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権力とは何か (要約)

政治学的には権力のとらえ方は6つある。
①実質的権力論(具体的に捉える)
②関係的権力論(人間関係で捉える)
③機能的権力論(-と+を総合的に捉える)
④非決定的権力論(決めさせない力と捉える)
⑤3次元的権力論(3つにわけて捉える)
⑥暗示的権力論(見えないものとして捉える)

今回は⑤3次元的権力論と⑥暗示的権力論を詳しく要約していく。

5、3次元的権力論

ルークスは権力を「嫌がることを強制する力」だといった。

そしてルークスは権力を3つに分けた。
①1次元的権力
明らかである争点を叩く力のこと。無理やり争点を捻じ曲げていうことを聞かせる力であり、一般的に想像しやすいもの。
(例:子供が外に出かけたいといっているが、母親は家から出さない)
→権力を使うことが下手糞な親、逮捕される政治家・官僚がやる。

②2次元的権力
ぶつかりあうであろう争点を事前につぶしておく力のこと。明らかに争ったりせず、裏で手を回したりする。
(例:子供が外に出かけたいと言うだろうと見越して、子供の友達に「うちの子は誘わないで」と言ったり、周りを「家に出させない」という気にさせたりすることで、外出を防ぐ)
→賢い政治家、官僚が行う。

③3次元的権力
相手の認識ややりたいこと自体を変えてしまう力のこと。洗脳によって、相手を都合の良いようにコントロールする。
(例:親は子供に「子供は出かけず、家事をすべきだ」ということや、「外出すれば、親の迷惑になる」ということを教え続け、洗脳することで子供をコントロールする)
→学校教育、GHQによる日本への洗脳プログラムなどにつかわれている(いた)。

「3次元的権力は権力か?」という批判もあるだろうが、れっきとした権力である。では、もし、洗脳されている彼らが事実を知ったらどうなるだろうか(「反実仮想」)。もちろん抵抗するであろう。現に、GHQの「日本が全部悪い」という洗脳が発覚し、「日本を誇りに思う歴史教科書をつくろう」という動きがある。

6、暗示的権力論

フーコーは「自由な個人(主体)は存在せず、個人(主体)も権力に支配されている」という。つまり、我々は常に支配されており、権力から抜け出すことができないという。

フーコーが言う権力の特徴は3つある。
①権力は、行動を禁止するのではなく、何かを自発的に行動させるものである。
②権力は、常識・学問・知識などの「知」から行使される。
③権力は、日常などのミクロな次元で働いている
(例:電車の中では静かにするのがマナーだという常識があり、周りの視線も気になるため、理想的な人を進んで演じて、電車の中では静かにする)

この思想は政治学に大きな影響を与えた。
①権力から自由になることはできないということ、政治以外の日常に権力が潜んでいるという点が革命的な思想である。
②「この世のすべてが権力でできている」と考えるため、「これが正当だ」「ここから自由だ」ということができなくなった点が革命的な思想である。


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