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欲をなくしていた自分と救いの蜘蛛の糸

カフェでゆっくりするのはいつぶりだろう。最近は余裕のない日々ばかりを送っていた気がする。そんな自分の余裕のなさを自分でも気がついていた。あたたかいカフェラテに心まで満たされて一息つく。


こんなにも食いしん坊でどこかに行くのも好きなのに、ここ最近行きたい場所ややりたいこと、食べたいものなどしたいことのない日々を送っていた。余裕がなさすぎて目の前のことをただこなすばかりの毎日。常に旅行やお出かけ、食べたいもののことで頭がいっぱいな自分なのに最近は頭は仕事のことでパンク状態だった。

何でもそうだけれど、欲があるというのはすごいことなんだと思う。欲深くなってはいけないけれど、欲がなくなっても人間気力をなくしてしまう。何かをしたいという気持ちがなくなっているのを自分でも気がついているのに見ないふりをしていた。気がついて立ち止まったら自分が負ける気がした。


そんな自分に終止符を打ってくれたのはパートナーだった。彼はいつも私より私のことをわかっている。声のトーン一つで私の小さな変化に気がつく。
なんでそんなことわかるんだろうということを彼が気がつくたびに、こんなにも自分を想ってくれる人がいることに感謝の気持ちでいっぱいになる。私は自分で自分のことをとても難しい人間だと思う。前向きな時は良いのだけれど、堕ちる時はどん底まで堕ちるし弱っている時はとんでもなく弱い。自分に一つの自信もないのにネガティブな時はそれに輪をかけて弱くなる。
そんな時いつも彼が引き上げてくれる。いつもそうした場面で、私は芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出す。彼という糸に引き上げられて、また地上に出て何かしたいという気持ちを手に入れる。


今回もそうだ。彼のお陰でやっと外に出て何かしたいという気持ちが出てきた。おいしいコーヒーとスイーツを楽しみながら好きな文章を書くという余裕ができた。落ち込むことも多々だけれど、何かしたい気持ちを失うまではよくない。適度に欲を持ちながら、頑張ろうと改めて思った時間だった。





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