マガジンのカバー画像

連載推理小説『甘いタリウムは必然の香』(完結)

37
体力だけが自慢の有田未明が、特異体質の名探偵ホームズこと結城巣逗に振り回されながら、謎を解いていく痛快ミステリー。  有田とホームズの恋の行方を匂わせつつ、事件を通して仲間が増え…
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

甘いタリウムは必然の香(15)

 第三章 奇妙な依頼   3. 彩花の謎行動とミリ探偵  十月二十一日、金曜日。尾行三日…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(14)

 第三章 奇妙な依頼   2.山科の武勇伝とマスター  ホームズが彩花の尾行を開始して二…

さっとも
4年前
2

甘いタリウムは必然の香(13)

 第三章 奇妙な依頼   1.マスターの謎依頼と事件捜査 「もうベイカー街は閉めたんです…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(12)

 第二章 ふたり目の犠牲者   4.聞き取り(マスター)  三人で今日の聞き取りと捜査本…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(11)

 第二章 ふたり目の犠牲者   3.聞き込み(練馬)  山科大介は練馬区の一軒家でひとり…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(10)

 第二章 ふたり目の犠牲者   2.聞き込み(世田谷)  真鍋の水死体が発見された翌日、…

さっとも
4年前
1

甘いタリウムは必然の香(9)

 第二章 ふたり目の犠牲者   1.謎の転落死  十月十七日、月曜の朝。有田が捜査会議の席上で、真鍋への張り込みを提案しているときだった。  電話を受けた捜査員からのメモを見ながら、管理官の剣崎が有田の言葉を遮るように手で制した。 「有田君、残念だが真鍋を張り込む必要はなくなったようだ。さっき品川埠頭で真鍋の水死体が見つかった」  有田はその場に立ち尽くしたまま唇を噛みしめた。  真鍋は昨夜の内に行動を起こしたのだ。  犯人に心当たりがあって接触したのか、逃げ切れない

甘いタリウムは必然の香(8)

 第一章 はじまりの事件   4.聞き込み(品川)  次に、真鍋が経営する品川の運送会社…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(7)

 第一章 はじまりの事件   3.聞き込み(田端)   ベイカー街を出た有田とホームズは…

さっとも
4年前
3

甘いタリウムは必然の香(6)

 第一章 はじまりの事件   2.女将殺人事件の謎  ――あれは、二週間前の十月二日。し…

さっとも
4年前
2

甘いタリウムは必然の香(5)

 第一章 はじまりの事件   1.ベーカー街の探偵  有田は大学を卒業すると、憧れていた…

さっとも
4年前
1

甘いタリウムは必然の香(4)

 序章 ホームズとの出会い   4.意図的な必然  事件から一週間後に不破が無事に退院し…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(3)

 序章 ホームズとの出会い   3.阿吽の連携プレー  先に救急車が到着して不破が運びこ…

さっとも
4年前

甘いタリウムは必然の香(2)

 序章 ホームズとの出会い   2.金属アレルギーの男  まだ発足したばかりのサークルで、部員集めに奔走していた学園祭の最中のこと。  十月も半ばというのに、夏の延長戦がいつまでも続いているかのように灼熱の太陽が照りつけていた。 「新しく発足した日本で唯一。いや、たぶん世界で唯一のサークルで、一緒に研究してみませんかー」 「人間の深層心理に語りかける『心理操作実践サークル』だよ」 「まだ、研究は始まったばかりだから、今なら誰でもエキスパートになれるよー」  新参