さとルーヌス

ただの怪談好きです。 体験談や友人から聞いた怪しい話をマンガにして置いておきます。

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最近の記事

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    • 小滝橋異聞その3

      当時住んでいたこのマンションは少し変わった造りで、建物のすぐ裏に二階建て民家が隣接して、マンションの二階通路はこの民家の二階出入り口に橋渡しされ繋がっていた。 オーナーの家だったのか詳細は全く知らないが、そんな造りの為、密閉された建物のそこだけ壁がなかった。 ある大雨の夜、深夜だったと思うが、近くのコンビニに行こうとマンションの階段を降りていった。 その二階に差し掛かると、雨水が床に拡がっているのが見えた。 通路奥の民家と繋がるところから風雨が吹き込んでいるだ。 この通路は

      • 小滝橋異聞その2

        その日はビデオを数本借りてきた。 邦画洋画を取り混ぜたホラーを数本。 ほとんどは取るに足らないB級C級である。 ポテチをかじりながら観た一本に、ゴミ置場の黒いポリ袋の山から 死んだ女が這い出てくるというシーンがあった。 どこかで観たような演出だなあなどと思いつつ、ヒクヒク動くポリ袋の印象だけが残った。 最後の一本をデッキに入れる頃には、深夜1時を回っていたと思う。 壁の向こう、つまりお隣の部屋から何やらバタバタと音が聞こえ始めた。 こんな時間に珍しい、というか、老夫婦が住む

        • 小滝橋異聞その2 ・・・の前に

          小話。 ある日の昼過ぎ。 部屋で仕事をしていると、外から何やら雅な音が聴こえてくる。 神楽で聴くような篠笛の音。 季節になれば町内会の祭りの一団が楽を奏でながら練り歩く道だ。 ただし太鼓以外は録音した音を流すのだが、この笛は明らかに生の演奏だ。 はて、今は祭りの時期だったろうか、にしても笛一本の音とは珍しい。 ひょうひょうと美しい音色だが、妙に長い時間近くに留まって鳴り響く。 少し不思議な気がした。 ウチは窓際に荷物を積んでいるため、窓から確認することはできない。 な

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          夢の話なんて退屈だ 1

          バラバラの雑誌の余白に、あの子の言葉が書かれていた 切々と綴られた想う言葉 とても愛しい言葉を集めながら いつまでも と書かれたページで私の手はとまる 私がすでにこの世にいないことを 思い出したから -2006年1月の夢-

          夢の話なんて退屈だ 1

          小滝橋異聞 その1

          最初に断っておくが、大した話ではない。 いつだったか、稲川淳二氏がtwitterでつぶやいていた怪談の中に、タクシーの運転手が女幽霊を乗せて云々というのがあった。 その場所の描写にどうも聞き覚えがある。 おお、そこ当時住んでいた近所!その幽霊がタクシーから降りた場所って私がよく使ってた道! よくよく馴染みの、小滝橋のとあるポイントであった。 その大通りのポイントから小道を下って踏切を越えた辺りに、当時住んでいたマンションがあった。 地形的に谷の底に位置するその建物は、ち

          小滝橋異聞 その1

          猫とこわい夢のはなし

          ある人の話だが、大病をしてもうだめだとなると、寿命でもない飼い猫が死ぬ。 するとその人は回復する。 しばらく経ってまた大病をする。 今度こそ危ないというタイミングで、やはり飼い猫が死ぬ。 するとその人は回復する。 猫が身代わりになる、という。 猫には魔を払う力があるとよく聞く。 私自身、些細な体験ばかりだが、怪しい事柄が続いた時期がある。 思い返してみると、その最中一年ほど猫と暮らしていたことがあったが、その間は何事も起こらなかったと思う。 話が変わるようだが、「こわい夢

          猫とこわい夢のはなし

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          あの家 その2

          あの家 その2

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          UFOの日

          もう40年以上前のこと。 朝刊を配り終えて自宅近くまで戻ってくると 山の向こうの雲の中で何か光っているのが見えた。 飛行機にしてはでかい。 飛行船かと思った。 映画で観たヒンデンブルグ号より巨大だ。 ゆっくりゆっくり、海側、つまり北方向へ移動している。 まだ、山向うから顔をだしていない太陽の光が その物体の底面に反射しギラギラと輝かせている。 金属製に見えるそれがギラギラしながら、雲の中を移動していく。 こんな飛行船がこの東北の地で飛ぶのだろうか? はたまた、レンズ雲の

          ぴちぴち

          もう何十年も前になる。 父の三回忌であったろうか、帰郷したときの話である。 実家は社宅であったゆえ父の死により引き払うこととなり 別の町の二階建て一軒家に母と妹らは移り住んでいた。 法要を済ませ、私がこの新たな実家に初めて足を踏み入れたのは夜であった。 田舎の夜は早い。 9時過ぎには辺りも静かになり、疲れもあって家族も就寝モードになる。 母らは二階の寝間に引っ込み、私は同じ二階の廊下を挟んだ隣りの小部屋に押し込められた。 かと言って夜更かしに慣れきった私がすぐ眠れるわけもな

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          あの家 その1

          あの家 その1

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          語るのが難しい怪談

          自分の体験談で重要な話がひとつある。時期の違う三つの出来事がつながる話だ。それにはある動物が関わってくるが、とてもセンシティブな事柄を含むため「語り方」がとても難しい。 かつてmixiで書いた事はあるが、そこですんなり受け入れられたのは、長い時間をかけて自分という人間を知ってもらった上での語りだったからだと思う。最近とある匿名SNSでその過程をすっ飛ばしていきなり書いてしまったため、全く反応が無くなり失敗を認識。それはここでやっても同じことになるだろう。 語るとしても漫画

          語るのが難しい怪談