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それは思い上がりが過ぎるか…

おれも大概だと思うけどな、言葉は思想に、思想は生活に直結するから 自分の使う言葉を何も考えず周りに合わせてるだけだと 少しずつ何かをすり減らしていく
皆もインターネットを控えて、読書をしたり映画を観たりした方がいいと思った…いや、それは思い上がりが過ぎるか…

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松屋のカウンターに並べられたフレンチドレッシングと、スマホに映されたパリコレクションの映像を交互に眺め、フランスはあまりにも遠いなあとしみじみ思った。
おいフレンチドレッシングよ、お前さんは一体どのへんがフレンチ的なんだい?ナポリタンとかトルコライスみたいに、本当はフランスと何も関係ないんじゃないの。Vogue runwayを見る手を止めてフレンチドレッシングの由来を調べる。このように簡単に手のひらで疑問が解決できる時代はなんて便利なのであろう。スマホが無ければ、図書館にでも走っていって、重たいであろう料理の歴史の本を何冊も持ってきては目次の「フ」のあたりを何度も往復していたに違いない。

(Google検索によれば、フランス料理のドレッシングを基に、アメリカ人のシェフが開発したそうな。)

やっぱり貴様はフランス生まれではないのか! 

それでも高級なイメージをもつ「フレンチ」の名を与えられたおかげでそれは、周りのゴマとか醤油、ポン酢のような茶色っぽい粗野な液体とは違って、白くて上品で、あたかもパリジェンヌですよと言わんばかりにしゃんと居座っているのであった。
ふらんすへ行きたしと思えども、ふらんすはあまりに遠し…というのは萩原朔太郎の有名な詩だが、朔太郎さんも現代に生きていたら、ロックバンドをやりながら同じように思ったかもしれない いや、それは思い上がりが過ぎるか…

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最近さくらももこのエッセイが好きで、よく読んでいるためと元来影響を受けやすい俗物気質のため、文章への影響が如実に出ている気がする。
さくらももこといえば言わずと知れた、ちびまる子ちゃんの作者であり、エロ・グロ・ナンセンスが好きということを巧妙に隠しつつアピールしてもいる偉大な漫画家である。何を隠そう、自分もエロ・グロ・ナンセンスの類は好きなので、やはり共鳴する部分があり、なんとなく惹かれたのだろう。
そして調べるにつれ、さくらももこは「たま」のファンであったことや(たまはちびまる子ちゃんのEDも担当した)、忌野清志郎と共作で歌を作っていたこと、ボーカルにピエール瀧、作曲に細野晴臣、編曲に小山田圭吾を迎えた超豪華かつ変態的構成で「まるちゃんの静岡音頭」(音頭‼︎)を作っていたことを知り、驚愕とともに納得感を持った。音楽の好みもバッチリ合う。
じゃあきっと、色々な好みが合うのだ。さくらももこ先生はKidillもコム・デ・ギャルソンも好きであろう。もしお話ができたとしたら、仲良くなれたに違いない…いや、それは思い上がりが過ぎるか…

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