちする自信もなかったことから、出産直前に引き継ぎ書を書いて退職した。その後の1年間は予想通り育児でバタバタの生活となった。 それでも絵本との関係は続いた。息子が1月に生まれて数か月が過ぎた

            ◇7. 絵本は文化を知る窓になった

            図書館の仕事の日に毎回4,5冊デンマーク語の絵本を持ち帰り、夫に読み聞かせをしてもらって娘の反応と夫の感想をメモる日々。デンマーク語の絵本は自分でもそれなりに理解はできるけれど、読み聞かせはネイティブの夫にしてほしいと常々思っていた。声を出して読むとき、どこで抑揚をつけるのか、どこで盛り上がるのか、それを言語のハンデなく1回目からさらっとできるのはわたしではなく夫だろうと思っていたからだ。 その代わりわたしは日本語の絵本を娘に読んだ。デンマークに住んでいるとそうそう日本語の

            ◇6. 図書館の仕事、広がる世界

            家庭訪問を通してさまざまな人と出会い、絵本を届けていくなかで、わたしは図書館の別の業務にもかかわってみたくなった。そこで館長のメッテに相談してみると、児童書部門へ返却された本を本棚に戻す作業と、カウンターの簡単な業務をしてみてはと提案された。図書館大学の学生でもあったので、BOOK STARTの仕事に加えて週に2回程度シフトを入れてもらい、事務員さんや司書さんたちと同じカウンターに立つことになった。 デンマークの図書館では、返却期限を過ぎても本を返却しなかった場合、罰金が発

            ◇5. 言葉のちから

            三歩進んで二歩下がる、一応前進はしてるんだけれど、問題なしという訳でもない。まるで厚い雲に覆われて先が見えないようなBOOK STARTプロジェクト。 https://note.com/sawaguri_cph/n/n7a65870e6f14 家庭訪問をするなかで、居留守をつかわれたり、玄関横の窓から絵本の入ったバッグだけをサクッと受け取って窓をピシャリと閉められたり、そんな塩対応なお宅にある共通点が見えてきた。それはソマリア人の家庭であることが多いということだった。誤解

            ◇4. やっぱり一筋縄ではいかない

            絵本の入った黄色いバッグを肩からかけて家庭訪問をすることにも随分慣れた。ときには長居して、家の人とどうでも良い話で盛り上がるというリラックスぶりまで披露できるようにもなった。 (これまでの内容は「家庭訪問は流れに任せて」にあります) そんなある日、わたしは3か月に一度の報告書を書くために図書館の事務室でパソコンに向かっていた。そして近くに座っていたハンネと、最近は家庭訪問が少し楽になってきたと話していた。自分の事のように、良かったじゃない!と喜んでくれたハンネは、きっとも

            ◇3. 家庭訪問は流れに任せて

            トラウマ級の体験から始まったBOOK STARTの仕事。 https://note.com/sawaguri_cph/n/nfaababde31b5 次第に知らない人の家のインターフォンを押すことも怖くなくなっていった。家にいてくれればラッキー、中に入れてもらえれば最高、インターフォンに反応がなくとも怒鳴られさえしなければまったく問題なし!と思えるぐらいにはなっていった。 驚いたのは、ほとんどのお宅でハガキの存在を忘れていたり、気づいてもいなかった場合でも、家に居さえす