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トンネルを抜けるとそこは雪国だった。

60日目

自分語りとなるため、あまり面白い話ではない。

川端康成の雪国ではないが、僕の生まれは秋田県北部。田舎出身ということで、都会は東京、南は京都に修学旅行でしか行ったことがない。

人間、世の中を知らないと世界観は成長しない。生まれたところが基準となり、その価値観を基準に物事を判断してしまう。

例えば、田舎は騙す人はまずいない。しかしながら、人口が多いところは騙す人も多いためか、田舎出身の人は簡単に人を信じてしまう。
また、競争が激しい都会を経験したことがないので、努力をせずに現状維持をする傾向がある。


田舎出身の僕が初めての一人暮らしは神奈川県。大学進学のために地方から神奈川へ出てきた。

人が冷たいと感じ、頭のおかしい人が多いと思った。友人もいない1人の環境では地方に帰りたいと毎日思った。

大学に進学する時は両親に戻ってこないと啖呵を切って出てきたため、1年目の夏休みは地元に戻らずにアルバイトをしていた。

冬休みはどうしようもなく地元に戻りたくなり、新幹線→高速バスで帰省した。

その時の秋田県の県境トンネルを越えた時は秋田特有の雪景色が現れた。
その時、僕は全てを捨てて秋田に帰りたくなった。常に自分を高めて、苦手な勉強をして、人に怒られて、そんな生活にうんざりしていた。

あんなに嫌いだった秋田の雪景色は魅力的で、戻って来いと誘っているように思えた、と同時に厳しい寒さが教えるように耐え忍び、粛々と努力せよ!とも言ってように思えた。


雪国と田舎は生産性が下がるが、雄大な自然が人を育てることもある。


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