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記事:「ノンバイナリー」な服装で歩く僕 思い切りと折り合いの間で(朝日新聞)

性別にとらわれない「ノンバイナリー」なファッションに関する記事。

最近、職場で好きな舞台の話をしていた時に、その劇中歌がとても好きという話をしていた。「Rocky Horror Show」の「Sweet Transvestite」。「『Transvestite』ってどういう意味ですか?」と聞かれた。「異性装者」という意味である。この曲で覚えた。

映画版の曲は公式の動画が見つからなかったので、Apple Musicのリンクを。

大雨の夜道を若いカップルが車で走っていたところ、パンクしてしまったので電話を借りようと古城を尋ねると「異性装者」のフランクン・フルタ―博士が人造人間を作っていた…という本当にブッ飛んだ最高な舞台・映画です。大好き。今日の午前(この記事を見つける前)にふと見たくなって、また映画を見てしまったのだけれど、今思えば上記の会話をしていたことが頭の片隅にあったんだな。

こちらは舞台版のサントラ。映画版と少し違っていたりして、こちらもとてもいい。Apple Musicで自動作成される2024年に聴いた曲TOP20のうち13曲がこのアルバムの曲だった!残りの7曲のうち2局は映画版のサントラの曲。我ながら聴きすぎ。

日本では古田新太さん主演で何度か舞台化しており、2022年の舞台を観に行くことができた。まだコロナの影響が残っていて、声出しには制約があったけれど、本当に楽しかった。ちなみに「異性装者」の役名は「フランクン・フルター博士」で、古田さんが演じることは運命のようなものを感じる。若いカップルを演じた小池徹平さんもすごかったなぁ~。

他のミュージカルを見ていて、「Transvestite」という単語が出てきたことがある。「Kinky Boots」。この曲の後のシーンで出てくる。

こちらも主人公が異性装者ですね。このミュージカルも本当最高。サントラも最高で、2022年に聴いた曲TOP5のうち、3曲がこのサントラの曲でした(1位はやっぱり「Sweet Transvestite」)。一時期、このミュージカルのトリの曲「Raise You Up」でテンションをぶち上げてから仕事に行ってましたね。

「異性装者」といえば、こんな本も読んでいた。この表現は必ずしも適当ではないかもしれないが、江戸時代に実在した最高に「パンク」な異性装の男女が登場する。

男装を禁止されていても止めず遠島に処された女、女装姿で貸金営業を営み女に求婚した男、男同士の夫婦、陰間茶屋で男色に従事する美少年たち---。社会規範からの逸脱の実態を記録した事件資料を読み解く。

「江戸の異性装者たちセクシュアルマイノリティの理解のために」帯

 書き終えて、まず思ったのは、セクシュアルマイノリティとして人を区別することの無意味さである。筆を進めながら、人はそうしたカテゴリーに誰一人として収まらないものだ、という知見に到達する作業を重ねてきたともいえる。
 生まれ持った性と反対の性が真の自分自身であると感じる人が、時代の波に抗いながら懸命に生きる姿を追う過程は、新たな視座の発見の連続であり、それは異性装と密接な関係にあった。差別化や排除の構造は、国家や社会・共同体維持の要請と連動しており、それは一つひとつの個性や人権を蹂躙する危険を伴うものであったとともに、残念なことに権力側の要請を人々が受容し、差別化や排除を推進する力にもなりえたのだった。そして、こうした状況は歴史過程のみならず、現代社会においても様々な形で存在しているとの識見を得ることができた。

「江戸の異性装者たちセクシュアルマイノリティの理解のために」おわりに p.233,234

記事の内容に戻る。

最近、スラックスの制服を着ている女子学生をたまに見ることがあり、「時代も変わってきてるなぁ」と少し明るい気分になる。ただ、「男子も制服としてスカートを選択することができるようになった」というニュースは何度か聞いたことがある一方で、自分はまだ見たことがなく、そしてそのような男子が目の前に現れたときに、「制服スラックス女子」と同じ反応をするかというと、正直自信がない。比較的、LGBTQに理解がある方だと思っている自分でもだ。

ファッションとしての「スカート男子」は慣れてきているように思う。それは身近で何度か見たことがあり、「スカート」というよりも「ズボンではない、長い布」と別の枠組みとして頭の中で理解しているのかもしれない。スコットランドの民族衣装である「キルト」の存在もその受容を円滑にしているように思う。

一方で「制服」のスカートに対して素直に受け入れられるか自信がないのは、やはり制服は「男女」で明確に二分されていた境界を超えるものだからなんだろう。それでも、目の前に「制服スカート男子」が現れたときは、決して非難、蔑視することなく、「まだまだ自分もカテゴリーに縛られてるなぁ」と考えるようにしたいと思う。

自分も花柄のシャツや原色のニットなど、人によっては「女性的」と感じられる服を好んで着ることもある。結局、男女に「二分」されるものではなく、グラデーションなんだろうと思う。記事で紹介されているノンバイナリーなファッションもとても素敵だ。みんなが好きな格好で、豊かに生きられる社会にしていきたいものですね。

最後に、MVでQueenのメンバーが女装していることで話題になった曲「I Want To Break Free」。ロジャーがガチ。


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