謀略の狭間に恋の花咲くこともある #04
(第二話)『二者択一』後編
翌日、出社するとすぐに峰村課長から会議室に呼ばれた。
「昨日は大変だったね。なーに、伝票のミスは気にすることはない。『よくある』と言ったらいいすぎだが、こんな仕事をしていたらなくなることはないからね」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
峰村課長が無理に平静を装っているのだと判った。私に「気に病むな」と言いたいのだろう。
「で、笹原さんがイベントの際に担当した先方の名刺や連絡先のメモなんかがあったら見せてほしい」
「何か大変なことでも?